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text by Meisa Fujishiro
photo by Meisa Fujishiro

藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」#56 守護霊

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 いうまでもなく、私たちは孤独である。他人と交われない寂しい人という意味ではなく、個として存在しているという厳粛な事実として、私たちは孤独である。誰かをパートナーとして生活しても、結婚という制度を受け入れても、家族を持っても、これだけは動かしがたい事実である。
 そして私たちは、この孤独をしっかりと受け入れ、自らの魂を高めるために生まれ、親と社会に育ててもらい、成長し、新しい命を繋いできた。人に優しく接し、しっかりと生き切ることが、魂の成長を促し、宇宙全体を進化させていく一粒の砂となり得る。それは孤独をしっかりと受け入れることから始まる。必要以上に他人に寄りかからずに、個をしかりと全うすることは、本来とても健やかで爽やかなことである。

 ただ、全くの孤独ではない。かたわらには守護霊がいてくれる。見守ってくれる絶対的なパートナーである。とても地味な存在だが、私たちを裏でしっかりと支えてくれる。
 直感が効く時などで、その存在を感じられる指導霊というのもあるが、それに比べてもかなり地味な存在だが、その人の成長に合わせて随時変わっていくコーチのような存在の指導霊に対して、生まれてから死ぬまでずっと付き添ってくれるのが守護霊である。


 様々なレベルの魂が同時代同一の場所に存在しているため、基本的に、生きづらいのは当たり前なのだが、そういったストレスの中にあってこそ、個をしっかりと保ち成長させようとする肯定的な意思を保ち続けることが大切で、そのために時々は守護霊の存在を感じてみるといい。といっても呪文を唱えて壺の中から煙となって出現させるわけでもなく、ただ穏やかな時間や、就寝前にベッドに入った時にでも感謝の言葉を伝えるだけでいい。守護霊さま、と呼びかけると、何か身体に感じるかもしれない。安堵感に包まれるかもしれない。孤独を肯定的に受け入れ、自身の魂を高めようと日々を生きていれば、守護霊の存在がきっと感じられると思う。
 目に見えるパートナーや家族の他に、自分を支えてくれる存在がいるということは、とても楽な気持ちにさせてくれる。ただ、決して寄りかからず、孤独を生き切ること。その美しさこそ、本当に自分を守ってくれる術だと思う。




※『藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」』は、新月の日に更新されます。
「#57」は2018年8月11日(土)アップ予定。
 

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