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建築設計と描くことの相関関係が生む幻想都市風景 光嶋裕介ドローイング新作展

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建築家・光嶋裕介が4回目となるドローイング新作展を開催。

幻想都市風景を描き続ける光嶋裕介は、2014年より度々越前和紙の本場・福井県武生に赴き、描くための和紙を自ら漉いている。今年からその和紙に箔画作家・野口琢郎さんが箔押ししたコラボレーションによる幻想都市風景を多数制作。畳一畳分の和紙に描いた大作を含め新作13点を楽しめる本展。11月17日(土)17時より、ゲストに中谷礼仁(建築史、歴史工学(アーキオロジー)、早稲田大学教授)を迎えてギャラリートークを開催。※要予約、参加費1,000円


【光嶋裕介新作展《幻想都市風景GOLD》に向け】

 このたび、ときの忘れもの画廊にて、二年ぶり四度目の個展を開催させていただく運びとなりました。本当にありがとうございます。

 建築家として空間を模索する壮大な旅は、なにも建築を設計するばかりが実践とは限りません。設計はもちろんのこと、身体を使って考える、つまり、手を動かしてドローイングを描くことは、私にとって欠かすことのできない大切な営みです。四年間のドイツ・ベルリンでの建築武者修行を終え、「幻想都市風景」と題して自分の想像する世界を描きはじめたのは、二〇〇八年でした。あっという間に、十年という月日が経ちました。いまだ「何故描くのか?」という問いに対して、はっきりとした答えをみつけられていません。がしかし、「わからない」から描く。知りたいから描くのです。まだ誰も見たことのない風景が、見たいから。


 二〇一二年の初個展は、幻想都市風景を彫る、銅版画のシリーズ。
 二〇一四年は、幻想都市風景のシルクスクリーンを制作。
 二〇一六年は、描くための和紙を自ら漉くということに挑戦。


 今年も福井県武生にて、自ら漉いた和紙を中心に、京都在住の箔画家である野口琢郎氏と協働し、金箔やプラチナ箔を部分的に押してもらいました。おかげさまで、和紙や画用紙に独特な表情がうまれ、そこから想像を膨らませて、幻想都市風景を描き繋げていきました。建築世界の多様な表現の可能性を拡張したいのだ。

 昨年、ときの忘れもの画廊は、青山から駒込に移転しました。建築家の阿部勤氏が設計したLAS CASASのストイックな空間と、私の描いた幻想都市風景がどのように響き合うのか、今から楽しみでなりません。

 一冊の書物が読者によって完成するように、一枚のドローイングも、見てもらい、購入してもらってはじめて生きられるものとなるのです。その意味において、画廊の壁に掛けられたドローイングは、「仮の姿」と言えるかもしれません。この個展がどのようにして新しいご縁を紡ぐことになるのか、金箔によって更なる輝きを獲得した《幻想都市風景》の世界をこの目で確かめてください。皆さまのお越しを心よりお待ちしております(会期中無休、11/10-11,17-18の両週末は在廊予定)。


光嶋裕介(建築家)


光嶋裕介新作展――幻想都市風景GOLD
2018年11月8日~11月18日 11:00-19:00(会期中無休)
作家在廊予定日: 11月10日(土)、11日(日)、17日(土)、18日(日)
ときの忘れもの/有限会社ワタヌキ 東京都文京区駒込5-4-1 LAS CASAS
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