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BANKS『GODDESS』インタビュー

 

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 今年初頭に発表された2014年にブレイクするであろう新人を選ぶBBC Sound of 2014では3位に選出。R&Bやソウル、ダブ・ステップなどの要素を取り入れながらも、独自の世界観を確立しているBANKSがついにデビュー・アルバム『GODDESS』を完成させた。ジェイミー・ウーンやリル・シルヴァ、ソン、トータリー・イノーマス・エクスティンクト・ダイナソーズをはじめとする英国のサウンド・クリエイターとコラボして作り上げたのは、感情の揺れの幅を音の強弱や響きを用いて表現した、彼女の心を覗くようなごくパーソナルな作品。だからこそ、どの曲も彼女をとても近くに感じるのだろう。アルバム発表直前のサマーソニックで堂々たるパフォーマンスを見せつけた彼女に話を聞いた。

 

──最初に自身で音楽を作り始めたのはいつの頃からですか。

BANKS「14歳か15歳の頃からね。悲しい時期を過ごしていて、その悲しみを発散させるために音楽を始めたの。いろいろ複雑に何層にも折り重なった悲しみで、自分でも迷走していたところがあったので、その混乱をうまく処理するために音楽があったと今では振り返ることができるわね」

──いつ頃、その悲しみから解き放たれて、違うベクトルで音楽と向き合うようになったのでしょうか?

BANKS「悲しみだけじゃなくて、その頃にありがちな思春期特有の難しい時だったの。ちょうど両親が離婚して、苦しいこともあったし。色んな理由があったんだけれど、音楽をやることで気持ちに整理がついて、肩にのしかかっていた重力のようなものから解き放たれたの。それまでは誰に相談すればいいのか、その前に誰に話しても理解してもらえないというような状況だったんだけれど、音楽と向き合うことで気持ちが軽くなったというか。音楽が親友になった、と言えば、ものすごく孤独でかわいそうな女の子っていうイメージだけれど(笑)、そうじゃなくて自分にとってはすばらしいことだったの」
──その頃からもうSoundcloudに音源をUPしていたのでしょうか?

BANKS「ううん。最初は音楽をやっているなんて誰にも話したことがなかった。10年くらいずっと心の中で守るように、閉じ込めていたの。知っていたのは家族と親友くらい。その頃は日記を綴るような感覚で音楽をやっていたように思う。そんな中、現在のマネージャーと出会ったことで、外に向けて発信していこうかなって気持ちになっていったの。自分では10年間の猶予期間を持とうと思い、その間は焦らずに自分がやりたい音楽をやろうと決めたんだけど、ちょうどその時が良い機会だなと思えて。自分の作品を外へと向けたときのワクワクした感じ、心地良さは今でも覚えているわ」

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