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【Pages】アプリを用い、世界初のアート表現へと 昇華させた作品群。SHO ASAKAWA 個展『“PAGES ART” EXHIBITION 2025 SUMMER IN TOKYO』


©︎ SHO ASAKAWA


WISH LESS galleryは、音楽活動を軸として多岐に渡り活躍するアーティスト、浅川翔の個展 「“PAGES ART” EXHIBITION 2025 SUMMER IN TOKYO」を開催。
Apple社の文書作成ソフト「Pages」。
本来はデザイン用途ではないこのアプリをあえて使用し、 世界で初めてアート表現へと昇華させた作品群が《Pages Art》だ。
この作品群の最大の特徴は、特定の光(特にグラデーション光)を受けることで、画面上の色彩が動いて見えること。静止画でありながら、まるで形が揺れたり、波打ったりしているかのような錯覚を生み出す。それは単なる視覚のトリックではなく、「感覚と意識の再構築」と言える、まったく新しい没入体験。
ポップで親しみやすい印象の裏には、不穏さやサイケデリックな深層が潜み、作者自身が体験してきたアンダーグラウンド・ミュージックシーンの記憶と感覚が、色彩や構成に濃密に表れている。






▲ Pagesアプリで作成された作品群
©︎ SHO ASAKAWA


また、本作は1960~70年代のフラワームーブメントで知られるアーティスト、Victor Moscosoの視覚効果にインスパイアされ、「多色の光を当てるとまるで映像のように絵が動く」ライブ感を表 現しスマホや画面では伝わらない、生でしか感じ取れない“人間的な感覚”に強く訴えかける。
そして1980年代後半イギリスのレイヴ&サイケデリックカルチャー「セカンド・サマー・オブ・ラブ」のエネルギーやグラフィック感も作品に影響を与えており、当時のポスターやレコードジャケ ットを想起させるカラーリングやモチーフを、現代的に再構築している。
日本における錯視研究の第一人者・北岡明佳氏の手法にも着想を得ており、鑑賞者の知覚に直接働 きかける構成が随所に見られるのも特徴。
子どもは「色が動いて楽しい!」と笑い、
大人は知らぬ間にその世界に深く引き込まれていく— —。
《Pages Art》は、年齢もジャンルも越えて、「見ることの楽しさ」そのものを再発見させてくれるアートの新境地。


SHO ASAKAWA 個展『“PAGES ART” EXHIBITION 2025 SUMMER IN TOKYO』

2025年7月26日(土)~ 8月17日(日)
WISH LESS gallery
木曜~日曜 12:00~18:00
114-0014 東京都北区田端5-12-10 月曜~水曜
03-5809-0696 info@wish-less.com
無料
https://wish-less.com/


浅川翔/SHO ASAKAWA
茨城県出身。
グラフィックデザイナー、イラストレーター、ミュージシャン、ファッションデザ イナーとして多彩な表現領域を横断しながら、東京を拠点に国際的な活動を展開するクリエイタ ー。
幼少期より音楽と密接に結びついたカルチャーに強い関心を寄せ、13歳のときに出会った英国の カルチャー誌『i-D』を契機に創作への意識を深める。70年代のPUNKを聴きながら絵を描き、楽器を手にし、服を手縫いで制作するなど、多様な表現手法を早い段階から独自に模索していった。
高校卒業後は、東京のファッションデザインスクールに進学。在学中の2005年より、ファッションブランド「VENUS ECCENTRIC」のデザイナーとしてキャリアをスタートさせると同時に、音楽 活動にも本格的に取り組む。
2009年、自身のレコードジャケット制作をきっかけにApple社のワードプロセッサ「Pages」と出会い、同アプリケーションをアートツールとして活用する独自の視点を確立。以降、15年以上にわたり「Pages」の機能を駆使したグラフィックアート制作を独学で探求・実践し続けてきたが、その手法は長らく非公開とされてきた。
「Pages」によるアート制作は、広告、アパレル、音楽関連など多岐にわたるビジュアルデザイン に応用され、東京のアンダーグラウンドカルチャー・シーンにおいて唯一無二の存在感を放つ。その表現力が高く評価され、2011年には、自身がフロントマンを務めるバンド“PLASTICZOOMS”が、写真家・荒木経惟とラグジュアリーブランド「JIL SANDER」による誌面コラボレーション企画に起用され、大きな注目を集める。以降、東京コレクションにおけるランウェイでのライブパフ ォーマンスをはじめ、数多くのドメスティックブランドとのコラボレーションを展開している。
2017年には拠点をドイツ・ベルリンに移し、現地のアートシーンおよびクラブカルチャーとの交流を通じて、表現のさらなる深化を図る。
そして2024年1月、長年にわたり秘めてきた「Pages」によるアート制作手法を初めて一般に公開。全作品を同アプリケーションのみで制作したサイケデリック・ポップアート展『PAGES ART』を東京で開催する。わずか2日間という短期間ながら、その革新的なアプローチと独自のビジュアル表現は大きな反響を呼び、各方面からコラボレーションの依頼が相次いだ。
同年夏には、自身が影響を受けたヴィンテージショップLeeLoo(渋谷)およびJAMMRU(大阪)にてPOP UPイベントを開催。さらに9月にはスウェーデン・ストックホルムにて初の海外個展を実施し世界各国から100名を超える来場者を迎えるなど、その活動はグローバルな広がりを見せている。
現在、SHO ASAKAWAのアートは、音楽・ファッション・現代アートの領域を自在に横断しながら、国内外の多様なクリエイターや観客から熱い注目を集め続けている。

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