NeoL

開く

高畑充希『煙霞-Gold Rush-』インタビュー

5405

──今回の『煙霞-Gold Rush-』は、キャストが「オール関西出身」なのも1つの売りになっていますが、お互い関西弁で喋れるというのも大きいんでしょうか。

高畑「それはあるかもしれませんね。原作を読んでも、言葉の量がすごく多いでしょう。内容的には金塊が絡んでたりして、けっこうシリアスだったりもするんですけど、関西弁でキャッチボールしてると不思議と重くならない。ボケとツッコミというわざとらしい感じすらなくて…。当たり前のように流れている関西の空気の中で、自然に喋ってる感じなんですよね」

──じゃあ掛け合いの中で、自然とアドリブが出たりも?

高畑「そうですね。無理に面白いことを言おうとか、そういうのはありませんでしたが、菜穂子としてその場にいて、台本にない言葉がふと出ちゃうことは、わりと多かったです。小林(聖太郎)監督がまた、なかなかカットをかけないんですよ。楽しくなっちゃうとずっとカメラを回してる。そんなに撮っても絶対使い切れないって思うんですけど(笑)。逆に言うと、台本のセリフがどうしても言いにくいときはすぐ察知して、『じゃあこの言い回しに変えてみようか』って、いろんなパターンを試してくださる方でした」

──『毎日かあさん』や『マエストロ!』など地に足の着いた人間ドラマの名手という印象が強いですが、小林監督の演出はかなりフレキシブルなんですね。

高畑「今まで経験したことのないくらい、柔軟な現場だったと思います。特に森山さんと私については、ほとんど放任状態で。事前のセリフ合わせもなく、最初は申し訳ないくらいグダグダから始まるんです。でも監督はそういうのはあまり気にせず、むしろ『言いにくい台詞があったら変えちゃっていいよ』って感じで…。役者が一番やりやすい状況を作った上で、いろいろ投げかけてくれるんですね。そうやって数回リハーサルをし、カメラテストを重ねるうちに、互いのスピードが合ってきて。いいパターンが見えてくる。森山さんだけじゃなく、他の共演者の方とも基本的にはそういう感じでした」

──なるほど。考えてみれば『煙霞-Gold Rush-』って、ワケありの男女が偶然1つの目的を共有するバディ・ムービー(相棒もの)的な面白さもありますよね。

高畑「そうやって楽しんでもらえたら嬉しいですね。私、恋愛ものはともかく、男性としっかり向き合って会話で引っ張っていくお芝居は初めてだったので、その意味でもすごく新鮮だったんです。そういえば今回、森山さんと2人並んで歩くという場面が多くて。撮影の初日か2日目に、どっちがどちら側を歩くかという話になったんですね。私、普通なら人の左側を歩くんですけど、熊さんとの関係性を想像すると『どこかでこの人の上に立っていたい』と思ってしまって(笑)。それで男性みたいに右側を歩かせてもらうことにしました」

──やっぱり菜穂子が物語を動かして、主人公の熊谷はそれに引っ張り回されるという物語構造ですね(笑)。

高畑「森山さんにその話をしたら、『うん、やっぱりそうだよね』って(笑)。それまであまり会話もしたことなかったんですけど、あの瞬間バディとしての2人の関係性が決まったような気がします」

──桂文珍さん、木村祐一さん、木下ほうかさん、尾上寛之さんなど、共演陣の存在感、関西感も凄そうです(笑)。

高畑「役柄上はコワモテだけど、みんな本当にいい方で。でも関西人って、やっぱり人との距離感が近いんですかね(笑)。撮影期間中にすごく仲良くさせていただきました。中村ゆりさんとも、ドラマ内では雌猫同士みたく暴言吐き合ったりしてますけど、サッパリした性格なので辛くなかったです」

1 2 3

RELATED

LATEST

Load more

TOPICS