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門脇 麦+菅田将暉『二重生活』インタビュー

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哲学科に通う女子大学院生・白石珠(門脇 麦)が、ソフィ・カルによる『文学的・哲学的尾行』を実践、対象者である石坂(長谷川博己)の秘密を知ることにより、自身の感情や恋人である卓也(菅田将暉)との同棲生活にも影響を及ぼしていくーー。小池真理子原作の『二重生活』をドキュメンタリードラマで高い評価を得ている監督・岸 義幸が大胆にアレンジした本作。「理由なき尾行」という仄暗い扇情を掻き立てる非日常的な軸をより鮮明に浮かび上がらせるのが、同棲している恋人同士の日常を描いたシーン。初の共演となった同世代のふたりに、本作への向き合い方、現場で様子から今後の展望までを聞いた。

 

——まず、お二人が原作を読まれた感想を教えてください。

門脇「読み物として非常に面白く読ませていただきました。尾行のシーンが多かったので、映画ではどういう風に撮るのかなと想像もつかなくて」

菅田「僕は原作を読んでいないので、脚本の感想になりますが、自分目線で脚本を読んでいたからなのかもしれないですけど、尾行というとちょっと現実離れしている感じもあるじゃないですか。でも、人間同士のすれ違いであったり、なにかにのめり込んで周りが見えなかったり、それを自分でわかっていながらもちょっと嘘ついたりとか、その辺がすごくリアルで嫌だな、と。その両方をやろうとしているんだったらすごいなと思いました」

——俳優として今回の役柄を演じるにあたり、どのあたりが楽しみでしたか?

菅田「門脇さんとちゃんとお芝居するのが初めてだったので、それがすごく楽しみでした。噂で岸監督はテストをせずにそのままカメラを回すというのを聞いていましたし、そこも楽しみでした。役柄に関しては、久々にニュートラルというか、主要4人の中では真っ直ぐな性格に描かれている。描かれているだけで、もしかしたら他にもあるのかもしれませんが、そういう真っ直ぐな役柄が久々だったので、普通の生活を送る楽しみがありました」

門脇「私は岸さんの作品を拝見していて、いつか絶対ご一緒したいと思っていたので、お話をいただいたときは嬉しかったですね。キャラクターに楽しみというのは普段からあまりないんですけど、私は割と『……』な役が多くて(笑)。セリフが8割ないみたいな。今回は尾行ということもあって、台本がほぼほぼ『……』だったので、『……』を極めることが出来る作品になったのかな」

菅田「確かに、台詞があんまりないよね」

——言葉に頼れないというのは難しいですよね。

門脇「そうですね」

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