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錯視の体験を原点に。山口聡一個展「dimensions」開催

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東京・神宮前に開廊するコンテンポラリーアートギャラリー「EUKARYOTE (ユーカリオ) 」で、山口聡一 個展「dimensions」が3月2日 (金) から3月25日 (日) までスペース1Fにて開催される。

山口聡一は少年期に強い印象を覚えた錯視の体験を原点に絵画制作を続けており、東京藝術大学在学中の2006年に「GEISAI#9」にて金賞とhiromiyoshii賞を受賞、2008年にはモスクワビエンナーレへ参加、以降は香港や台湾で継続的に作品を発表し、独自の色彩感覚と描写力による鮮烈でオプティカルな作風は国内外の場で鑑賞者を惹き付けている。昨年の個展では、現代の表層文化に対するアイロニーでもある「montage (beauty cyborg)」、キュビスムに対する敬愛や自身の再考を織り交ぜた「Cubic Cubism」など、活動初期のロールシャッハテストを思わせる二次元世界から発展し、私たちの身近なアイコンであるアニメのキャラクターや絵画の名作をモチーフに取り入れながら、巧妙な画面上の虚構で二次元と三次元の狭間へと誘う展開を見せた。山口聡一は、本展の開催にあたって次のように語っている。



「遊園地などにある巨大迷路、そこに入っている状態の人と高台の物見席からそれを見る人とでは同じ巨大迷路を見ていても見え方がまるで違ってくる。巨大迷路に入っているひとにはまるで2次元の世界を体験させられているように感じるのに対して、高台からそれを見ている人には3次元で迷路の構造が見えている。迷路のゴールを目指すのに次元の違いによって難易度は随分変わるだろう。
私達がものを見るときに当たり前のように解釈している次元的な捉え方を変えてみると見慣れたものも新鮮に感じたり、違和感を覚えたり見慣れないものになり得る面白さを感じ、次元というキーワードを基にものの見え方、捉え方を探っていきます。」


探求はキャンバス内に止まらず、現在はレリーフ状の支持体や立体での作品制作にも取り組んでおり、本展が初めての発表の場となる陶器を素材とした作品は、絵付けした器を砕いて平面へと分解し、更に展開図のように組み変えて再構成するなど、平面から立体、更に平面へと次元を行き来させる複雑な実験を重ねており、視覚で認識できるものに対する純粋な問いかけと共に新しい知覚を探っている。カラフルでポップな華やかさと、奥底にある違和感といった魅力を併せ持つ山口聡一の新たな展開を、是非体感されたい。


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山口聡一 個展「dimensions」
会期 : 2018年3月2日 (金) – 3月25日 (日)
会場 : EUKARYOTE スペース1F (東京都渋谷区神宮前3-41-3)
[東京メトロ銀座線 外苑前駅 出口徒歩10分]
時間 : 12:00 – 19:00
休廊 : 月曜日

EUKARYOTE Website

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