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猿田彦珈琲「たった一杯で、幸せになるコーヒー屋」Vol.1

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街を歩けばすぐに何軒ものコーヒー屋に出くわす昨今。空前のコーヒーブームで多くの店が乱立する中、頭ひとつ飛び出た存在として注目されるのが恵比寿の小さなコーヒー屋「猿田彦珈琲」だ。なぜ猿田彦珈琲が“スペシャル”な存在であるのか。そして真に美味しいコーヒーとは? その秘密を、ロースターの都築尚徳さんのナビゲートのもとに解き明かす連載がスタートします。

猿田彦珈琲は、“たった一杯で、幸せになるコーヒー屋”をコンセプトに掲げ、2011年に開業。「学校をイメージした」店内の内装は、すべてスタッフによるもの。手作りのカウンター、黒板、スタッフ自らが塗った壁…。初めて大人のコーヒーを飲んだ時をふと思い出す。懐かしさと温かさを感じる空間だ。

「オーナーから、『新しいお店を立ち上げて独立したい』と聞かされて、そのコンセプトに惹かれて一緒に働くことにしました。コーヒーが美味しいのはもちろんなんですが、コーヒーを通じて、さまざまな人たちを笑顔にしていきたいという心意気ですね」

と話すのは創業スタッフでもある都築さん。猿田彦珈琲で売るすべての豆に関して、生産者とのやりとり、貯蔵、焙煎まで全工程に携わり知り尽くしている。都築さんは、オーナーの大塚さんと知り合った学生時代から、独自にコーヒーを研究していた。

「生豆を手に入れて、フライパンで深煎りとか中煎りのコーヒーも煎ってみたり。実は、業務用のものを手に入れないとできないということはないんです。あとは、コーヒーの電動機器の構造を知るために分解したり実験したり…結構分解しましたよ。コーヒーを、粉にすることなく豆のまま、飲めないのかということも試したり…。もちろん粉にした方が美味しかったんですけれどね(笑)」

そんな都築さんは、猿田彦珈琲で働く中で、改めて『美味しいコーヒーってなんだろう?』と考え、試行錯誤を重ねてきた。

「大事にしているのは、口に入れた時に、すごく美味しいものが入ってきたな、という質感(マウスフィール)ですね。それとやはり、素晴らしい素材を使って提供しているスペシャルティコーヒーです。そこに感じられる、いろいろな風味の素晴らしさを、お客様に感じていただけるように、素敵なモノを作っていこうとがんばっています」

意識の高い生産者とともに地道なアプローチを重ねる。出来上がった生豆をきちんと焙煎、美味しく抽出。そうした一連の作業を「丁寧」にこなし、豆のポテンシャルを最大限に引き出す猿田彦珈琲のスペシャルティコーヒー。

「味わいの目標を設定して、科学的に工程を踏んで、逆算しながら、作業をする。きちんと用法用量をしっかりと守り、正しく美味しく珈琲を作っていこう、と心掛けて日々の業務を行っています」

まるで研究者のようなその姿勢こそが、あの豊かな味わいを生み出している。

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