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text by Junnosuke Amai
photo by Takayuki Okada

Interview with Shame about “Songs of Praise”/Shame来日インタビュー

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昨年、ロック・リスナーの視線を一身に集めたホットスポット、サウス・ロンドン。その顔役にして急先鋒といえば、このシェイムをおいてほかにいないだろう。昨年リリースされたデビュー・アルバム『ソングス・オブ・プレイズ』は、目下様々なメディア等で発表されている年間ベスト・アルバムのリストに軒並みランクイン(※英国の老舗インディペンデント・レーベル〈Rough Trade〉は1位に選出)。実際、『ソングス・オブ・プレイズ』は停滞が続くバンド・シーンにおいて気を吐いた、数少ない「ロック」の、いや「パンク」の1枚だった。そんな2018年を代表するブライテスト・ホープに、初来日ライヴの開演直前、楽屋で話を聞いた。


――濃密な一年だったと思いますが、今年を振り返って一番の印象的だった出来事は?


ショーン・コイル・スミス(ギター)「給料の支払いがあったこと(笑)」


チャーリー・スティーン(ヴォーカル)「東京に来たってことだね」


ショーン「それだ!」


チャーリー「自分が東京の街にいるっていうのが本当に信じらんない」


チャーリー「どのバンドもみんな言うんだろうし、お世辞みたいに聞こえるかもしれないけど、でも本当にバンドをやってる人間にとっては憧れの街だしさ。というか、バンドやってなくても同世代のイギリス人ならみんな一度は東京に来たいと思ってるはずだからね」


ショーン「こんな街、世界中のどこにもないよ」


チャーリー「街に出て、東京のカルチャーを体験するだけでも感動っていうか、今もうすでに帰りたくないくらいだし(笑)」


ショーン「あー、マジでそう」



――(笑)ツアーやフェスで共演したバンドで、とくに印象に残っているバンドはいますか。


チャーリー「ちょうど昨晩そのことを考えてたとこで、エディ・カレント・サプレッション・リングってバンドがいるんだけど」



――かっこいいですよね。


チャーリー「うん、オーストラリアのバンドで、全然有名じゃないし、むしろカルト的な存在なんだけど、最初にこのバンドを始めたときに(エディ・カレント・サプレッション・リングの)『プライマリー・カラーズ』ってアルバムにめちゃくちゃハマってて、ひたすらこの中の曲をずっとカバーしててさ。ものすごくインスパイアされてるんだよ。謎に包まれた伝説のバンドみたいな感じで、昔からファンでライヴが観たくてたまらなかったんだけど、オーストラリアに行ったときにようやく念願叶って生でライヴを観れたんだ。向こうのかなり大きなフェスで共演する機会に恵まれて。しかも、バンドのマイキーが俺たちのライヴに来てくれてさあ!」


ショーン「イギー・ポップやニック・ケイヴ、ノエル・ギャラガーみたいなレジェンドと同じフェスに参加できたのも感動したね」


チャーリー「憧れのバンドのステージを間近で観れるなんてね!わざわざ話しかけて握手とか求めるんじゃなくて、ただチラッと観れるだけの距離感がまたよかったりするんだよ(笑)」



――今年はたくさんの国でライヴをしたと思いますが、とくに惹かれたシーンとかありました?


ショーン「やっぱオーストリアになるのかなあ」


チャーリー「念願のエディ・カレント・サプレッション・リングのライヴが観れたからね」


ショーン「オーストラリアでも、とくにメルボルンだね。ギター・ミュージックがいまだに盛んで、ヒットチャートで流行ってる音楽よりもロック・バンドのほうがまだまだ人気がある感じだし」



――アメリカはどうでした?


ショーン「ちょうどツアーを終えたところで帰ってきたばっかりなんだ」


チャーリー「アメリカもいいよ。”典型的なアメリカ人”っていうのがちょっといただけないだけで(笑)。シカゴとかニューヨークとかシアトルとか、いいバンドがたくさんいたし、もともと好きなバンドも多いし、一緒にツアーしたバンドだっているし。スネイル・メイルとかホイットニーとかすごい好きだしさ。ホイットニーはレーベルが一緒で、向こうで仲良くなったりとか。だからアメリカにも良い音楽はたくさんあると思うよ」


ショーン「いろんな人に会ったし、素晴らしいところだよ。あとは何もかもデカくて、とにかくマクドナルドが多い(笑)」


チャーリー「アメリカのツアーの終わり頃にはブクブクに太っちゃうっていう(笑)」



――アメリカって国自体はあまり好きじゃない?


ショーン「いやいや、そうじゃなくて。好きなんだよ」


チャーリー「まあ、俺ら“典型的イギリス人”だからね(笑)」


ショーン「ニューヨークとかシアトルとかシカゴとか大都市はいいなと思うんだけど、田舎の小さい街は、保守的なトランプ支持者ばっかりっていうのが何だかなあって感じ」


――A lot of things happened to your band this year, right? What was most memorable event for you?


Charlie “I think coming to Tokyo. I mean, coming to Tokyo is like dream to every band. Seeing the culture, I don’t wanna fucking leave here man.”


――Is there any band you happy to have work with?


Charlie “I was thinking about that yesterday, there is a band called Eddy Current Suppression Ring. That’s Australian band, and when we started this band, we got played their album ”Primary Colours”. And they really inspired us, they’ve always been our favorite band. And we met so many legend when we went to Australia people like Iggy Pop, Nick Cave, and Noel Gallagher. To be honest, it’s amazing to watch them, just do that show and leave there, they were sometimes better when we just see their show and leave instead of trying to find them and shake their hand”


――On your tour around the world, is there any music scene or any city that you got impressed by?


Sean “Australia. We met my favorite band at there, and especially Melbourne, it’s very like guitar music and everyone listening to rock rather than pop music”


――You guys didn’t go to America at all?


Charlie “We just back from America. America was great, but that has American, haha.”


Sean “There are tons of people that we’ve met, respect at there so America has quite lot of great things and too big, too many McDonald’s”


――Why you guys don’t like America?


Sean “No, no we do”


Charlie “You know, we’re English haha”


Sean “I like some of the big cities like NY, San Francisco, but there are small town out side of the cities, many people are really narrow minded, who supporting Donald Trump”


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――たとえば、そうして外に出て他の国をツアーで周ってみたことで、あらためて発見したサウス・ロンドンの魅力、みたいなものってありますか。


ショーン「自分とチャーリーとジョシュ(・ファイアンティ、ベース)が最初にバンドを始めた頃には、インディーみたいな感じで活動してるバンドが周りにあまりいなかったんだけど、ここにきて小さいライヴハウスを中心に活動してるバンドが増えてきてるみたいでさ。自分達が外に出てツアーしてるうちに、いつのまにかコミュニティができてて、すごくいい感じだよね」



――この1年、サウス・ロンドンの音楽シーンは多くの注目を集めましたが、それ以前と以後とで変化を感じるようなところはありますか。


チャーリー「注目されるようになったことで、音楽媒体に“サウス・ロンドン”って安易に括られるようになったってことはあるかもしれない。実はノース・ロンドン出身のバンドがサウス・ロンドンって書かれてることもあるしね。ただ、どんな形であれインディーのバンドが注目されるきっかけになっているんだから、いいと思うよ。実際、良い音楽を作ってるバンドがたくさんいるし。ゴード・ガールだったり、ソーリーだったり、HMLTDだったりさ。そういうバンドがきちんと発信できる場があるっていうのはすごくいいことだよ」



――サウス・ロンドンはバンド・シーン以外にも、トム・ミッシュやコスモ・パイクといったR&Bやソウル~ジャズのシーンも活発だし魅力的ですよね。


チャーリー「コスモはめちゃくちゃ仲良いよ」


ショーン「たしか日本にも来てるよね?」



――そうですね、夏に。


チャーリー「サウス・ロンドンの良いところは……って、もしかしたら東京の音楽シーンもそうかもしれないけど、ミュージシャンがみんな繋がってるってところだね。エリア的にはすごく広いんだけど、すごく密に感じられるっていうか、みんなが協力し合ってるような、本当にコミュニティとしての結束感があるんだよね。アメリカとかは、バンドがみんな個々に活動してるみたいなところが多いと思うけど、サウス・ロンドンではミュージシャン同士が密に繋がってる」


ショーン「今のサウス・ロンドンの流れって、たぶん、ペッカムがそもそもの始まりじゃないかな?まずキング・クルールがペッカムから出てきて、そこからさらにコスモ・パイクが出てきて、みたいな。それって、今みたいにレコードが売れない時代においてはすごく貴重だよね。だから、そうやってミュージシャンがお互いに協力し合って、紹介したり人を繋いで、シーンを盛り上げていくっていうさ。ある程度名前の知られたバンドでも、そんなに知られてないバンドも、みんなでサポートし合いながら、お互いがお互いを引き上げていこうっていう関係にあるからね」



――You are from South London music scene but now you are going out of there, did you discover anything new?


Sean “When we first start band, we didn’t know many current small band, and you come for venue and people go on the tour and get bigger and stuff, it is pretty amazing revelation that the community I didn’t know the existence before that”


――A lot more people now are paying attention to South London music scene, did anything change because of that?


Charlie “I think in musical press world, things tend to get categorized quite easily, because it’s convenient. Sometimes a band who are from North London get categorized to South London music. But this situation can be great thing because independent bands are paid attention to now”


――Not only band music but also hiphop, jazz, or R&B music like Tom Misch or Cosmo Pyke…


Charlie “Cosmo is a good friend of us. I think it’s South London, I don’t know Tokyo is as well but everyone knows everyone. It’s big area, but feels very small. Like we grew up each other so it feels like community in a good way. All of the bands are very important to us. In some other area, like America, bands are independent. But in London people help each other so feels like connection”


Sean “Especially now, people don’t buy records so musicians should help each other, like sharing platform, or introducing people”






――さて、デビュー・アルバム『ソングス・オブ・プレイズ』が今年の1月にリリースされてから少し時間が経ちましたが、たとえばライヴをしたり様々なリアクションに触れるなかで、自分達の音楽やアルバムについて再発見したことなどありますか。


ショーン「レコーディング自体はすごく楽しかったよ。すべてが素晴らしい経験だったし……ウェールズのロックフィールドっていうスタジオで録ってるんだけど、レッド・ツェッペリンに始まり、クイーンが『オペラ座の夜』のレコーディングに使ってたり、他にもオアシスやストーン・ローゼスもレコーディングしたスタジオで……そこで自分達もレコーディングできたってことだけでも特別だったし。自分達の作った曲が初めて形になっていくっていう過程そのものが感動だった。なんか、自分の中にある音楽愛が新たな次元に昇華されたような気持ちだったよ」


チャーリー「あと、アルバムを出したおかげで世界中をツアーできたのもすごいことだと思う。南米からアフリカまで、今年だけでも140公演やって。ツアーで世界中を旅したことはバントにとって良い経験になったし、ライヴでさんざん失敗したことで学んだこともたくさんある(笑)」


ショーン「それはほんとある(笑)」



――自分たちの音楽が世界中で支持された理由は何だと思いますか。


チャーリー「そうだな、本当はもっと支持されていいはずなんだけど(笑)。とはいえ、正直自分達でも驚いてるんだよ。俺たちのカラーは骨の髄までブリティッシュなオールド・スタイルだから、イギリスとか、いってもヨーロッパくらいでしか受け入れられないものだと思ってたんだ。上の世代にとっては自分達が昔好きだったバンドを彷彿させてどこか懐かしい感じがするだろうし、で、今の若者にとっては、今まで聴いたことのないようなまったく新しい音楽ではないけど、なんかちょっと違ってて面白いって受け止められ方をしているから、世代を超えて聴いてもらえてるんだと思う。ただ、これからまだまだ色んな方向に広がっていく可能性はある。もともと純粋な趣味として始めたことで、今だって楽しいからやってることだけど、これはまだファースト・アルバムで、俺たち21歳だからさ。これからもっともっと色んなことができると思ってるし、日本にもこれから何度だって戻ってきたいしね。全国を制覇する日まで(笑)」


ショーン「おう(笑)!」



――さっき言ってた、アメリカのトランプ支持者みたいな凝り固まったおじさんがこのアルバムを聴いたらどう思うんでしょうかね。


チャーリー「いや、実際、そういう人達も一部は聴いてるらしくてさ……あのプレイリスト事件とかあったじゃん?」


ショーン「何て名前だったっけ?そう、マット・ドラッジだ!」


チャーリー「アメリカの『ドラッジ・レポート』っていう言論弾圧の対象になるくらいに影響力のある、政治スキャンダルを扱うインターネット・メディアをやってる人物なんだけど、バリバリの共和党支持者の危ないやつでさ」


ショーン「そいつのプレイリストに、なぜかうちのバンドの曲が選ばれてたっていう」


チャーリー「そんで削除要請を出して、プレイリストから削除してもらったっていう事件があって。巨大な権力を手にした要注意人物だよ」

――So I’d like to ask about album, it’s been a while since you released the album but did you find anything new?


Sean “Recording it was amazing, because we did it in the place called Rockfield, which have quite history that Led Zeppelin, Queen, The Stone Roses, and Oasis recorded there. So I think that was like the old songs come together first time you listen through it that was really great”


Charlie “That was definitely weird experience because through releasing this album, we’ve been able to tour in the world, went to South America and Africa. We’ve done 140 shows in this year so I think doing that, traveling gives you experience, including mistakes haha”


――Why do you think everyone loved that album?


Charlie ”I mean, not enough haha. Well, I think it was surprise to us. Our color, British like will be liked in UK or Europe but not only for young generation but also older people liked it because it feels nostalgic British feeling from this album so that’s whys people liked it, I think. But this is the first album and we’re only 21 years old so there are lot of things to do”


――So how would “narrative minded people” think if they listen to the album, do you think?


Charlie ”Oh no, they have”


Sean “The guy who is American very conservative politician of Drudge report, he posted on Spotify playlist and our song were chosen so we tweeted to ask him to remove it and he did it. He is powerful dangerous man”


Charlie ”I think we can’t get American visa anymore, haha”



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――災難でしたね……ところで、今回のアルバムには、ダン・フォートやサミール・アリカニザデといったクラブ・ミュージック畑のスタッフがプロデューサーとして参加していますね。とても興味深いクロスオーヴァーだと思いますが、これはどういう経緯で?


チャーリー「直感でこれだって感じだったんだよね。見事なマッチングっていうか。今言った2人とあともう1人、ネイサン・ボディってプロデューサーと一緒にやってるんだけど、とにかくこの3人がハマったんだよね。その前にも何人かのプロデューサーと組んでるんだけど、どうもうまくいかなくって」


ショーン「今言った2人とももともとエレクトロニック・ミュージック畑の人だから、自分達とはまた違った音楽の聴き方をしてて、違った視点からアドバイスしてくれるから本当に新たな発見が多かった。たぶん自分達だけだったら、こういう作り方はできなかっただろうね。それに、ダン・フォートってもともとジェイムス・ブレイクのマネジメントとかもしてて」


チャーリー「ダンは本当に面白い視点を持ってるんだ。“Angie”って曲があって、もともとアルバムに入れる予定じゃなかったんだけど、ダンとネイサンがあの曲に新たなテイストを吹き込んでくれて、アルバムに合うように曲を再構築したみたいな感じでさ。2人ともほんと耳がいいし、自分達とは違って一歩引いたところから曲を判断してくれるから、本当に心強い存在だったよ。自分達はガキのときからずっと一緒で、しかもこのバンドをやってもう4年になるし、価値観が近すぎて逆に見えにくくなることがたくさんあるからね(笑)」


――実際、リスナーとしてテクノやダンス・ミュージックを聴いたりもしますか。


2人「もちろん」


ショーン「アンダーワールドとか、オービタルとか」


チャーリー「ニュー・オーダーとか、マリブ・ステートとか、何でも聴くよ。ジャンルとか関係なしに良い音楽は文句なしに良いからね」



――とくに1曲目の“Dust On Trial”を手がけているハッパ(Happa)のサミールなんかは、今挙げてくれた名前と比べると結構アンダーグラウンドな存在ですよね。


ショーン「そうだよね。ちょうどサミールと一緒にテクノ・ソングを作ったりしてるんだよ」


――へえ。


チャーリー「そのプロジェクトでは、サミールがビートを作って、ショーンがギター。で、自分がヴォーカルをやってる」


――音源とか聴きたいですね。


チャーリー「もうすぐ出せるんじゃないかな。あと1ヶ月くらい?」


ショーン「ちょうどミュージック・ビデオを作ってるところなんだ」



――それはシェイムとして出すんですか。


ショーン「いや、シェイムとのフィーチャリングって形になるんじゃないかな。サミールは最高のセンスの持ち主なんだ」


チャーリー「うちのバンドとの作品もそうだし、デイヴィッド・バーンのアルバム(『アメリカン・ユートピア』、2018年)のシンセとかもヤバかったよ」

―You guys used Dan Foat, Samir Alikhanizadeh and Nathan Boddy as producers, why?


Charlie “It was like good chemistry, before working them we worked some of other people but didn’t work well”


Sean ”They’re doing electro music mainly so they have different point of views, and they doing James Blake’s management”


Charlie ”There is a song called “Angie” and we didn’t think that it’s on this album but they helped our recording so it fits to this album. We’ve been together since we were kids so the point of views toward art is too similar and it was really important for us to get new idea from other people”


――Do you actually listen to techno music or dance music as a listener?


Sean ”We listen to Underworld, Orbital…”


Charlie “New Order, Malibou State… we listen everything good music”


――Samir Alikhanizadeh who joined the 1st track of this album “Dust On Trial”is kind of underground guy, right?


Charlie ”Yes, we want do techno song with him”


――Wow,do you guys DJ?


Sean & Charlie ”No,no”


Charlie ”He’s gonna make beats and Sean gonna do guitar and I’m gonna do vocal”


――I wanna listen to it.


Sean ”It is coming out soon, it’s coming out in one month. We’re making video now. We’re gonna be just feature”


Charlie ”He’s a brilliant guy”



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――楽しみです。ちなみに、今回のアルバムの前に『Live At Génériq Festival 17-2-17, Dijon』ってカセットをリリースしてましたよね。


ショーン「それを知ってることに驚きなんだけど(笑)」



――ジャケットに飾られていたレイモンド・ペティボンのイラストが印象的で。あのアートワークを手がけているのは?


チャーリー「えーっと、名前をいつもど忘れしちゃうんだけど、うちのマネージャーの父親繋がりで」


ショーン「うちのマネージャーの父親がポップ・グループってバンドのギタリストで、バースデイ・パーティとか、ニック・ケイヴもインスパイアされたっていうバンドなんだけど、そのバンドが昔カセットをよく出してたらしくて。そのときのアートワークを担当してた人を、ツテで紹介してもらったんだ」


チャーリー「カセットを出したことなんて、言われるまですっかり忘れてたよ(笑)」



――たとえば、シェイムのルーツにアメリカのハードコア・バンドの影響ってありますか。フォールやジャムといったイギリスのパンクやポスト・パンクの影響についてはインタヴューの発言などでもよく見かけますけど。


ショーン「スリントは大好きだよ。ただ、アメリカのメディアではよくフガジとかあのへんのワシントンD.C.のハードコアを引き合いに出されることが多いんだよね。フガジも好きなんだけど、自分としてはそんなに似てるとは思わないんだけどなあ……ただ、スリントは大好きで、めちゃくちゃ影響を受けてるよ」



――スリントのどこが好き?


ショーン「やっぱり、圧倒的に変わってるから。ギターとドラムが他と全然違うっていうか、最初に聴いたときにこんなの聴いたことないってくらい衝撃だった。『スパイダーランド』なんかマジで最高!ぼくらのセカンドはもっと実験的になるだろうから、スリントの影響なんかも色濃く出てくるだろうね」


――トータルとしては、やっぱりイギリスのロックやポップの影響のほうが大きい感じですか。


チャーリー「それはそうだよね」


ショーン「たぶん、ライヴとかの印象が強いんだと思うな。わりとヴォーカルがシャウトする感じだし。それがアメリカのハードコアとかフガジを連想させるんだろうけど、実はそんなに踏み込んで聴いてはないんだよね。自分達が影響を受けてるのはやっぱりイギリスのバンドのほうが多いよ」



――そういえば、今日か昨日? ビー・フィフティートゥーズのカヴァー(“Rock Lobster”)を公開されましたよね。彼らはアメリカのバンドですけど。


ショーン「あのバンドもものすごく変わってるんだけど、それがまた最高なんだよね。そもそもカヴァー曲はあんまり真剣にやりすぎるより、お遊びで楽しんじゃうくらいの気軽さがちょうどいいと思っていて。そういう意味でも、あの曲はうってつけだよね。ヒネくれてるけど、曲として優秀で。チャレンジできてよかったよ」

――You released the album as cassette as well,right? Who did the artwork?


Charlie ”The artwork is done by the artist who was introduced by manager’s dad who is guitarist in the band called pop group. He used to released his band’s albums by cassette, so”


Sean ”I totally forgot about cassette”


――When you guys talk about the bands that you got influenced by you never mentioned American bands, you don’t really listen to?


Charlie ”I love Slint, and we tend to get compared to American band FUGAZI, Washington band. I like FUGAZI, plus I don’t feel much connection between us, but Slint definitely”


――What’s the greatest thing about Slint?


Sean ”It’s so weird and different, especially guitar stuff and drumming it’s nothing like I’ve ever heard before. Their second album is the biggest influence to us”


――So you feel stronger connection to UK rock bands?


Sean ”Yeah, I think because of the shouting performance, we tend to compared to American hardcore bands but we got more influenced by UK band”


――Why did you decided to cover B-52’s?They’re American band.


Sean ”Their song are really great and weird at the same time, and we don’t wanna be too serious when we cover someone, we want to enjoy more and their song let us do it so we glad we did it”






――さて、ではそろそろということで、最後にふたりが選ぶ2018年のベスト・アルバムを教えてください。自分たちのアルバム以外で。


チャーリー「良い質問だね。今初めてされた質問かも」


ショーン「アイスエイジの新作が出たのって今年だったっけ? だったら、あのアルバムかな。あとはゴート・ガールも良かった」


チャーリー「アイドルズもすごくよかった。仲良くしてもらってるバンドのひとつだしね。てか、今年はツアーばっかりであんまり音楽自体聴けてないんだけど(笑)」


ショーン「でも、今年は豊作だったんじゃないかな」



――スネイル・メイルの新作も最高だったし。


ショーン「うん、あれも最高だった」


――What’s your best album of this year except yours?


Sean ”That’s really awesome question. Iceage’s record was really good”


Charlie ”Idols was also really great, actually I don’t listen many music this year haha”


Sean ”I think it has been so many great albums in this year and last year”


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photography Takayuki Okada
text Junnosuke Amai
edit Ryoko Kuwahara


※「Feliz Navidad」配信中!
http://smarturl.it/96xe4r


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※デビュー・アルバム『Songs of Praise』好評配信中!
http://hyperurl.co/iwdgan
(Dead Oceans/Hostess)



Shame
チャーリー・スティーン(ヴォーカル)、ショーン・コイル・スミス(ギター)、エディ・グリーン(ギター)、チャーリー・フォーブス(ドラム)、ジョシュ・ファイアンティ(ベース)からなる平均年齢20歳の5人組。2015年からファット・ホワイト・ファミリーとともにサウス・ロンドンを拠点に活動し、最も注目すべきバンドとして海外メディアで話題となり、ウォーペイントやスレイヴスのサポートに抜擢される。更にはピッチフォーク・フェスティバルなど海外フェスに多数出演、今年にはデビュー前にも関わらず英シンガーソングライター、ビリー・ブラッグに招待されグラストンベリーにも出演を果たした。スロウダイヴやMitskiなどが所属する<Dead Oceans>と契約し2018年1月にデビュー・アルバム『ソング・オブ・プレイズ』をリリースした。2018年11月には待望の初来日を果たし、オーディエンスを沸かせた。フジロック2019にも出演決定!

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