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フィリップ・ガレル『ジェラシー』インタビュー

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— なぜ今回はシネマスコープなのでしょう。あなたの撮影手法に適しているからでしょうか?

フィリップ・ガレル「シネマスコープは唯一私に可能な映像面での贅沢だ。もちろん35ミリでアナモルフィック・レンズを使った正真正銘のスコープだ。非常に美しい結果が得られた。これは逆説的だが、とくに狭い場所においてその効果が現れるんだ。この撮影システムだと、映像の両端にある事物もフレーム内に収められ、他のメソッドにはない広さがもたらされる。だがそのためには非常に優秀な撮影助手が必要だ。ジャン゠ポール・ムリスがそうだ。完璧な的確さで手持ちのスコープ撮影ができる。大半のショットはそのやり方で撮影された」

−− 非常に強固で、とても心を揺さぶるフレームばかりです。しかもそれらは語りの要請に従っていないだけに、なおのことそうなのです。とりわけクロ−スアップ。この作品におけるクロースアップは、多くの場合すでに語るべき事柄が語られた後にやってきます。だからこそそれらは通常とは別の仕方てで機能するのです。

フィリップ・ガレル「それは無声映画のやり方だ。私はかつて何本か無声映画を撮ったし、そもそも無声映画が大好きだ。たとえいま無声映画をつくれる可能性がもうないにしても、私は無声映画の名残を手放しはしない。どんなに難しいとしてもやはり無声映画をつくってみたいと思う。そうすれば必ず良いものができると確信しているよ。今回いくつかのクロースアップでは特殊なレンズを使用しているんだが、それらは超接写のために構想されたレンズで、とてつもなく豊かな表現性を顔に与えてくれた」

 

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インタビュー翻訳 松井宏

translation Hiroshi Matsui

 

 

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フィリップ・ガレル

1948年、パリ生まれ。幼少期には絵画を学び、俳である父モーリスに連れられて多くの映画を見て育つ。13 で初めてカメラを手にし、16 歳で制作した短編映画『調子の狂った子 供たち』をきっかけに、ヌーヴェルヴァーグ次世代の旗手として注目を浴びる。パリの5月革命を機にパリを離れた後、69 年のNYでアンディ・ウォーホルのファクトリーに出入りするうち、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドにボーカルとして参加していたニコと運命的に出会う。ふたりは公私共にパートナーとなり数々の作品を一緒に制作する。ニコのアルバム『デザートショ ア』のジャャケットに使われているスチール写真は、そのうちの 1 本『内なる傷痕』から。またニコと俳優アラン・ドロンとの間に生まれた「秘密の子供」も、カレルの映画の重要なモチーフとなった。79 年にニコと離婚、83 年には女優のブリジッド・シイとの間に息子のルイ・ガレルが誕生する。同年には、父モーリスを主演に迎えた『自由、夜』 を発表し、カンヌ国際映画祭でフランス映画の展望賞を受賞。 88 年にニコが事故により急逝すると、ニコとの私的な物語を描いた『ギターはもう聞こえない』を監督し彼女にささげる。本作は1991年 ヴェネティア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した。93年には、ルー・カステル、ジャン゠ピエール・レオー主演の『愛の誕生』を発表、ジョン・ケイルが音楽を手がける。98 年にはフランスの女優カトリーヌ・ドヌーヴ主演の『夜風の匂い』を監督し話題を呼んだ。2005 年、ルイ・ガレルを初めて主役に据えた『恋人たちの失われた革命』を発表し、2回目のヴェネティア国際映画祭銀獅子賞を受賞。 2011年『灼熱の肌』ではモニカ・べルッチを主演に迎える。フランス国立高等演劇学校でも教師をつとめている。現在、『ジェラシー』に続く最新作を制作中。

 

 

『ジェラシー』

9月27日(土)より、渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開

© 2013 Guy Ferrandis / SBS Productions

配給:boid、ビターズエンド

監督:フィリップ・ガレル

キャスト:ルイ・ガレル/アナ・ムグラリス/レベッカ・コンヴェナン

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