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text by Ryoko Kuwahara

Interview with CLARK about 『Death Peak』

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前作『Clark』リリース後、BAFTA(英国映画テレビ芸術アカデミー)にノミネートされた海外ドラマシリーズ『The Last Panthers』の劇伴や、ヤング・ヴィク・シアターでの上演作品『マクベス』の舞台音楽、さらにLAを拠点とするオーケストラ、エコー・ソサエティーへの楽曲提供など、 様々な音楽環境を経てさらなる進化を遂げたCLARK。最新作『Death Peak』は圧倒的スケールと革新、そしてフィジカルにうったえかけてくる立体的なテクノ・トラックだ。新作のタイトルにふさわしい、苗場の山頂にて話を聞いた。



——山の冷え込みとジェットラグで大変じゃないですか。体調は大丈夫?


CLARK「ジェットラグはいつものことで、もう慣れっこだよ(笑)。確かにここは涼しいけど、イギリスと天気が似てるから過ごしやすい。とにかく景色が美しくて、いまはできるだけこの全てを吸収しようとしているんだ」


——昨日はCONTACT TOKYOでのショーで、今日は苗場というまさに『Death Peak』という感じの会場ですが、内容は変わりますか?


CLARK「うん、変わると思う。(山を指差しながら)まさにあれがDeath Peakかもしれないし、あっちかもしれないし、ここにはたくさんのDeath Peakがあるよね(笑)。今回はダンサーも連れてきていて、妻が考えてくれた振り付けも披露する予定なので、新作はたくさんやるつもりなんだ。既に新しい音楽も作っていて、このホテルでも作業しているんだけど、ショーまでになにかおもしろいものが作れたらいいなと思っているよ」


——すごい。では世界初披露の音を聴けるかもしれないわけですね。


CLARK「さすがにそこまでできるかはわからないけど、こういう景色も含めて新しい刺激をうけて音楽を作るというのはいつも興奮するよね」


——毎回作風が変わるのがあなたの特徴でもありますが、今回は非常にフィジカルで荘厳なアルバムだと感じました。これまでで一番世界観が完成されている印象です。


CLARK「ありがとう。確かにフィジカルであると思う。触れるくらいに物質的で、モノのような音だよね。絵描きに例えると、自分は緻密で繊細なタッチで描くタイプではなく、もっと太い筆で豪快に描く画家だと思っていて。フランシス・ベーコンやルシアン・フロイドのように、暴力的というか雑というかそういったタイプの画家が好きだし、自分もそういうタイプだと思うよ。
このアルバムを作ってみて気づいたたんだけど、僕の制作は二つの段階で構成されているんだ。歯止めをかけず、良い悪いも判断せずにとにかく音を作って完成させていく。そうやって10時間、12時間分の大量の音楽を作ってから、悪いものを取り除く編集作業という第二のフェーズに入る。そこでは徹底的に自分に厳しく、批判的になる。自分が好きか嫌いか、自分が聴きたいか、人に聴かせたいか、はっきりと基準をもって判断していくことで作品が形づくられていく。制作は楽しいものだけど、ここはちょっと辛いフェーズでもあるね。でもこの制作と消去というプロセスを通すことによって、作品のエッセンス、つまり大切な部分だけが濾過されて残るんだよ。このやり方だと、作品がどういうものになるのかは最後までわからない。マスタリングをしていても、まだ揺らぎや迷いがあるんだけど、直感的に固めるしかないんだ。マスタリングしたらもう変えられないわけだから、すごく怖いけど、直感的にこれしかないというものを選択して、自分を信じてリリースしてるつもりだよ。そういう風にしてアルバム制作が終わると、しばらくは全て出し切った感じがあるから、もう作らなくていいやという気分になる。1年くらい経つとやりたいことやアイデアが出てくるからそれが制作に繋がる、というサイクルだね」


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