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『ポリーナ、私を踊る』アナスタシア・シェフツォワ インタビュー

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——ジュリエット・ビノシュとの共演はいかがでしたか。彼女もアクラム・カーンとコラボレーションをしたダンサーとしての経験がありますが、女優としてあなたに何かアドバイスをくれましたか。


アナスタシア「ええ、いろいろなことを教えてくれたわ。たとえば自分自身であることを恐れないこと、とか。もちろん、最初わたしは彼女と共演するということがとても怖かった。だってビッグ・スターだから(笑)。でも彼女はとても優しく接してくれた。レストランに招待してくれて、ふたりでいろいろと話した。彼女は自分のこと、自分のキャリアについて語ってくれて、それはとても参考になった。それにわたしたちは一緒にダンス・レッスンも受けたの。そこで彼女のダンスも知ることができてとてもためになったわ。彼女はプロのダンサーではないけれど、とてもハードに訓練していた。それを観てとてもインスパイアされたわ」


——ニールス・シュナイダーとは、お互い苦手なところをヘルプし合ったそうですね。


アナスタシア「わたしはフランス語があまり話せないのにフランス語で演技しなければならなかったし、彼の場合はもちろんダンスの訓練を積むこともだけど、ロシア語も覚えなければならなかった。彼はわたしにフランス語を教えてくれて、わたしは彼にロシア語を教えたの(笑)。ニールスは素晴らしい俳優だけれど、ダンサーとしてもすごく素質のある人だと思うわ。わたしたちがふたりで踊るシーンでは、彼はこの映画以前にまったく経験がなかったのに、プロのダンサーのように踊った。プロのダンサーでもときどき失敗することを、彼はいつもやってのけていたわ。もちろん彼の努力もあるけれど、彼のお父様はオペラ座のダンサーだったから、血筋もあるのじゃないかしら(笑)。だから彼と踊るのはラクだった。それに俳優と踊るのはプロのダンサーと踊るのとはまた異なる面白さがある。というのも、ダンサーの場合テクニックのことをつねに考えているので、どうしてもロボットのようになってしまうところがあるけれど、ニールスの場合はとてもオープンで表現豊か。それにはすごくインスパイアされたわ。わたし自身もこの役を演じる上で必要とされたことだったから。だから一緒に踊るシーンでは、肉体的なコミュニケーションのようだった」


——ジェレミー・ベランガールとの最後の踊りのシーンの振り付けはどのようにしたのですか。


アナスタシア「たぶんもっとも難しいシーンだったと思う。30回は踊ったかしら。とても長いダンス・シーンだし、アンジュランがコレオグラフィーを考えながら一緒にコラボレーションをして、半年ぐらいかけたの。でもとても面白かったわ。アンジュランと働くのは本当に素晴らしい経験だった。とても繊細で、サポーティブなの」


——ジェレミー(・ベランガール)も、クラシックとコンテンポラリー・ダンスの両方を踊っていますね。


アナスタシア「彼はクラシックのレパートリーをほとんど踊りつくしていると思うわ」


——セットでもっとも難しかったことは何ですか。たとえばポリーナとアドリアンの関係性は変わっていきますが、それが彼らの踊りにも表れていきます。そういう変化などを表現するのは難しかったですか。


アナスタシア「たぶんわたしにとって一番難しかったのは、ポリーナが内面的にだんだん成熟していくのを表現することかしら。彼女がアントワープに行ったとき、初めてひとり暮らしを始める。わたしはポリーナほど強くないから、彼女のように強くならなければいけなかった。たぶんアントワープ時代がわたしにとって表現するのが一番難しかったかも。あと、ときどきカメラを見ながら演技しなければいけないことがあったのだけど、レンズに自分の顔が反射するので、集中することが難しかったわ(笑)」


——さきほど、これからはコンテンポラリー・ダンスもやっていきたいとおっしゃっていましたが、いまはまだクラシック・バレエ団に在籍しているのですよね?


アナスタシア「ええ、サンクトペテルブルクのマリインスキー・バレエ団。2年目なの。でも将来はどうするかまだわからない。いろいろなことに興味があるから。映画も続けたいし、モダン・バレエも踊りたいし、ミュージカルなんかもやりたい。人生は短いけれど、いろいろなことをやっていきたいわ(笑)」


——アンジュランは日本の能にも影響を受けていますが、あなたは日本の舞踏などに興味はありますか。


アナスタシア「日本人はバレエが大好きなことは知っている。でも日本の舞踏のことなどは知らない。まだ日本に行ったことがないから。でもいつか絶対に行ってみたいと思っているわ。でもいまはまだ時間がないの(笑)。でもマリインスキー・バレエ団はときどき日本に行くこともあるから、そういう機会があるといいんだけど」


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『ポリーナ、私を踊る』
10月28日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、 ヒューマントラストシネマ渋谷 ほか全国ロードショー
監督:ヴァレリー・ミュラー&アンジュラン・プレルジョカージュ
脚本:ヴァレリー・ミュラー
出演:アナスタシア・シェフツォワ、ニールス・シュナイダー、ジェレミー・ベランガール、アレクセイ・グシュコフ、ジュリエット・ビノシュ
原作:バスティアン・ヴィヴェス「ポリーナ」(原正人訳、小学館集英社プロダクション刊)
配給:ポニーキャニオン
2016 年/フランス/フランス語、ロシア語/108 分/カラー/5.1ch/PG12/字幕:古田由紀子/ 原題:POLINA, DANSER SA VIE
©2016 Everybody on Deck – TF1 Droits Audiovisuels – UCG Images – France 2 Cinema

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