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「私」と「公」の境界を脱ぐ。遠藤麻衣による個展「屋上のアクチュアル」



TAV GALLERY では、美術家・俳優として活躍する遠藤麻衣の個展「屋上のアクチュアル」を開催。TAV GALLERY では2015年の公演「ボクは神の子を妊娠した。」以来、8年ぶりの個展となる。本展では、TAV GALLERY が入居する雑居ビル・ハウス西麻布の屋上を舞台にした撮りおろしの映像作品中心に、自らの身体を用いて悪戯的に社会規範を揺さぶる遠藤麻衣の現在地を紹介する。


屋上は、見晴らしのよい開かれた場所であると同時に、行き詰まりという意味では閉ざされているとも言える。解放的でありながら密室的でもあり、すなわちパブリックでありながらプライベートでもある空間という視座から、親密さや猥褻さの境界を探る作品を発表。「蛇に似る」シリーズの《たまご丸》(2020年)で韓国語話者の漫才師として登場した鄭亜美と再び共演。ドローンを用いた空撮では、屋上それ自体が額縁となって役者たちを風景から切りとり、展示空間をギャラリーから街全体へと敷衍する。


また、遠藤麻衣は、来年3月、国立西洋美術館の企画展「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」に参加。東京都現代美術館の「MOTアニュアル2016 キセイノセイキ」や、金沢21世紀美術館「フェミニズムズ」(2021年)への出展を経て、公共空間における女性の身体性について新たな問いが投げかけられるはず。それに至る過渡期にもあたる今回の個展は、美術館では見られない別の表現を見ることができる重要な機会となる。





名称:遠藤麻衣 個展「屋上のアクチュアル」
会期:2023年10月27日(金)- 11月12日(日)
会場:TAV GALLERY(東京都港区西麻布2-7-5 ハウス西麻布4F)[080-1231-1112]
時間:13:00 – 20:00
休廊:月、火
協力:鄭亜美、スカイベア株式会社
https://tavgallery.com/actualityontherooftop/

遠藤麻衣 Mai Endo

俳優・美術家。イメージとの関わりにおけるパフォーマティブな身体に関心を寄せ、映像、写真、演劇、本などのメディアや方法論を横断した表現をしている。近年は、美学校で「シャドーフェミニズムズの芸術実践」の開講や、丸山美佳との「Multiple Spirits(マルスピ)」でジン出版や展覧会企画などクィアフェミニスト的な実践を展開している。主な展覧会に「体の終わり La Clausura del Cuerpo」(Centro Cultural las Cigarreras、Alicante、2022) 「燃ゆる想いに身を焼きながら」(愛知県立芸術大学サテライトギャラリー SA・KURA、愛知、2021)、「フェミニズムズ」(金沢21世紀美術館、石川、2021)、「ルール?」(2021年、21_21 DESIGN SIGHT)など。2023年に「Scraps of Defending Reanimated Marilyn」(oarpress)刊行。2021年東京芸術大学美術研究科博士後期課程修了。2022年文化庁新進芸術家海外研修制度でニューヨーク滞在。

Web : https://maiendo.net/



鄭亜美 Chong Ami

東京生まれ。2007年平田オリザ主宰劇団青年団入団。主な出演作に「革命日記」「冒険王」「ソウル市民1919」「東京ノート」等。近年は城山羊の会、カンパニーデラシネラ等の舞台に出演している。2022年主演映画「夜明けの夫婦」(山内ケンジ監督作品)が公開された。遠藤麻衣の作品《蛇に似る4:たまご丸》(2020)に、韓国語を話す漫才師として出演、韓国語の翻訳を行う。

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