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text by Ryoko Kuwahara

I just am Issue : Interview with Confetti system


“I just am”exhibition photography Sayaka Maruyama


9月に東京で開催されたファッションの合同展示イベント「rooms」。その中でアイデンティティの自由を推進するクリエイターたちが、 社会的テーマと共にクリエイションを発表するプロジェクト「I just αm(私はただ私)」が発表された。次世代に向けて、クリエイティヴな視点で「多様性(インクルージョン)」を伝え教育することで、共感のコミュニティを広げるというこのプロジェクトに参加したデザイナーたちに、このテーマについてのそれぞれの思いやアイデンティティを見つける過程について問うた。ジュリーとニックから成るConfetti Systemはノスタルジックで夢のように美しく、同時にフレッシュなセレブレーションを設けてくれるアートユニットだ。ハンドカットされた紙吹雪、ピニャータ、 インタラクティヴなオブジェクトやサウンドで祝宴を模したインスタレーションでNYを軸に世界中からラブコールを受ける彼らに話を聞いた。(→ in English



――”I just am”というテーマを聞いてまず思い浮かべたことは?


Confetti System : とても力強いということです。


――では、その発想/コンセプトから制作へのプロセスを教えてください。


Confetti System : 私たちの制作行程はかなりオーガニックなんです。私たちの究極の理想となるまで互いのアイデアを重ねていくのが好きです。ある特定のプロジェクトがどのようになるかという最終的なヴィジョンは常にありますが、アイディアが変化し新しい物へと形を変えていく突発性も喜ばしいことです。お互い似たような考えをもち、超能力的なつながりも感じるので、互いに仕事ができてとてもラッキーです!


――展示は様々なアーティストの作品とのミックスでしたが、他のアーティストとはどんな話をしてバランスを作り上げましたか。


Confetti System: 今回の場合、ミックスのキュレーションであるウララに絶大な信頼をおいていたので、それがとてもよかったです。このプロジェクトに関われて光栄です。




――ニックはセラミックとグラフィックデザイン、ジュリーは彫刻と写真を学んだことですが、そのアートの背景はそれぞれどのように今の作品制作やブランディングに役立ちましたか


ジュリー: NYで育ち、ボルチモアのMaryland Institute College of Art で美術、特に彫刻と写真を学びました。


ニック:僕はハワイ州ホノルルで育ち、ミシガン大学でセラミックとグラフィックデザインを学びました。僕の祖母は工場を営んでいて、幼少期の思い出といえば、放課後に祖母を訪れ、糸を切ったり、工業用ミシンを見たり、生地がどのように裁断され縫われるかを見ていたことです。


ジュリー : 私は幼少の頃から両親に放課後、アートの習い事に通わされていました。10代のころ、自らCooper Union や SVAなどのアートのクラスを探すようになりました。若い頃、父の仕事の住宅関連の雑誌が山ほどあったのですが、おそらくそれが非常に大きく影響し、なぜ物体や空間がそのようにデザインされているかを執拗に勉強するようになりました。一緒に働くようになるまで、私たちはそれぞれ様々な分野の仕事をしてきました。ニックは数人のファッションデザイナーの元でカスタムの服などを制作したり、マーサ・スチュワート・リビングのスタイリストとして働いていたり。大学卒業後、私(ジュリー)は彫刻家Tom Sachsのスタジオアシスタントとして働き、Michel Gondryと映画、TV、ミュージックビデオなどのセットのデザインをしたり、ABC Carpet and Homeでウィンドウや店舗のディスプレイなどをしていました。プロップスタイリストとしてマーサ・スチュワート・リビングでも働いていました。




――お互いにすごい経験を積んで共にいるんですね。そこから2008年にConfetti Systemをスタートされたということですが、ほぼ10年を経て、その歴史を振り返って印象的だった出来事はありますか?


Confetti System: とてもいい質問ですね。私たちのハンドメイドガーランドとピニャータのオリジナルコレクションのゴールは、常にそこに存在していたかのように感じることと、すべての人に愛着を持ってもらうことです。2008年当時わたしたちの作品は無二でしたが、10年後わたしたちの美学は世界に広がり、作品は何度も何度もコピーされました。わたしたちのオリジナルの作品はいたるところにあり、様々な大手の企業により再現されてきましたが、完璧ではありません。私たちが継続的にオリジナルのコレクションを同じようにハンドメイドを愛する人達のために制作できることを嬉しく思います。


――お二人の中でここがターニングポイントだったというところがあれば教えてください。


Confetti System: 数年前にPS1 MoMAで行った展示がターニングポイントでした。彼らは大きな2階建てのギャラリースペースを私たちに委ねてくれました。私たちはドラマティックな索具とフライシステムにインスパイアされ、大きな多機能な空間をつくり、そこからたくさんの物体を吊り下げ、それぞれの作品を滑車から下げることでそれぞれを上下させることができ、ピニャータや金属の壁、枝やオーバーサイズの果物で吊るせるコンポジションを制作しました。空間の中のそれぞれのイベントごとに、それぞれ違うセットを制作したんです。規制のない大きな空間に展示できたことは非常に光栄なことで、これは私たちの作品を新しい方向へ押しあげてくれました。





――その展示でも見受けられるように、伝統的なセレブレーションと新しい発想というバランスが見事です。そのバランスはどのように考えていますか。


Confetti System: 私たちの作品は、寺やクラブやその他の癒しの場所で感じた豊かな感覚的体験をもとに、NYとホノルルとで文化的に交差した幼少期の記憶を掛け合わせ表現しただけです。とても直感的なんです。私たちの仕事は見ている側にムードとエネルギーを伝え、瞬間や記憶を彼らのためにつくること。私たちの紙やシンプルな素材で作った作品が見ている側の感情に届くことを祈っています。最終的には人々が楽しめて、ちょっと立ち止まって今を感じてくれればと思います。同じように物事を考え、超能力的につながっている相手と一緒に仕事ができてとってもラッキーです!


――グラフィティ的な2Dの理解と立体的な造形のコンビネーションも特徴だと思うのですが、そのバランスについてはどうですか?


Confetti System: 私たちはどちらも雑誌のスタイリングからはじまったので、ちょうど2Dと3Dの間のラインで遊ぶことが好きです。これは私たちが一緒に仕事をするようになる以前からそうでした。








――手作業での仕事がベースになっているようですが、ハンドカットや手作業にこだわる理由と、その良さは?


Confetti System: 手でものを切ることは非常にコントロールがききます、そして完璧なハンドメイドの作品には未完成のあたたかみがあります。それを作品の中で感じてもらえることは喜ばしいことです。


――いつも使われている素材も面白いですが、どのようにしてインスピレーションを得ていますか。


Confetti System: 繰り返しになりますが、私たちの作品は、寺やクラブやその他の癒しの場所で感じた豊かな感覚的体験をもとに、文化的に交差した幼少期の記憶を掛け合わせたものです。特に好きな作家はJames Turrell、Imi Knobel、Sheila HicksやTerry Riley。素材とメッセージの対比に惹かれます。


――最後に、自分を発見していく過程についても聞かせてください。どのように自分が好きなものを見つけ、それを研ぎしまして行きましたか。


Confetti System: ハワイ(ニック)とNYC(ジュリー)それぞれに豊かさがあり、それによって幾重にも重なった文化的で創造的なコミュニティーの中でわたしたちは存在しています。その中で自分たちのペースで、今日の自分を見つけ出すことができました。


text Ryoko Kuwahara



photography Adam Katz Sinding


Confetti System
ジュリーとニックから成るアートユニット。2008年から共同で制作を開始。ハンドカットされた紙吹雪やピニャータで空間を覆いつくし、ノスタルジックでいてフレッシュなインスタレーションを展開。
https://confettisystem.com/
https://www.instagram.com/confettisystem/



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