NeoL

開く

BATTLES 『La Di Da Di』インタビュー

_MG_0332

──なるほど。そしてライブでは、イアンさんとデヴィッドさんが積み重ねる即興のループが思わぬ化学反応を引き起こしたりもすると。

ジョン「その通り。つまりバトルズの演奏では、予想外に広がるループこそがすべてを司るパペットマスター(人形遣い)であって。3人のプレーヤーはそれに翻弄されるパペットと言ってもいい(笑)。逆に言うと、僕はリズムをキープする必要がないので、よりメロディックな叩き方で、ビートでメロディーラインを紡ぎだすこともできる。歌心っていうのかな?」

──バトルズの演奏から伝わってくる「血湧き肉躍る」感覚は、そのビートに負うところが大きいんですね。『La Di Da Di』のレコーディングでは、その即興性をどう楽曲に落とし込んでいったのですか?

ジョン「アルバムを制作する際、僕らはいきなりスタジオには入らない。まずは各自でアイデアを持ち寄り、それらをメールで送り合って共有するところから始めるんだ。例えば、『こんなループはどうだろう』みたいな発想の種をね。それをある程度寝かして発酵させ、3人が1つのアイデアに反応するようになって、初めて作業をスタートさせる。さっきも話したように今回『La Di Da Di』では、その事前作業をいつも以上に入念に行ったんだ」

──なるほど。

ジョン「まずアイデア段階で3人がそれぞれアプローチを熟考し、さらにリハーサルをきっちり重ねて。これがベストと思えるループ音源なり演奏を重ねていったんだ。もちろん実際レコーディングで演奏を始めると、パソコンと向きあってた時点では考えもしなかったアイデアが出たり、スリリングな演奏が生まれたりするんだよ。でも、そういった『素晴らしい偶然』は、入念な準備ときっちりした作り込みがあって初めて得られるものなんだ」

──各自のプリプロダクションに時間をかけたからこそ、スタジオでの演奏にすべての集中力を注ぎ込むことができた。濃密なレコーディングの風景は、オフィシャルサイト上でも公開されたドキュメンタリー映像「THE ART OF REPETITION(反復の技法)」でも確認できますね。

ジョン「レコーディング自体は濃密だったけど、準備ができていた分、リラックスして臨めたよ。あえて苦労した点を挙げるとすると、前作まではまずドラムスから録音していた順番を『La Di Da Di』では最後に回したことくらいかな。しかもイアンとデイヴィッドが最後の最後までいろんなループと演奏の組み合わせを試していたから。短期間でそれに合わせるのは大変だった。純粋にドラミングという観点だけで見ると、これまででいちばん疲れたかもしれない」

──だからこそ前2作以上に「歌心」を感じたのかもしれませんね。ジョンさん自身は今作がどんなテイストになったと感じていますか?

ジョン「うーん……それも言葉にするのは難しいね(笑)。そうだなぁ、よりストレートなpleasure(愉しみ)に満ちて、ちょっぴりmanic(躁っぽい)アルバムになってるとは言えるかもしれないね。もちろん、聴く人が自由に感じてもらうのが一番なんだけど(笑)。さっきも話したように、僕らにとってアルバムというのは、事前にあるアイデアとかコンセプトに寄せていく作業じゃない。むしろ3人のアイデアがぶつかり合うことで生まれてくる、本質的にコントロール不能な作業なんだ。そして『La Di Da Di』は、これまでの3枚の中でも一番その度合いが強かったとは言えると思うよ」

──傑出したプレーヤー3人が、全存在を賭けてぶつかり合う面白さですね。

ジョン「そう。あるところまで作り込んだら、後は流れに任せることが重要なんだよ。クリエイターなら誰もが経験することだと思うけど、精魂を傾けている作品にいつの間にか命が宿り、鳥みたいに羽ばたき始める瞬間って、本当にあるからね。しかも僕たちはデヴィッド・ボウイのように1人の優れたアーティストのビジョンを具現化してるわけじゃなく、3人でそれを行ってるから。肝心なのは、いつの時点で流れに身を任せるかという見極めだと思う。アルバムを3枚作って、そのタイミングも少しずつ掴めてきたんじゃないかな(笑)」

_MG_0354 1

撮影 中野修也/photo  Shuya Nakano

取材・文 大谷隆之/interview&text Takayuki Otani

企画・編集 桑原亮子/edit  Ryoko Kuwahara

 

IMG_1051

プレゼント:BATTLESサイン入りTシャツを1名様にプレゼントします。空メールを送信するとプレゼントに応募できます。(←クリック)ご応募お待ちしております。
後日当選された方にはいただいたメールアドレス宛にNeoL編集部よりご連絡させていただきます。
battles

BATTLES

『La Di Da Di』

発売中

(Warp Records/Beat Records)

beatkart:http://shop.beatink.com/shopdetail/000000001953/

amazon:http://amzn.to/1IZISCa

Tower Records:http://bit.ly/1GlzBy8

HMV:http://bit.ly/1Hu4AvM

iTunes:http://apple.co/1Li3B4q

 

商品情報はこちら:

http://www.beatink.com/Labels/Warp-Records/Battles/BRC-480/

1 2 3 4

RELATED

LATEST

Load more

TOPICS