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text by Ryoko Kuwahara
photo by Takuya Nagata

NO MORE MUSIC Issue : 90’S TOKYO BOYS feat. Hiroshi Fujiwara

90s_4_NeoL_photography : Takuya Nagata | edit : Ryoko Kuwahara


——ここからは“90’S TOKYO BOYS”についてお話を聞かせてください。


HF「あの曲はちょっと商業っぽい感じですよね」


レイジ「そう取ってもらえて嬉しいです」


コウキ「タイトルも少し商業っぽくていいなと思っています」


HF「TDKのカセットテープのCMに使われてそう」


——それはすごくいい褒め言葉ですね。


ハマ「ヒロシさんがこの曲をそういう具合だと思っているのはよくわかります。僕らもこの曲だけは唯一、世に出すにあたってそういうことを考えているかもしれない。商業的に作ってやろうという意気込みで作ったわけではないですが、むしろ自分達の中では自然とやってしまった感じで。タイトル含め、こういう風に受けていくだろうなと一番予想できる曲です」


——MVが既に出ていますが、お客さんの反応もいいですよね。


ハマ「ものすごくいいです。サクラかなって思うくらい」


ショウ「(笑)。これは、自分たちの代名詞のようなタイトルの曲がバンドの代表曲になりやすいということで」


HF「生まれが90’Sってこと?」


ショウ「はい。90年、91年生まれで世田谷で育ってきたことを押し出してみました」


HF「イメージで言うと、90’Sに東京で遊んでいた人たちという感じがあるけど」


ショウ「そこともかかってくるので、俺らの話だけじゃない広がり方をしたらおもしろいかなと思いました。なので、あえて90年代に自分たちが小さい頃に行った公園の名前なんかを出していて、結構年代をゴチャゴチャに混ぜて歌っています」


——混ざるのもわかるというか、実際90年代に遊んでいた方々の子どもたちがいま90年代生まれとして出てきているので、当時と同じ空気感が実際に漂っている気がします。10代でDIYでブランドを作ったり、ZINEを作ったり、洋楽を聴く子たちが出てきたり、ユースカルチャーが強いのも似ているなって。


HF「いまの人たちがやっている色々なものは、既に過去にあったものだから、そこは結構違うと思う。僕らのときは誰もやっていなかったんですよね。例えばTシャツを作るのにも、当時の常識としては洋服屋でしかできないことで前例がないから、『自分たちでできるのか?』というところから始まっていたので」


——ああ、今では様々なものを手軽に作れるツールがありますからね。


HF「そう。90’S TOKYO BOYSで子どもの頃の公園だということだけど、それはノスタルジーに近い。そうなったらオッサンだから気をつけて」


レイジ「26歳だしなあ(笑)。これまでは思い出というより記憶だった」


HF「過去の景色は甘いから、気をつけないと引きずられてしまう。ちゃんと前をしっかり見ないと。懐メロを聴き出すと、懐メロしか聴かなくなっちゃいますから。同じ音楽を聴くにしても、懐メロの良さとして聴くのと、新しいものとして聴くのでは全然違う。だからハマくんたちがレア・グルーヴを好きだったのも新鮮に見えたし、それを好きになるというのは僕らが失くした気持ちだったから羨ましかった」


ハマ「確かに後ろを振り返って景色ができるようになってきたけど、僕らはまだまだ振り返っても甘くないです。そんなにそこに引きずられる要素はないというか」


HF「ひとつのエッセンスとして取り入れられるんだ」


ショウ「そうですね。自分のなんでもない日常を歌うというのは、本来一番最初にやるはずだと思っていて。そのわざわざやるものでもないと思っていたことをやってみたら、うまくマッチしました」


レイジ「自分の言葉になっている感じが今までで一番ある。本心で歌っているというか」


HF「前から比べるとガツガツした演技をしている感じは全員なくなったかも。演奏もそうだし、歌い方もそうだし。ハマくんのベースの音数もちょっと減った感じだったもんね」


ハマ「減りました。弾く必要のない部分が増えてきたという感じです」


——でもきっとライヴではドヤるんですよ。


HF「THE ALFEEだから」


ハマ「はい、来た(笑)」


HF「最近、洋楽とか聴いてないの?」


ショウ「昔は旧譜ばかりでしたが、最近は新譜をよく聴くようになりました。グライムを聴いてます。スケプタがすごく好きで」


HF「ああ、君たちヒップホップぽい感じあるもんね」


コウキ「僕はこのアルバムを制作していたときはAORにハマっていて、“時差”という曲はネット・ドヒニーのような感じにしたくてINO hidefumiさんにローズを弾いてもらいました」


HF「全体のコード感はそっちだよね」


コウキ「メジャーセブンなんて、前作までOKAMOTO’Sのアルバムにはなかったんですよ」


HF「それがおもしろい」


ハマ「僕は新しいものは全く聴いてなくて。それこそヒロシさんと一緒に演奏した時に教えてもらったシスター・スレッジが、今更ものすごく響いてます」


HF「来週のリハは、ジェシ・コリン・ヤングとサルソウル・オーケストラだから」


ハマ「また出て来る(笑)。僕は昔と聴き方は変わってないです。でも70年代から80年代初期くらいになってきました。前はもっと古くてモータウンなどが多かったので、少しだけ新しくなりましたが、新譜がどうとかまではいってない。バラバラですね」


——ヒロシさんは最近なにが良かったですか?


HF「それがあまりなくて。それでなにかあるかなと思って聞いたんです」


——じゃあOKAMOTO’Sの新譜が一番良かったということで。


HF「OKAMOTO’Sは良かったです」


OKAMOTO’S「ありがとうございます!」


レイジ「ヒロシさんも最近レコーディングしてましたよね。アルバムですか?」


HF「アルバムです」


ハマ「すごく楽しみです!」


HF「コウキくんはバンド以外の人とやったりしてるの?」


コウキ「はい。ちょこちょこ色々なところでやらせてもらったりしています」


HF「マンツーでやったことある? アコギ&エレキみたいな」


コウキ「ないです」


HF「できる?」


コウキ「やりたいです!」


HF「ぜひ」


ショウ「最高じゃん」


コウキ「僕はいつかヒロシさんに、OKAMOTO’Sの曲のプロデュースもやってほしいです」


HF「できるかな(笑)。スタジオに行って『いいね』ってランチパックを食べてるだけかもしれない」


ハマ「出会った頃から期間限定のやつをよく食べてましたよね。僕の中ではランチパックと言えばヒロシさんです(笑)」


レイジ「ランチパックにfragmentマーク入ってほしい〜!!」


——オリジナルを作るとしたら、あんことか地元(伊勢)愛を入れますか?


HF「地元愛はない。東京味」


ショウ「東京味!?」


HF「コスモポリタン味って書いておいたら、ナポリタンと間違えて買ってくれそう」


レイジ「それ、プロデュース曲の特典でつけましょう!(笑)」


NeoL_90s_photography : Takuya Nagata | edit : Ryoko Kuwahara



藤原ヒロシ
80年代よりクラブDJを始め、1985年TINNIE PUNXを高木完とともに結成し、日本のヒップホップ黎明期にダイナミックに活動。90年代からは音楽プロデュース、作曲家、アレンジャーとして活動の幅を広げる。2011年より真心ブラザースの倉持陽一とともにAOEQを結成し新たなバンドスタイルでの演奏活動を行っている。fragment design主催として、ワールドワイドなストリートカルチャーの牽引者としての顔も持ちファッションの分野でも若者に絶大な影響力を持つ。京都精華大学では大学教授も務める。2015年11月よりデジタルメディア”Ring Of Colour”をスタート。
http://www.fragment.jp
http://ringofcolour.com/


OKAMOTO’S
オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(G)、ハマ・オカモト(B)、オカモトレイジ(Dr)。2010年5月にアルバム 『10’S』、11月に『オカモトズに夢中』、2011年9月に『欲望』を発売。2013年1月に4thアルバム『OKAMOTO’S』を発売し、7月に は両A面シングル“JOY JOY JOY/告白”を、11月6日にニューシングル“SEXY BODY”をリリース。2014年1月15日に岸田繁(くるり)を迎えた5th アルバム『Let It V』を、8月27日にはRIP SLYME、奥田民生、黒猫チェルシー、東京スカパラダイスオーケストラ、ROY(THE BAWDIES)らとコラボを果たした5.5 thアルバム『VXV』を発売。2015年9月30日、6thアルバム『OPERA』をリリース。2016年6月1日にNetflixドラマ「火花」の主題歌「BROTHER」を表題曲にしたシングルをリリース。10月29日、東京・日比谷野外大音楽堂公演にてキャリア初の47都道府県ツアーファイナルを敢行。同ツアーからの厳選音源と、ツアー中に書き下ろした新曲「ROCKY」を収録し、ツアーファイナルの映像を全曲収録したBlu-ray付きライヴアルバム『LIVE』を2017年5月31日にリリース。8月2日に7thアルバム『NO MORE MUSIC』をリリース。同年10月7日には中野サンプラザにてキャリア初のホールワンマンの開催が発表されたが、即完売となる。同月30日より恵比寿リキッドルームを皮切りに全国23か所を回るツアー「OKAMOTO’S TOUR 2017-2018 NO MORE MUSIC」の開催が発表された。
http://www.okamotos.net

okamotos

OKAMOTO’S
『NO MORE MUSIC』
8月2日発売
(Ariora)
https://www.amazon.co.jp/NO-MORE-MUSIC-初回生産限定盤-DVD付/dp/B072VKB8QQ/ref=pd_lpo_sbs_15_img_1?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=8MR686V41KK8S9ZDA0PC
https://itunes.apple.com/jp/album/no-more-music/id1253780325


STÜSSY PRESENTS: FUJIWARA hiroshi INO hidefumi FW 2017


KANAZAWA 8月25日(金)AZホール /KYOTO 9月1日(金)都雅都雅/NAGOYA 9月15日(金)Live&Lounge Vio /TOKYO 9月16日(土)Wall&Wall


チケット(税込) 前売¥3,500 (1D) / 当日¥4,000 (1D) ※各会場


https://stussy.jp
チケットぴあ P-code 340-700
チケット発売中


Information
STÜSSY JAPAN 0548-22-7366 (10:00 – 18:00)


Supported by MILESTONES





Hiroshi Fujiwara & OKAMOTO’S
photography Takuya Nagata
interview Ryoko Kuwahara
special thanks montoak http://www.montoak.com

image photos
photography Takuya Nagata
styling Masako Ogura
hair & make-up Katsuyoshi Kojima(TRON)
model Leo(Be Natural)
edit Ryoko Kuwahara

90s_1_NeoL_Photography : Takuya Nagata | Styling : Masako Ogura | Hair&Make Up : Katsuyoshi Kojima | Edit : Ryoko Kuwahara | Model : Leo
jacket ¥42,000 T-shirt ¥12,000 pants ¥23,000 socks ¥2,800/FACETASM
shoes / Stylist’s own
http://www.facetasm.jp
*price excluding tax

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