Laboratory of Art and Form (LOAF)では、2021年９月からのBerlinische Galerie (ベルリン現代美術館)のイゴール・ヴィドール展に先行して、「商品としてのバイオレンス」というタイトルのもと、イゴール・ヴィドールの*A PRAGA*（2021）*Gariwang – The King’s Name*（2018） *Rio Olympics 2016*(2016) の３映像作品を上映する。
イゴール・ヴィドールは、1985年ブラジル、サン・パウロで生まれ、現在はドイツ、ベルリンを拠点に活動しているアーティスト。ヴィドールは映像、パフォーマンス、オブジェ作品を通して、人々の日常の中に深く根ざした暴力や社会的な不正の兆候を表現している。彼は、国家や権力者から圧力をかけられる弱者の苦痛と諦め、その背後にある政治的な金権腐敗と買収行為、倫理観を度外視した金儲け主義の商品売買など実際にあった出来事をテーマに作品を作り続けている。
彼の最新作*A PRAGA*（2021）は、今回のLOAFでの展覧会が世界で初公開になる。
*A PRAGA* 2021 *ペスト* 2021
イゴール・ヴィドールの最新作品。作品では、ブラジルの森を歩く男とブラジルの警察が関与する銃撃戦、ドイツのオーベルンドルフ・アム・ ネッカーの静かで穏やかな街の映像が交互に映し出し出される。1997年、111人の囚人がサンパウロ軍警察によって即座に処刑されたカランジル虐殺事件と一見何の関わり合いのないように思われるドイツ、バーデン・ヴュルテンベルク州の小さな町、この幸せに見える街とその地元の武器産業及び１世紀以上も続く武器貿易は、他国でのテロと暴力事件を増加させており、両者には決定的な結びつきがあることをこの作品では検証している。
題名のペストとは、16世紀にヨーロッパ人がペストらの感染症を南米にもたらし、多くの人々が亡くなったように、21世紀の今日、ヨーロッパから南米への武器輸出によって多くの犠牲者が出ていることを踏まえている。
v.a. 4598 – Rio Olympics 2016* * v.a. 4598 -リオオリンピック2016*
ブラジル、アウトドロモ近隣のコミュニティにある廃屋や廃墟の中で重量挙げをしている人物はアーティスト自身であり、有色人種の多いこの地域における白人、そしてオリンピック競技という二つの事柄を映像の中で象徴している。2013年から2016年までの間、アウトドロモの近隣コミュニティは住居の立ち退きと建物破壊を余儀なくされ、その結果、リオデジャネイロ市の中心部にオリンピック公園が建設された。
アーティストはそこに住む住民たちのドラマを２年間追い続け、コミュニティーに残り続けた住民たちと共同映像を作るという作品の着想を得た。
*Gariwang – The King’s Name* *Gariwang - 王の名前* 2018
Ji Hye Chung、Seayool Kim、Hye Won Choiとのコラボレーション作品。
この作品では、アーティストはグローバル化が地域にもたらす影響を記録している。その作品の中で、私たちは韓国・平昌で開催された、わずか3日間の冬季オリンピックのためだけに、樹齢500年の森林が破壊されるのを見る。人々が長い間守ってきた自然も、大儀という名目で、あっけなく壊されてしまう現実への虚無感。アーティストは、平昌市の新しい建設イメージとブラジルでのオリンピックに関わる汚職事件の報告、その未来と過去の二つの事件を重ね合わせることにより、暴力と破壊のポートレートを私たちに提示。そしてこれらの1700km以上離れている、完全に異なる二つの地域の間に共通の破壊的な事件があったことを示している。
※混雑防止の為、上映は人数制限をし、ご予約頂いた方のみの入場とさせて頂きます。
ご入場ご希望の方は、お名前、希望する日時を明記の上、こちらのメールアドレスからのご予約をお願いいたします。info@loaf-jp.com
開館日：毎週金曜日、土曜日、日曜日 予約時間：15時、16時、17時、18時
上映作品：*A PRAGA* *Gariwang – The King’s Name* *v.a. 4598 – Rio Olympics 2016*
※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、来場の際はマスクの持参・着用、手指の消毒等にご協力をお願いいたします。
Laboratory of Art and Form (LOAF)
www.loaf-jp.com
住所：京都市上京区米屋町286-1（油小路通りから路地入る）
お問い合わせ：info@loaf-jp.com
