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text by Meisa Fujishiro
photo by Meisa Fujishiro

藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」#45 食事法アップデート

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これまで数々の食事法を試してきた。ベジタリアンから始まって、それを進めたヴィーガン、さらにはロウフード、フルータリアン、グルテンフリーなど興味と体調を合わせみながら、自分の体を使って試してきた。元々、凝り性であるが飽きっぽい性格の私。自由気儘な遊びとして取り組んだのが良かったのだろう、一つ一つが楽しい経験だった。


 で、現在はどういう食生活かというと、過食や添加物や毒になりそうなものは避けるのは前提として、好きな物を好きな時に食べている、という地点に落ち着いている。野菜も果物も肉だって隔てなく食べている。結果、体調もまあまあだし、身長175センチ、61キロというのも無理なく維持できている。自分でも、まずまずだと評価している。
 とはいえ、科学は日々進歩しているだろうし、最新の食事法というのを時々は仕入れて試しておこうという好奇心は相変わらずだ。


 最近、たまたま部屋を整理している時に、目に付いたアンドルー・ワイル著「癒す心、治る力」という95年に出版された癒しの名著を開き、食事の項目を再読してみると、少なからず時代の流れを感じた。すでに22年前の書物である。普遍的な真理を語っているなあと納得する部分もあるが、ここにではグルテンのことに触れていないなあとか、知識をアップデートしてみたい欲求がむくむくとわくのであった。
 さっそく書店に行き、(本を開いて選びたい時は必ず書店へ行くことにしている)以前から気になっていた一冊を買って読んでみた。2014年にアメリカで出版され、翌年に日本でも翻訳が出てベストセラーになったデイブ・アスプリー著「シリコンバレー式自分を変える最強の食事」である。
 こういう本に限らず、面白い本には著者の風体が想像できるような、読み進めていきたくなる引力があるのだが、移動時間や待ち時間、ホテルでの就寝前などを使って一気に読んでしまった。
 著者自身は、シリコンバレーで若くして成功したIT関係の人で、当時は体重が140キロに迫り、疲れやすく、頭の中もスモッグがかかっているようだったと述懐している。体調は常に悪かったらしい。それから数多の食事法を試しつつ、多くの医者や学者を訪ねて、それぞれの専門分野から得た知見を統合するようにして編み出した食事法が、ここに「最強の食事」として綴られている。


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