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text by Ayana Waki

Self Isolation Issue: 「仕事の面ではオンラインでのライヴ体験の方法を構築中です。あとは家にあるもので何か作るのがおすすめ。作れるものはたくさんあるし、今こそDIYになる時。いつもとは全く違う素材を使って何かを作ってみてください」Interview with Janpier Brands and Rae Parnell from initiative WORM Pirate Bay


 

フィジカルには距離を置かねばならない現状に際し、アイデアや情報のシェアでポジティヴに自宅での時間に向き合うための「Self Isolation」特集。ロッテルダムで開かれていたワイルドなパーティ「WORM」。この事態に直面しても、WORMは迅速に適応し、楽しみを供給しようとしている。ロッテルダムの状況が悪化するのを見て、zineを配布するなどコミュニティの幸せを確保するために最大限に時間を活用。WORMはこれまでのアーカイブをオンラインで公開し、彼らのパーティーを観る人それぞれの寝室でも続行できるようにした。COVID-19により博物館、文化施設などが閉鎖され、すべてのイベントが延期されるなど、これまでの流儀は変えざるを得ないが、彼らはパーティーを存続させ続けているのだ。

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ーー新型コロナウィルス感染症(COVID-19)で生活、クリエイティヴ、ビジネス、それぞれの面でどのような影響が出ていますか。


Janpier : 私たちは物理的な空間での活動全てをストップしました。幾つものイベントをリスケジュールし、ほとんどのものは夏以降に行われることになっています。今現在で、6月1日まで活動は行わない予定です。ほとんどのWORMスタッフは自宅で仕事をし、一部は考えることに時間を費やしている状態ですね。彼らは「ソーシャル・ディスタンシング」を守って生活しています。今日は、電話、skype、Zoomを除いて、2週間誰とも直接話していないという人と話したんですよ。彼は友人らのためにDJするのが好きで、今はFacebookを介してDJを試みていますが、Facebookは著作権の問題ですぐに音楽をミュートしてしまう。彼のような人はソーシャル・ディスタンシングが続く未来を想像し、ウイルスがその想像をさらに膨らませるため、結果としてイベントのキャンセルが続くというわけです。ともかく、私たちが知っているほとんどの人は家にいて、散歩をし、オンラインでコミュニケーションをとっています。


Rae:2018年にThe Pirate Bay Archive(スウェーデンのインデックスサイト)での作業を始めたときは、アーカイブのためと、WORMを中心としたより優れたコミュニティを築く方法として、イベントを行うことに専念してきました。今は直接会うことはできませんが、これにより、以前よりも深くアーカイブにアクセスできます。私たちが築いてきたものや持っているものについて真剣に調べ直し、人々がアクセスしやすくするための新しい戦略を見つけることができると思っています。


ーーこの側面で新たに気づいたこと、心がけたいことがあれば教えてください。


Janpier : いくつかの心配事がありますね。1つは、このウイルスは社会の瀬戸際にいる人々を犠牲にしていること。住所などが未登録の人々、何らかの持病がある人、低賃金の人ーーこの戦いに対処する術がほとんどない人々です。2つ目は、このウイルスが、互いの存在を楽しんだり、ライヴ音楽を楽しんだり、一緒に踊ったり、たくさんの人たちと騒ぐ興奮といったパブリックな場でのみんなの行動に永く影響を及ぼすのではないかということ。一方、クリエイターへの政府の補償金や航空交通の停止、高速道路の規制など、議論の余地があるとされていた多くのことが実現できてもいます。何よりWORMの日常の動きが恋しいです。休みなく動きまわり、人々がフロアにいて、同僚と計画を立て、それらをすぐに実行する、そういう日常が恋しいですね。


Rae:The Pirate Bayについては、私たちの活動のスピードを保つことはできていません。多くの人がイベントやパーティーを迅速に解消せざるをえない状況だったと思います。


ーーロックダウンへの精神的、物理的対応があればお聞かせください。


Janpier: 最初の1週間はピリピリしていました。お金を稼げなくなってみんなを失業させてしまうかもしれないと心配していたんですが、今はその恐怖は消え失せましたね。私たちは同じボートに乗っていて、今何ができるのかを見極め、この騒動の後にどういう風にやっていきたいのかを真剣に考えています。



Rae: 私は同僚達と違う街に住んでいて、しかも一人暮らしなので完璧に孤立してしまうんですが、何か別の新しい方法でみんなと繋がろうとしています。上着を着て、フレッシュな空気を入れるために窓を開け放して仕事をしていると、やっぱり寂しく感じることはありますね。





ーーご自身の活動を鑑みて、室内でどのような創作が可能だと思いますか。


Janpier: 原則として、3名以上で集まることはせず、かつ1.5メートルの感覚をとるようにしています。さらに、パブリックスペースをを移動するのは最小限に。そのルールといくつかの共通認識があれば、たとえば、ワークショップの1つで活動したり、放送を録音したり、または生でやることなどが可能だと思います。また、私たちのスペースは、自宅を避けたい従業員のための避難所として使用されてもいます。



Rae: 今は実験的で、探究心を持って、もっと奇妙なことをやるのに最適な時期。The WORM Pirate Bayには、個人が集まってzineを作成するzineクラブがあります。家で、そこにあるもので何かできることをするのがいいです。必要なのは紙とペンだけ。作れるものはたくさんありますよ。今こそDIYになる時代だと思います。いつもとは全く違う素材を使って何かを作ってみてください。そしたら喜び、好奇心、幸せを感じることができるはず。

そしておそらく、この期間で最も重要なことは、休むこと、自身を省みることです。何もなかったかのように働きたくなる衝動に抗うことが重要。だって今は何もなかった、なんてことはないのですから。休んで、本を読んで、日記を書いて、ゆっくりと、そしてただ楽しんでください。


ーーオンラインの活用方法や1人でもできる施策など、良いアイデアがあればシェアをお願いできますでしょうか。


Janpier: 私たちのオンライン活動では、近いところでいうと参加している人たちとお互いに「ライヴ体験」をできるよう模索しているところです。つまり、モノローグや“一方的に見るべきもの”ではなく、見て、反応し、作り、共有すること。長期的なアイデアとしても、これは私たちのプログラムを補完することができるものになるでしょう。私たちのプログラムパートナーの1人であるTess Martinは、こう言っています。「これから多くのイベントがオンラインになるだろう(長期的な見込みにおいて。「通常」の状態に戻ったあとに直接的な体験にするか、オンラインにするかはその人次第として)。その場合、WORMがストリーミングでうまく機能するようになるのはいいこと。WORMが私がやっているような大きくないけど面白いイベントをサポートするように、オンラインでも会場や広告などを提供するとことができる。そのプロフェッショナルなストリームをオンライン上で構築できるように、プログラマーがサポートするよ、と。


Rae: The WORM Pirate Bayは、私たちの活動やポストによって個別にセレクトされたメールなどが届くようなデジタルプラットフォームからは距離を置いていたんです。オンラインには良いこともたくさんありますが、時には手紙を待つのも良いものですから。今はInstagramのライヴ配信とチャレンジリレーばかりが溢れてますが、デジタルの世界の外のつながりを探してみよう、と言いたいです。
もちろん、オンラインで作業するのに良い機会であることは確かです。たとえば、私たちのPRチームは「WORMworld」という信じられないほど素晴らしいオンラインプラットフォームを作ったので、WORMの環境はより良いものになっています。これは、WORMをデジタル空間に適応させたものです。すべてのイベントをオンラインで移動することができるだけじゃなく、WORMだけの完全に新しいデジタルスペースを作れたのは最高ですよね。 hotglue.meをチェックして、自分だけの面白いデジタルアートの世界を作ってみてください。
 



ーー新たにチャレンジしてみたいことはありますか。
 
Janpier: 課題は、これらのオンライン活動を準備し、それらを調整して形にしていくことですね。
 
Rae: 時間を使って人と個人的につながって、アーカイブにあるようなリアルの場への興味も再燃させていってます。
 
ーー事態が好転し、COVID-19が収束したらしたら何をしたいですか。
 
Janpier: 状況が良くなったら、またみんなと集まって、気軽に話し、食べ、飲みたい。そしてプログラムを立て直し、私たちが得意とすること、つまり何かを見せたい人をサポートして観客を集めたいと考えています。将来的には、これにオンライン環境が追加されると思います。
 
Rae : 一緒にフィジナルな空間に戻り、アーティストがこの期間中に作っていた作品をサポートする方法を見つけたい。一緒にパーティーして、笑って、お互いをハグしてください。でもこれまでより少しペースを落としてもいいんじゃないかなと思っています。
 
ーー政府の施策は満足できるものだと思いますか。もしNOであればどのようなことを提案したいですか。
 
Janpier: 政府は、この状況が社会的弱者と呼ばれる人たちに及ぼす影響に対して目が行き届いてないと思います。もっとそういう人たちに向けた施策を行うべきではないでしょうか。財政支援、借金のキャンセル、ベーシックインカム、健康的で手頃な価格の食品、そしてストレスを軽減するための対策が必要だと思います。
 
WORM
The WORM Open City is a collage of communities, artistic interests and passions.

WORM Pirate Bay


https://wormworld.hotglue.me/



 

 
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https://worm.org/spaces/worm-pirate-bay/
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