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text by Ryoko Kuwahara

Self Isolation Issue :「既存の社会システムや常識に囚われず、改めて人間とは何か、私という存在とは何か、問いかける必要があります」 嶌村 吉祥丸/How to Survive – Kisshomaru Shimamura




フィジカルには距離を置かねばならない現状に際し、アイデアや情報のシェアでポジティヴに自宅での時間に向き合うための「Self Isolation」特集。アーティスト/クリエイターによる現状への向き合い方やオンラインで楽しめる情報などを随時アップデートしていく。
息をするように思考を巡らす嶌村 吉祥丸。写真という表現媒体を用いながらも、彼の根源となる思想や哲学はより自由でしなやかな社会とのインタラクティヴな関わり方を可能にしている。環境問題を真摯に受け止め、展示の売り上げを環境保全団体を通じ、オーストラリアの山火事被害での自然保護・動物保護などのために全額寄付ドネーションするなど、立体的な対応も迅速かつ的確に行ってきた彼は、考えることをやめないでとSNSを通じて呼びかけ続ける。(→ in English



ーー新型コロナウィルス感染症(COVID-19)で生活、クリエイティヴそれぞれの面でどのような影響が出ていますか。


嶌村 吉祥丸「人との接点や外出を最小限にすることで、自宅で過ごす時間が増えました。クリエイティヴ面ではコロナウイルスの性質上、展示を行うことやモデルを伴う撮影が難しくなっています」


ーーこの側面で新たに気づいたこと、心がけたいことがあれば教えてください。


嶌村 吉祥丸「私たちは現代の社会システムの中で生活することに慣れすぎていたのかもしれません。人類とは、社会とは、価値とは、政治とは…改めて、問いかけること」


ーーロックダウンに向けての精神的、物理的対応があればお聞かせください。


嶌村 吉祥丸「精神的対応として、自宅隔離をポジティブに捉えて映画や音楽、本や漫画に積極的に触れること。また、オンライン上でもコミュニケーションを取り、思考することをやめないこと。物理的対応として、最低限健康的な生活を送ることができるように必要な食糧や生活品などの準備をすること」


ーーご自身の活動を鑑みて、室内でどのような創作が可能だと思いますか。


嶌村 吉祥丸「アートプロジェクトや映像のプロットを作ること」





ーーオンラインの活用方法や1人でもできる施策など、良いアイデアがあればシェアをお願いできますでしょうか。


嶌村 吉祥丸「何もない時間をラグジュアリーと捉えて、心と身体を鍛える」


ーー新たにチャレンジしてみたいことはありますか。


嶌村 吉祥丸「模索中です」


ーー事態が好転し、COVID-19が収束したらしたら何をしたいですか。


嶌村 吉祥丸「ピクニック」


ーー政府の施策は満足できるものだと思いますか。もしNOであればどのようなことを提案したいですか。


嶌村 吉祥丸「No.現状の政治システムを維持することを最優先にするのではなく、国民の生活をベースとした政策判断をするべき。短期的には、全ての業種に対しての経済的な補償、また医療機関への物質的・経済的支援。長期的に見れば、上質な教育の提供、文化・芸術領域への支援、自然・動物と共生する持続可能な社会の実現に向けた政策が必要です。


人間社会の発展は、多様性と共にあります。これから先、新型コロナウイルス以前の世界に戻ることは難しいかもしれません。寧ろウイルスですら多様性と受け入れて、共生していくことが必要な段階にあるとも言えます。既存の社会システムや常識に囚われず、改めて人間とは何か、私という存在とは何か、問いかける必要があります。そのためにも政府に対して、私たち一人一人の命に対し責任を持った具体的なアクションを求めます」







嶌村 吉祥丸
https://kisshomaru.com/
instagram @kisshomaru

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