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『クジラのいた夏』野村周平インタビュー(前編)

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青春時代、そう口にするだけで、なんだか甘酸っぱさやホロ苦さが込み上げる。映画『クジラのいた夏』は、そんな誰しもが経験する人生の通過点、そして旅立ちの時を、ストレートに描き出した爽やかな一作だ。これが単独初主演ながら、今後は『日々ロック』などの話題作も続く大注目の野村周平。実生活ではスポーティーな一面も持つこの若き逸材に、映画のこと、自身の青春時代のこと、そしてこれからのことを、じっくりと訊いた。

「リアルですね。10代の男という生き物をリアル過ぎるくらいに描いてますよね」

俳優、野村周平は、単独初主演を飾った映画『クジラのいた夏』についてそう表現し、顔をほころばせる。爽やかに弾けるその笑顔は、彼が演じた主人公“チューヤ”のラストシーンそのものだった。

 

『クジラのいた夏』は高校を卒業した若者が「上京するか、故郷に残るか」の決断でとことん悩みに暮れる青春グラフィティ。同じ人生の岐路に立ったことのある人にとっては、その懐かしさ、甘酢っぱさに胸がキュンと響く一作となるに違いない。

 

そこには苦楽を共にしてきたとびきり賑やかな仲間たちの姿がある。一方、野村演じる主人公チューヤはどこか引っ込み思案。自分の気持ちに整理が付かない心の揺れを垣間見せる役柄だ。彼のキャラについて野村はこう分析する。

 

「チューヤは信念があまりないから、友達の助けや励ましがないと東京へ旅立つ決心も付かないし、ずっと想い続けた女の子に『好きだ』って告白することもできない。まあ、言ってしまえば、“意気地なし”なわけです(笑)」

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