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ノーベル文学賞のカズオ・イシグロ 最初に読むならコレ!

1804015


2017年の「ノーベル文学賞」を受賞したカズオ・イシグロ。今から彼の作品を読んでみよう、というなら、まず『わたしを離さないで』からはどうだろう。

2017年にエミー賞を総なめにしたドラマ「The Handmaid’s Tale/侍女の物語」の世界観にもどこか通じるような物語は、1冊目としておすすめ。

日本では、2014年に蜷川幸雄演出・多部未華子主演により舞台化され、2016年には綾瀬はるか主演でテレビドラマ化されたので、ストーリーは知っているかもしれないが、多様化する個人のあり方、思春期の葛藤、アイデンティティの獲得…今、改めて読みたい作品だ。

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自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。共に青春の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、施設での奇妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に極端に力をいれた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、そして、キャシーと愛する人々がたどった数奇で皮肉な運命に――。
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カズオ・イシグロの1冊目として本書を読み終わったら、次は、同じく映画化されている『日の名残り』か、短編集『夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語』を。

『わたしを離さないで』
カズオ・イシグロ
早川書房
1,800円
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