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アシフ・カパディア監督『AMYエイミー』インタビュー

ÉTÉu2 (c)Rex Features

 

(C)Nick Shymansky Photo by Nick Shymansky

──ドキュメンタリーを製作することになったきっかけは?

アシフ「僕はそもそも人に興味があるんです。特に、いわゆる“アンダードッグ=負け犬”に興味をかき立てられるんですよね。エイミーはアーティストとしては非常にポジティヴだけれども、人としてはやっぱりある種の“負け犬”だったわけです。だから興味を惹かれました。映画を作り出す前から人の心理というものに興味があったので、それが今回のひとつの動機になったんです。僕の映画を作る動機というのは、突き詰めたい疑問がそこにあるかどうかなんですよね。『アイルトン・セナ〜音速の彼方へ』も制作に5年かかっているし、『AMY エイミー』も3年かかっている。それだけ付き合っていくわけなので、よっぽど探っていきたい疑問がないとダメなんです。ファンだったから映画を撮ったわけではなくて、色んな疑問を紐解きたかったから撮ったんです」

──劇中にも登場する元マネージャーであるニック・シマンスキーや、幼馴染みの女性2人の信用はどのようにして得ていったのでしょうか?

アシフ「カメラがあると身構えて本当のことを聞き出せなかったりするんですけれど、今回の場合は本当のラジオ番組のように部屋の中で1対1で座り、音を録っているミキサーも別室にして、照明も落としてしゃべってもらったんです。すると取材対象者はほっとするから安心していろいろ話し出すんですね。最初は『嫌だ嫌だ』と言っていた人が1時間、2時間、そして4時間、5時間に話してくれてどんどん心を開いてくれました。取材対象者の彼らもエイミーに先立たれてしまっていろいろ心に抱えていたので、この映画が彼らにとって一種のセラピー的な効果があったんじゃないかなと思うんです。そのせいか、だんだんと私たちを信頼していってくれるようになりました。そうしたら『今度はこいつに話を聞いてみたらいいよ』って友達を紹介してくれるようになりました。最初は「映像なんか持っていないとか言っていたけど本当はあるんだよね」って見せてくれたりして。つまり周りの人との1対1の対話を重ねていく中でその過程を経て映像にだどりつけた感じでした」

──製作にあたっていちばん困難だったことは? またその困難をどのようにして乗り越えましたか?

 アシフ「やっぱりセナとはかなり対象的でした。セナはみんなに愛されていた人でしたから、映画を作るよってなった時に『僕はこんなの持ってるよ』とか『ヘルメットを持っているよ』とか『こんな写真があるよ』とか、いろんなところから協力したいっていう人が出てきたんです。残念ながらエイミーの時は真逆で『お前は信用ならん』とか『お金をいくらくれるんだ』とかまったく協力的ではなかったんですね(笑)。誰も協力者として申し出る人がいなくて、またドラッグアディクトの話をなぜ今さら作りたいんだ?と、いう感じがありました。信頼を一歩ずつ一歩ずつ築いていくっていうのが本当に大変な作品で、とにかくリアルなエイミーを観せたいんだっていうことを伝え少しずつみんなを説得していったんです」

'Parkinson' TV Programme  - 16 Jun 2007

 

(C)Rex Features

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