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text by Junnosuke Amai
photo edit by Ryoko Kuwahara
photo by Masakazu Yoshiba

Sampha『Process』Interview

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―そのカニエの『ザ・ライフ・オブ・パブロ』は選ばれませんでしたが、ビヨンセやドレイクの作品がノミネートされた先日のグラミーのリストを見ると、2016年はあらためてヒップホップやR&Bがポップ・ミュージックの中心で存在感を示した年だったと思うんですね。あなたもまたそうした現場を間近で見ているひとりだと思いますが、この最近の音楽シーンの傾向についてはどう感じていますか。


サンファ「まあ、いろんな方向に進化してるんだろうけど……そもそもR&Bとか、50年代からか60年代からか知らないけど(笑)、そのくらい昔からポピュラーなジャンルとして定着していたわけで、それだけでもすごいことだよね。今、わりと有名なミュージシャンやアーティストですら、ものすごく果敢で実験的な音楽に挑戦する時代になったんだなとは思う。インターネットのおかげで、リスナーのほうにもいろんなタイプの音楽を受け入れる土壌ができてきたことも関係してるんだろうけど。そういう意味では、アーティストにとってもすごくやりやすい環境になってるんじゃないかな。自分もそこまで業界について詳しいわけじゃないから、何とも言えないところだけどね。ただ、今のミュージシャンは昔に比べてフォーマットに縛られてない気がする。それはジャンルという意味でもそうだし、あるいは昔だったらあくまでもラジオ向けの曲を書くことを前提にしなくちゃいけなかったりけど、今はそこに縛られてない。音楽の発表の仕方にしても、アルバムやラジオ以外にもいろんな方法があって昔に比べて自由だよね。インターネットなんかのおかげで表現の場や形式が広がったことで、作り手側が自分が本当にやりたい表現を発表しやすくなったのもあるだろうし。まあ、インターネットにもソーシャルメディアだのインスタグラムだのそれぞれのフォーマットがあって、音楽が昔に比べてより細分化されて消費しやすくなってしまったっていう側面もあるんだろうけど。ただ、少なくとも昔みたいなアルバムのフォーマットからは自由だし、既成のフォーマットに縛られない色んな音楽の在り方が考えられる時代になってるんじゃないかな。とはいえ、60年代とか70年代のほうがサイケデリックで、逆に今よりもルールに縛られてなくて、もっとクレイジーだったのかもって想像もしてしまうけども(笑)」


photo Masakazu Yoshiba
interview&text Junnosuke Amai
edit&direction Ryoko Kuwahara


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Sampha/サンファ
『Process/プロセス』
2月3日発売
(Young Turks / Beat Records)

国内盤CD  2,400円(+ 税)
ボーナストラック追加収録 / 解説書・歌詞対訳付き



Sampha
フランク・オーシャン、カニエ・ウェスト、ドレイク、SBTRKT、ソランジュら、デビュー前よりトップ・アーティストたちの作品に数多く参加し、昨年カニエ・ウェストの最新作『ザ・ライフ・オブ・パブロ』がアップデートされた際に、収録曲「Saint Pablo」にもフィーチャーリングされるなど、今全世界が注目するR&Bシンガー/プロデューサー。昨年豊洲PITにて行われたザ・エックス・エックスの来日公演にて、オープニングアクトを務め、デビュー前にも関わらず、単独公演を成功させたことも記憶に新しい彼が、Pitchforkが選ぶ2017年期待のアルバム32選にも選出された待望のデビュー・アルバム『プロセス』をリリース。

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