NeoL

開く
text by Ryoko Kuwahara
photo edit by Lina Hitomi

「Hanger」Claire Davis Interview

NeoL Magazine JP | Text: Ryoko Kuwahara | Photo Edit: Lina Hitomi | Photo: Stephanie Sian-Smith | Model:Helen Selam Kleih, Isabel Alsina-Reynolds

NeoL Magazine JP | Text: Ryoko Kuwahara | Photo Edit: Lina Hitomi | Photo: Stephanie Sian-Smith | Model:Helen Selam Kleih, Isabel Alsina-Reynolds


——あなたは日本人とのハーフですが、それが作品に影響していると思いますか?
 
Claire「私の母が日本人なの。でも、一度も自分が日本人だと感じた事はない。ロンドンに住んでるし、英語しか話さないし。だから、なんだか外国人って感じがするの。見た目もジャマイカ人だし。でも、自分が共感出来る日本社会について沢山読んできたり、繋がりも感じる。すごく変な感じよ。もちろんハーフで嬉しくはあるの。ただ、日本ってすごく遠い。今年は行ったけど、その前は5年前で、簡単には行けないのよね。もし日本に住んで日本語を勉強したとしても、自分が日本人とは感じないと思う。日本人じゃなくて、ハーフなのよね。ロンドン出身だし。だから、自分はイギリス人だなって感じるわ」
 
——日本の女の子、そして彼女たちのファッションに関してはどう思いますか?
 
Claire「本当に沢山のジャンルがあるわよね。世界で一番クールだと思う。ユニークだしね。ハラジュク・ガールズもすごく面白くて変。あれに皆が注いでいる努力が素晴らしい。あのルックスに命をかけて、常にその格好をしているなんて。普通のファッションの女の子達の着こなしもクールだし、皆ファッションに力を入れているし、とにかくたくさんのジャンルがあるのがすごい!」
 
——ルックに関してもうちょっと聞かせてください。あなたが起用するモデルやミューズはどのようにして見つけるのでしょう? 例えば、前回のコレクションのモデルたちは?
 
Claire「友達がブッカーなんだけど、彼女の事務所にいる子達を使ったの。前回の撮影の時もそう。あと、私の友達が知っていたりーー友達の輪って感じね。すごくカジュアルで気軽。時にはモデルじゃない普通の子もいるけど、それも逆に良くてもっと面白くなったりするのよね」

 
——メインの購買層は?
 
Claire「オーディエンスのメインは25~35歳くらい。それに続くのが18~24歳ね。でも、実際に購入するのは20代前半の人たちが多いわ」
 
——どうやってあなたのことを知って買いに来るんでしょう?
 
Claire「主にインスタグラムだと思う。あと、大きなブログをやっている友達がいるんだけど、その友達とのコラボを通して私を知った人も多いと思うわ。最近はあまりやってないけど、プレスを通して私を知る人もいる。そろそろまたやらないといけないわね。主にデジタルが多いの。ウェブサイトとかインスタグラムとかね。というのも、いまオンラインのみで販売してるから。ホールセールって、すごく難しいのよ。見合ったお金は得られないけど、変わりにストレスを得る(笑)。そういうのにちょっと疲れちゃって。でも、ロンドンにある1、2店舗でもしかしたら近いうちに販売を始めるかもしれないわ」
 

NeoL Magazine JP | Text: Ryoko Kuwahara | Photo Edit: Lina Hitomi | Photo: Stephanie Sian-Smith | Model:Helen Selam Kleih, Isabel Alsina-Reynolds

NeoL Magazine JP | Text: Ryoko Kuwahara | Photo Edit: Lina Hitomi | Photo: Stephanie Sian-Smith | Model:Helen Selam Kleih, Isabel Alsina-Reynolds


 
——ルックブックのアイディアはどこから?
 
Claire「その時によるわ。フォトグラファーと話し合うことは多いわね。ロケーションをどうするかとか、モデルの話とか。”この子良いわね。彼女なら、こんなことが出来ると思うんだけど”とかね」
 
——あなたとフォトグラファーがディレクターなんですね。
 
Claire「そう」
 
——お気に入りのロンドンの写真家は誰ですか?
 
Claire「難しい質問ね。本当に沢山いるから。一人はローナン・マッケンジー。昔は全く知られてなかったんだけど、今では大物なのよ。もう何度も撮影してる。本当に才能があるし、映像も撮るの。すっごくクールよ。人としても良い人だし、彼女は大好き」
 
——好きなスタイリスト、メイクアップ・アーティストは?
 
Claire「普段の撮影は友達のポーシャに頼む。彼女はモデルでもあるんだけど、仲の良い友達なの。友達と一緒に作業するのって楽しい。特に、才能がある友達と作業すると、仕事をサッとやり遂げて、あとは遊べるし(笑)。スタイリングに関しては、これもまた良いスタイリストの友達が沢山いるの。ルックブックで主に協力してくれたのはミーシャ・マフィア。彼女は最高。DJ、スタイリスト、ディレクター、何でもやるのよ。彼女もすごく良い人で、よく助けてくれる。エネルギーに溢れた人で、PDAというパーティーもやってる。彼女とラリーBとか何人かの友達と一緒にショーをやっているの。ビッグなパーティーなのよ」
 
——いまのロンドンのファッション・シーンはどんな感じですか?
 
Claire「世界中で一番だと思う。パリより面白いのは確かね。パリってホントにつまんない。NYもすごく良いと思うわ。2、3年前と比べて、ファッションウィークもすごく良くなったし、より多くのデザイナーがランウェイで作品を披露するようになったから、今はすごく面白いの。すっごくクールよ。ロンドンもエキサイティングだと思う。小さい街なのに、沢山の人々がファッションを勉強しに来るでしょ? だから才能のあるデザイナーが多いし、ファッション・シーンが自然と面白くなるんだと思う」

 
——もし機会があったら、誰とコラボしたいですか?
 
Claire「サングラスのブランドとコラボしたいわ。すごくクールでモダンなサングラスが作りたいから、考え始めないと。『マトリックス』に出てくるようなサングラスでちょっと色合いが違うものとか、そういうクールで、スリムで、ミニマムなものを作りたい。それ以外だったら、ジュエリーでも何かやってみたいわね。モックスハムというクールなブランドがあって、大胆な作品を作っているのよ」
 
——あなたにとってファッションとは?
 
Claire「生きてるという気持ちにさせてくれるもの。もちろん、服は着やすいものである必要があるし、それで行動が出来るというのも大事だと思う。でも同時に、いい気分にさせてくれる服も欲しい。いい生地だったら、気持ちがいいでしょう? ファッションはアートだと言う人もいるけど、私はそうは思わない。ファッションは、それを着た時に何かを感じさせてくれるものであるべきだと思う。すごく良い気分になったり、セクシーだと感じたり、リラックスしたり、落ち着きを感じたり。ファッションって、そういうフィーリングを与えてくれるものであるべきだと思うの。あと、ファッションを見たらその人が何が好きかすぐにわかるところもいいわよね。その人と自分に何か共通点があることがわかったり、もしくは全く共通点がないことがわかったり(笑)」
 
——最近のユース・カルチャーに関してはどう思いますか?
 
Claire「ちょっと変だと思う。インターネット、タンブラー、インスタグラムなんかがあるから、セルフ・カルチャーというものがなくなってしまっていると思うの。全てがインスタントで、すぐにアクセス出来てしまう。だから、熟す過程がなくなってしまっているんじゃないかな。全てが本当にインスタントでしょう? それが全ての人にとって悪い事ではないんだろうけど、ユース・カルチャーはそのせいで5年前や10年前とは全然違ってしまっている。皆がグーグルで検索して、”私はこれになりたい!”って思ったら、それについてちょっと読んで、それになってしまう。努力する必要がないし、より深く探求してその一部になろうとしないのよね。それって誠実さに欠けると思う」
 

——5年後は何をやっていると思います?
 
Claire「多分まだこのブランドをやっていると思う(笑)。もし全てが上手くいけば、続けて行くわ。そうじゃなかったら、多分ジャングルに住んでいるわね。ジャングルに住んで生活共同体を作ってみたいの。皆が自給自足で生活する共同体。野菜を育てたりとかね。だから、自分のビジネスをやっているか、ジャングルに住んでいるかのどちらかだと思う。南アフリカとかかな。ほら、ロンドンって住むのが大変だし、すごくストレスを感じるでしょ?それに、暖かいところがいいの。太陽が必要なのよね。ビジネスをやるためにはロンドンにいる必要があるけど、一生やる必要はないし、もし何かを変えるなら、大胆に変えたい。インターネットもテレビもないところで、川の側に住みたいわ。ビジネスもお金のことも気にせずにね(笑)」
 
——なにかニュースはありますか?
 
Claire「今、ASOSというコンテストに出展していて、最終の12ブランドに残っているところなの。あと数週間でプレゼンしなくてはいけなくて、すごいストレス。(その後、見事に受賞を果たした)。あと、新しいコレクション(春夏)に向けてそろそろ作業しなければいけないわ。それくらいよ」
 

1 2 3

RELATED

LATEST

Load more

TOPICS