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text by Junnosuke Amai
photo by Akihito Igarashi(TRON)

Animal Collective『Painting With』Interview

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今年の初め、最新アルバム『ペインティング・ウィズ』をリリースしたアニマル・コレクティヴ。かれらが音楽をつくり始めてから早15年ちかく。スタジオ・アルバムだけでもすでに10枚を数えるが、なかでも今回の『ペインティング・ウィズ』は、その創造性あふれるサウンドがさらに新たな扉を開いたことを窺わせる一枚、と言っていい。パーカッシヴなビートやカラフルな電子音が映えるモダンなプロダクション。いっそう輪郭鮮やかに絡み合う多彩なヴォーカル・ワーク。そして何より、昨今のメインストリームのポップやR&Bにも通じる、しなやかに脈打つダンス・グルーヴ――。そんな意欲作を引っ提げてサマーソニックの深夜のイベント、HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER出演のために来日したかれらに、アルバムのことはもちろん、シンパシーを寄せるというケンドリック・ラマーやLGBT問題について、さらにいまのアメリカをテーマに話を聞いてみた。


―最新作の『ペインティング・ウィズ』はこれまでのアルバムとは違い、スタジオで一から曲作りが行われたということで、いろいろと新たな試みや発見があったと思うのですが。

―ノア・レノックス(パンダ・ベア)「そうだね。今回そこが一番難しかったかもしれない。ライヴ用に表現できるようにシステムを構築し直すっていう。ライヴで一切演奏しない状態でレコーディングするのが初めてだったわけで、ライヴするにあたって一人一人の役割分担を決めたりとか、どれだけライヴで再現するのか話し合ったりとか……。あと、ライヴでドラムのジェレミー(・ハイマン。ポニーテイル、ボアダムスetc)と初めて一緒に演奏するわけで、そこでの絡みとか考えなくちゃならないことがあったからね」

――今回の新曲をライヴで再現する際のポイントとは?

―ブライアン・ウェルツ(ジオロジスト)「まあ、全体的に曲が長いってことはあるかもしれない。あとはアルバムよりも少し要素が少なくなってたり……とは言ってもまあ、ほんの少しだけど」


―デイヴ・ポートナー(エイヴィ・テア)「リサイクルした結果、省略されたというか……まあ、ライヴの方が全体的に緩い感じではあるよね。スタジオではもっとエレクトロニックなリズムを中心に音を組み立てていったというか。ライヴをやるときにはジェレミーも入ってくるから、それも考慮しつつ全体的にオープンで緩いという。ライヴのほうがアルバムよりもジャムっぽいかもしれない」

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