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映画『ピース オブ ケイク」多部未華子&綾野剛インタビュー

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ジョージ朝倉原作のラブストーリーが、多部未華子と綾野剛によって実写化された映画『ピース オブ ケイク』。若さゆえに純粋で不器用な恋の模様は、老若男女問わず観た者の胸を“キュン”と締め付ける。加えて、体当たりで感情と感情をぶつけ合う多部と綾野の演技も見どころだ。初共演にもかかわらず息の合った掛け合いで魅せた二人に、今作に対する意気込みから撮影時のエピソードまでたっぷりと語ってもらった。

――志乃と京志郎を演じるにあたり、お二人がそれぞれ一番大切にした部分はどういったところでしたか?
多部「初めて原作を読んだ時、恋をした女性が抱くもどかしさや、次の恋愛こそは!って思う気持ちや、逆に仕事に邁進するなど、共感できるところが本当にたくさんありました。実は最初、原作に出てくる志乃ちゃんとは見た目が全然違うので、どうしようかと悩みました。でも、原作を読んで感じた志乃ちゃんに共感する気持ちが、演じた時に自然と出ればいいかなと思って、そこはあまり意識しないようにしました。」
綾野「僕は、志乃との関係を大切にしてました。京志郎自身はわりとどっしりしていて、屈託がないというか。来る者を拒まず、去る者を追わずというところから、来る者をきちんと選び、去る前にちゃんとつなぎ止めるってことが最終的にできたらいいのかなと思っていました。」
――田口トモロヲ監督とは、お二人とも俳優としての共演経験はありますが、監督としては今回が初とのこと。現場での印象はいかがでしたでしょうか。
多部「監督には撮影に入る前から、こういう時女の子はどんな心境になる? どういう行動に移す? どういう台詞回しがいい?と、すごくいろいろ質問されました。トモロヲさん曰く「おじさんが考える志乃ちゃんより、同世代の多部ちゃんが考えたほうがわかるんじゃないか」ということで……。それまでトモロヲさんが撮られた作品を観ていた印象から、今回もすごく熱い撮影現場になるのかなと思っていたのですが、そうではなく、とても繊細でナイーブな方だという印象を受けました。」
綾野「僕も多部さんと同じ印象です。役者をやられている時のトモロヲさんを出して現場にいらっしゃることはまったくなくて。今回は監督に徹せられてたと思うんですが、細かいところまでこだわる繊細さが際立っていたように思います。細やかな演出をしてくださることはもちろん、時には役についてトモロヲさんとディスカッションすることもありました。」
――劇中では喜怒哀楽をさらけ出した二人の関係性が印象的でした。お二人は志乃と京志郎の恋愛観について、どう思いますか?
綾野「僕はいつも役と自分を切り離して考えるので、共感ではなく、理解できるところはあるという感じです。完成した作品を観て「京志郎、それ以上笑うと志乃は本当に怒っちゃうよ」と、客観的に思うというか。もし普段の生活の中で同じようなことがあったとしたら、相手が本気で怒っているか、そうでないのかは判断できるようになろうとは思いました。」
多部「私は志乃ちゃんの恋愛観、共感できます。例えば……誰にでもすぐについていくところとか。」
綾野「誰にでもすぐについてくの?」
多部「ついていっちゃいます(笑)。もちろん、その人のことを知りたいっていう興味があることが前提です。それは男性だけではなく女性でも、友達になれるかもしれないという出会いも含まれています。志乃ちゃんのそういう気持ちもわかりますし、付き合ってからのネガティブ思考もすごくわかります。わかるところばかりでした。」

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