NO MORE MUSIC Issue : BROTHER feat. OKAMOTO’Sneol.jp | neol.jp

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text by Ryoko Kuwahara
photo by Takuya Nagata

NO MORE MUSIC Issue : BROTHER feat. OKAMOTO’S

NeoL_NO MORE MUSIC_BROTHER_Photography : Takuya Nagata | Styling : Masako Ogura  | Edit : Ryoko Kuwahara


OKAMOTO’Sのニューアルバム『NO MORE MUSIC』発売を祝して、NeoLでは収録曲10タイトルにインスパイアされた10記事とイメージヴィジュアルを1ヶ月にわたって随時掲載していく。第3回目は“BROTHER”をテーマに、OKAMOTO’Sが4人の絆を強めた出来事を語る。


——4人の絆について語る回ですが、知られざる良きエピソードがあればお話してください。


ハマ「(笑)。話を捻出するのに一番時間がかかるテーマですね」


レイジ「今回のアルバムでNYレコーディングに行っておきながら、それを中止にしたときのエピソードは、一番ブラザー感が強いと思う。それぞれがそれぞれの思っていることを汲み取りながらの行動をとっていたからこそ意見もまとまって、中止にしようという決断ができた気がします」


——確かにその大きな決断を4人で下した、もしくは下せたというのは大きい。


ショウ「俺たちはそれぞれの演奏や楽器、音作りなどに対して結構ストイックなので、各自がエンジニアさんをはじめ、スタッフたちとしっかりコミュニケーションをはかりたいバンド。誰かひとりがリーダーで指示をとるというものではない。でもNYでは、俺だけが英語でコミュニケーションをとれて、みんなが思うようにコミュニケーションをはかれなかった。さらに、俺らは色々とトライを重ねながら、パッパッとやりたいタイプなのですが、NYでのエンジニアさんはどの工程においてもゆっくりと時間をかけるタイプで、ストレスになる要素が多かった。
そんな状況下で、4人の中でイメージができあがっているものに口を出されるということもストレスでしたし、今までだったら『NYまで来てお金もかけているし、やっとこうよ』となっていたかもしれないけど、そういう空気の読み方をしないほうがいいのではないかと。アルバムを作るまでの過程なのか、いまの自分たちのタイミングなのかはわからないですが、それぞれにそう思っていた。イメージが出来上がっているのだから、それを形にするということを最優先しようということで、中止にしました」


——それぞれが言葉にせずとも、思っていることがわかった。では、それを誰が切り出したんですか?


ショウ「まず俺が結構腹を立ててしまって。10回くらい同じ問答をしていて、『こうするべきだと思う』『いや、でも俺たちはこうしたい』『聴いて確認しよう。……やっぱりこうするべきだと思う』という永遠のループで。『本当に無理!』と俺が日本語で怒るという(笑)」


——それが初日?


ショウ「そうです。それを見たハマくんが、一旦帰ろうと提案してくれて」


ハマ「とりあえず一度閉じて帰ろうと。そのときは中止にするということではなくて、今日この雰囲気でベーシックのようなものを録り始めてもいい結果を生まないと思ったので、少し大きい声で全体に共有する形で『帰ろう』という提案をしました。そこから始まったというか」


——そこを引き受けたのはえらいですね。


ハマ「いや、もうスタートまでがとにかく長くて。日本でやる場合は、僕たちが着いたらある程度準備ができていて、個々でチェックを始めて、長くかかったとしてもひとり30分程度。全体でどうしようという話をし始めるまでが大体1時間くらいなんですよ。それがNYでは、4人で音を出すまでにかかったのが5、6時間ほど」


レイジ「8時間くらいかかったよ」


ハマ「英語でコミュニケーションをとれないので待つしかなくて。その間の細かいコミュニケーションにも入れず、ある意味で僕は状況を読まなくてもいい立場だったというか。ショウは英語でコミュニケーションを一番とれるからこそ間に立ってしまっていて、それでは言い出せない。誰かが言わないいけないなと思っていたのと、単純に僕が嫌だったんです。結果、みんなも嫌だと感じていたようですが、自分がこのままやりたくなかった。『音、違うよね?』ということをショウも言っていて、僕も思っていて、そう思いながら『NYまで来たから』という理由だけでナアナアで録ることはできない。ここから何日もいるし、スケジュールは崩れるけど、今日は閉じたほうがいいんじゃないかと提案しました」


——それにみんなも同意して、一旦戻った。


コウキ「それで、みんなで急きょミーティングをしました」


レイジ「スタッフも含めて、みんなです」


ハマ「話し合いというものでもなくて、すごく待たされたのでお腹も減ったし、みんなでご飯を食べに行きましょうと。そこで、明日の朝にやり方を含めてもう一回どうするかを、クールダウンした状態で検討しようという話をして、ご飯を食べている間にそのことをエンジニアさんにメールしてもらって。そしたら夜中か朝方に、平行線のそのまた平行線の返事が戻ってきて、それが全体に共有されていて、翌朝の食卓ではみんなが『もう無理』という結論になった」


ショウ「大きめのマンションの一室のようなところに、全員で同じ部屋に泊まっていて」


ハマ「朝、『もう無理でしょ!』という声で起きるみたいな(笑)。各々メールは見ていて、合流するまでの過程で心は決まっていたので、別の場所に泊まっていたスタッフも呼んで話し合いました」


レイジ「初日に録っていたのが“Cold Summer”で。明確な落としどころがメンバー内で共有できている状況にも関わらず、エンジニアさんとのやり取りが進まないので、この曲は自分たちのヴィジョンがあるから東京に戻ってやります。他の曲でレコーディングさせてほしいというメールを送ったんです。そしたら、『いや、もっと上手くいくはずだから“Cold Summer”をやろう』と返ってきて、持ち帰って話し合った4人の答えすらこうなるなら無理、先はないなと」


——特に“Cold Summer”はチャレンジングな曲で、ナアナアでやるわけにはいかないですよね。


ショウ「まさしく」


レイジ「使う使わないに関係なく、“Cold Summer”のNYヴァージョンがこの世に誕生してしまうことすら良くないと思ったんです。今後のレコーディングにも影響してしまいそうで。NYでテイクを生み出すことがプラスになると思えなかった」


ハマ「おもしろいのが、『幸先はちょっとあやしくなったけど、明日がある』という気持ちが食事の間にはまだあったのですが、メールが戻って来るまでの間に、全員で顔を突き合わせて話したわけでもないのに『無理だな』と全員が一致していたこと」


——一心同体。


コウキ「そうなんです。それぞれ全然違うところにいたにも関わらず」


——ずっと一緒にレコーディングもしているし、音楽面では四つ子のように繋がっているんですね。


ショウ「新人アーティストにはプロデューサーがついたりすることも多いじゃないですか。でも俺らはなにも手法がわからない中、4人だけで手探りでやり始めているからこそ、余計繋がっているところもあるでしょうし、ずっと一緒にいるので、当然のように感性を共有していると思います。ただ、海外レコーディングなんて誰もができることではないし、特にこんなにCDが売れないと言われている時代になにを言ってるんだという話なんですよ、本当は」


レイジ「行く前はめっちゃテンションあがってましたからね。奇跡が起きると思ってましたし」


——行く前にその状態で会っていたので、ナシになったというのがすごいオチだなと思いましたし、やはり4人でやる運命なんだなとも思いました。


ショウ「それもそうですし、レイジが『俺たちは余裕でNYを超えてた』と言っていて(笑)」


レイジ「やっぱり東京だなというのはありましたね。素晴らしい国だし、レコーディングに関しても素晴らしいレベルだなと改めて気づかされました。海外レコーディングにモチベーションを求めなくてもいいバンドになったということがわかってよかったです。東京をレペゼンしている感じというか」


ショウ「海外でライヴをやったり、進出はしていきたいですが、そういう意味ではなく、自分たちの望んでいる音や求めているものはむしろ東京で作るべきところがあるなと」


レイジ「『東京レコーディングしたぜ』って誇りたい。そこに行き着くまでのスピード感が兄弟っぽいなと思いました。これだけの人数が関わっていて、お金もかかっているので、本来その短時間で判断できることではないはずなんです。それを決断して、曲げずに、初めて4人で大人を説得できた」


ショウ「アルバムを自分たちの理想に近い形で作ろうというところに4人で立ち向かえた兄弟感。もちろん大人も一緒にものを作っている仲間ではありつつ、4人の意志を伝えてそこが通じあえないと動けないので、一緒にそれを伝えに行けたというのは大きな出来事でした」


——変な例えですが、ゲームに出て来るパーティみたいですね。

レイジ「剣、攻撃、みたいな?(笑) ハマくんは盾キャラですよね。ボーカル、ギター、ベース、ドラムという4人のパーティで、俺らの音楽を広げていきたいです」



OKAMOTO’S
オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(G)、ハマ・オカモト(B)、オカモトレイジ(Dr)。2010年5月にアルバム 『10’S』、11月に『オカモトズに夢中』、2011年9月に『欲望』を発売。2013年1月に4thアルバム『OKAMOTO’S』を発売し、7月に は両A面シングル“JOY JOY JOY/告白”を、11月6日にニューシングル“SEXY BODY”をリリース。2014年1月15日に岸田繁(くるり)を迎えた5th アルバム『Let It V』を、8月27日にはRIP SLYME、奥田民生、黒猫チェルシー、東京スカパラダイスオーケストラ、ROY(THE BAWDIES)らとコラボを果たした5.5 thアルバム『VXV』を発売。2015年9月30日、6thアルバム『OPERA』をリリース。2016年6月1日にNetflixドラマ「火花」の主題歌「BROTHER」を表題曲にしたシングルをリリース。10月29日、東京・日比谷野外大音楽堂公演にてキャリア初の47都道府県ツアーファイナルを敢行。同ツアーからの厳選音源と、ツアー中に書き下ろした新曲「ROCKY」を収録し、ツアーファイナルの映像を全曲収録したBlu-ray付きライヴアルバム『LIVE』を2017年5月31日にリリース。8月2日に7thアルバム『NO MORE MUSIC』をリリース。同年10月7日には中野サンプラザにてキャリア初のホールワンマンの開催が発表されたが、即完売となる。同月30日より恵比寿リキッドルームを皮切りに全国23か所を回るツアー「OKAMOTO’S TOUR 2017-2018 NO MORE MUSIC」の開催が発表された。
http://www.okamotos.net

okamotos

OKAMOTO’S
『NO MORE MUSIC』
8月2日発売
(Ariora)
https://www.amazon.co.jp/NO-MORE-MUSIC-初回生産限定盤-DVD付/dp/B072VKB8QQ/ref=pd_lpo_sbs_15_img_1?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=8MR686V41KK8S9ZDA0PC
https://itunes.apple.com/jp/album/no-more-music/id1253780325


photography Takuya Nagata
styling Masako Ogura
interview & edit Ryoko Kuwahara


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