恋人たちが愛を誓い合うというロマンティックな日、バレンタインデー。この特別な季節に観たい恋愛映画大特集。切ない恋、ハッピーな恋、夫婦愛……様々な愛の形から、ロマンティックな気分にドップリひたるもよし、ほろ苦い男女の機微を噛みしめるもよし。何度でも観たい名作７選。
『ローマの休日』 時代を超えて輝く傑作ラブロマンス
あらゆる恋愛映画において、これほど幅広い世代に愛され続ける名作はないだろう。イタリア訪問中の王女役にはこれが映画初主演となるオードリー・ヘプバーン。彼女を一日きりのデートに誘う新聞記者役には名優グレゴリー・ペック。身分の違いを超えて仄かな恋心が育まれる様がキュンと切なく、そしてラストにオードリーが披露する清々しいほど凛とした表情は、まさに映画史の宝石と言えるほどの輝きを放つ。観る度に、全てに恋してしまう一本。
監督：ウィリアム・ワイラー 出演：グレゴリー・ペック、オードリー・ヘプバーン（1953年／アメリカ）DVD発売中 ¥2,625 発売元：パラマウント ジャパン
『きみに読む物語』 号泣必至！ 愛する人にひたすら捧げる無償の想い
今日もまた、とある老人が介護施設で暮らす老女のもとを訪ねてくる。彼はボランティアとして認知症の彼女に“ラブストーリー”を読み聞かせるのを生き甲斐としていた。それは若い男女のひと夏の恋の物語−−−。巧みな伏線によって観る者の涙腺を気持ちよく決壊させてくれる本作は、今や不動の人気を誇るライアン・ゴズリングの魅力を決定付けた逸品でもある。同じ純愛モノでは『ロミオ＋ジュリエット』もオススメ。若きディカプリオの熱演が魂を揺さぶる名作だ。
監督：ニック・カサヴェテス 出演：ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス（2004年／アメリカ）ブルーレイ＆DVD発売中 発売元：ギャガ 販売元：ハピネット
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『ビフォア』シリーズ 恋愛映画の金字塔
欧州鉄道で出逢ったジェシーとセリーヌ。ふたりは途中下車し、朝日が差すまでウィーンの街を歩き続ける…。男女のリアルでロマンティックな会話劇が胸に響く『ビフォア・サンライズ』は、やがてパリでの再会を描いた『ビフォア・サンセット』へ連なり、最新作『ビフォア・ミッドナイト』では40代に突入したイーサン・ホーク＆ジュリー・デルピーがギリシャで更なる愛のメロディを奏でる。観る者と同じ速度で９年ごとに愛を育んでいくこのシリーズ。思わず自分の人生を重ねてしまう人も多いのでは？
監督：リチャード・リンクレイター 出演：イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー 『ビフォア・サンライズ』（1995年／アメリカ） 『ビフォア・サンセット』（2004年／アメリカ）DVD発売中 各¥1,500 販売元：ワーナー・ホーム・ビデオ
『ショコラ』 言葉よりも想いを伝えるその味わい
閉鎖的な村に母娘がやってくる。彼らの開いたチョコレート店はちょっと変わっていた。客の悩みや気持ちを尋ね、まるで薬を処方するかのように最適の一品を紹介してくれるのだ。母娘が手掛けるその味わいは徐々に村人の心を和らげ、やがてはジョニー・デップ率いるロマ一行との仲を取り持ち、村に開放感をもたらしていく。料理には言葉にならない大切な想いを伝える魔法がある。メキシコ映画『赤い薔薇ソースの伝説』などと一緒に、その美味しさと効能を心ゆくまで楽しみたい。
監督：ラッセ・ハルストレム 出演：ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ（2004年／アメリカ）ブルーレイ ¥2,500 DVD ¥1,500発売中 販売元：ワーナー・ホーム・ビデオ
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『アメリ』 ハッピーな後味と勇気がもらえる映画
アメリは幼い頃から一人で創造力の羽根を羽ばたかせてきた女の子。やがて成長した彼女はどこか引っ込み思案ながら、突如芽生えた恋心をきっかけに殻を破ろうと奮闘しはじめ……。独特の世界観で魅了するこの映画には、優しく背中を押しだす不思議な力が詰まっている。その意味では、『小さな恋のメロディ』も少年少女が「結婚しよう！」と誓い合い、明日にむかって駆け出していく、微笑ましくも力強い名作。貴方にもきっと愛に真向かう勇気が湧いてくるはず。
監督：ジャン=ピエール・ジュネ 出演：ジャメル・ドゥブーズ、マチュー・カソヴィッツ（2001年／フランス）ブルーレイ発売中 ¥2,500 発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
『ノッティングヒルの恋人』 ロマンティックコメディの王道
エルヴィス・コステロの歌う“She”を耳にする度に、無数のフラッシュを浴びるジュリア・ロバーツと、彼女を遠くから見つめるヒュー・グラントの姿が蘇る。ハリウッド女優と書店主が恋に落ちる本作には『ローマの休日』をベースにした遊び心と英国映画らしいウィットが満載。とりわけ、残り一個のブラウニーを賭けて「すべらない不幸話」を競い合うくだりはバレンタインにふさわしい爆笑シーンだ。ちなみに同じ脚本家による『ラブ・アクチュアリー』も大勢の英国スターを配したロマコメの定番。米国スター総出演の『バレンタインデー』などと併せて“愛の魔法”を存分に堪能したい。
監督：ロジャー・ミッシェル 出演：ジュリア・ロバーツ、ヒュー・グラント（1999年／アメリカ）
『ブルーバレンタイン』 スウィートなだけじゃない、ビターな愛の形
一組のカップルの終焉と、彼らが出逢った頃の初々しい思い出とを交互に散りばめ、その鮮烈なコントラストで愛の本質に迫ってみせた年代記。撮影当時、恋人どうしだったライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズの共演作だけに、そのクオリティの高い即興性には目を見張るものがある。同様のビター・テイストなら、カレンダー形式で恋の始点から終点までを綴るコメディ『(500)日のサマー』や、もしも失恋の記憶を消去できたなら……という発想を膨らませた『エターナル・サンシャイン』もオススメ。
監督：デレク・シアンフランス 出演：ライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズ（2010年／アメリカ）
