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niŭが手掛けるオディロン・ルドン展コラボディスプレイ 「ルドンのグラヴィティ」

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この夏から冬にかけて、箱根のポーラ美術館では現在展示中のエミール・ガレ展(3/17~7/16)とアーティストniŭによるコラボレーションディスプレイに引き続き、オディロン・ルドン展(7/22〜12/2)とのコラボレーションディスプレイの展示を実施する。
本ディスプレイは箱根のポーラ美術館の企画展内容にインスパイアされ、今回もniŭがデザイン・制作し、チケットカウンター背面の大窓より見ることができる自身の彫刻作品「しあわせな犬」の周辺に展示。


19世紀末から20世紀初頭にかけてフランスで活動した芸術家オディロン・ルドン(1840―1916)は、印象派の画家たちとほぼ同じ世代に生まれながらも、不気味な怪物たちが蠢く世界や、神秘的なヴィジョンに満ちた幻想的な場面を絵画に残した。その謎めいた絵画ゆえに、これまでルドンは、心の中に潜む「内なる世界」に向き合いながら奇妙な作品を制作し続けた孤高の芸術家と考えられてきた。
ところが、近年の研究によってルドンの新しい側面に光があてられている。公開された彼の手記や手紙にもとづく客観的な分析を通して、彼の作品を同時代の潮流の中であらためて捉えなおしたところ、ルドンは当時目にすることのできた過去の美術史上の傑作や同時代の美術作品をはじめ、自然科学の挿図や戯画などの大衆文化という、彼を取り巻く世界から多大なる影響を受けていることが明らかになってきた。本展覧会は、これまで築き上げられてきた孤高の幻想画家という芸術家神話を解き明かし、様々な価値観が交錯する時代のなかで探究を続けた「ひらかれた」芸術家ルドンの姿が明らかにする試みとなる。さらに幻想や神秘の世界を追い求める現代作家との比較を通して、ルドンの生み出した芸術の今日的な意義を検証する。


<制作にあたって>
私が初めてポーラ美術館に訪れた時に、数々の素晴らしい収蔵品の中でも特に心底惚れ込んでしまったのが《イカロス》でした。この作品の作者であるルドンの作品をモチーフにデザイン、制作できたことを大変光栄に思います。今回は、ルドンの最も特徴的な「目」の作品にインスパイアを受け、ルドンの持つ独特の浮遊感、重力のイメージを立体で表現いたしました。球体を3つ重ねた「目」のオブジェは、高さ3.7メートルの「しあわせな犬」彫刻作品と並ぶ大きさとなります。季節の移り変わる盛夏から冬の入り口まで、美術館を取り囲む「森」を借景に、いつもとは違う表情の彫刻を楽しんでいただければと思います。
※遊歩道には2013年設置の小さな11体の動植物の彫刻作品もございます。合わせて是非お楽しみください。 –niŭ



~企画展「ルドン ひらかれた夢ー幻想の世紀末から現代へ」~
ポーラ美術館
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山 1285
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