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写真家・石川和人の個展「こんしゅうはぜんぺんで、らいしゅうはこうへんなんだよ、ばいばい」



EUKARYOTEでは8月2日(金)から8月25日(日)(※12日〜16日夏季休業)の会期にて、 写真家・石川和人による個展「こんしゅうはぜんぺんで、らいしゅうはこうへんなんだよ、ばいばいい」を開催する。




世の中は有り余る情報により、全てが記号化している。
記号化されたモノは私達に利便性をもたらしたが、意味を無くさせた。
そして私達自身をも記号化させた世界がリアリティをおびてきている。
つまりオリジナルの存在の意味や価値が見出し難くなっているのだと思う。
ジャン=ボードリヤールのシミュラークルのように、現実とは切り離されたハイパーリアルの世界が中心になりつつあるのではないか。 私はこの文脈を引用し、今回の展示では、オリジナルに依存する模造時期、大量生産による複製とコピー、そして現在のシミュレーションと現実の区別がつかなくなるハイパーリアル、の大きく3項目に分け、現在のもどかしさ、その先を知りたいとおもいつつも結果を知りたくないような気持ち、このままに展示をしたいと思う。
今は”ここ”にあるけど本当に”ここ”に意味があるのかもわからないし、今週も来週とも永遠にばいばいはしたくないから。





石川和人は、光の芸術と言われる写真そのものに対する愛着とその技法を用いながら、最早ハイパーリアルが現実となりつつある現在と向き合い制作している。
自身の評価を得るきっかけとなった作品シリーズ、「Humanity」では、大量の鮮やかなインク同士が混じり合い、偶発的に出現するイメージによって膨大な情報に晒された私たちを曖昧な表層として表現してきましたが、昨年行われた個展では、1枚の紙を様々な角度から光を取り入れトリミン グし撮影する新たな手法で取り組んだ「Matter of light」を発表した。
一見するとカラーフィールドペインティングを思わせる崇高な没入の魅力を湛えた「Matter of light 」の画面は、実態を伴わない被写体のイリュージョンを私たちに体験させるが、反面、デジタルの発色そのものに物質性を与えたような微かな触覚を帯びており、インターネット上に漂う情報や画像としての写真と、光を操り撮影からプリントやセレクトまでフィジカルを伴う行為としての写真、両極の可能性と石川のもどかしさを浮かび上がらせる。


EUKARYOTEで2回目の個展となる本展では3フロアを使い、1階ではタイトルの前編にあたる「 Matter of light」のシリーズ作品を展示し、2階は後編として2018年から自身の名を冠したブランドをスタートさせたファッションデザイナー・橋本祐樹とのコラボレーションによって生まれた作品を発表、3階では仮想と現実が曖昧となった現在をテーマに、デジタル画像を様々な物理的なメディウムに落とし込んだ作品と、その反対にプロジェクションやVRゴーグルを用いて物質感が取り払われた作品を体験させる実験的な空間となっている。




「こんしゅうはぜんぺんで、らいしゅうはこうへんなんだよ、ばいばい」
会期 : 2019年8月2日 (金) – 8月25日 (日)
※8月12日 – 16日は夏季休業
参加アーティスト:石川和人
会場 : EUKARYOTE (東京都渋谷区神宮前3-41-3) [東京メトロ銀座線 外苑前駅 出口徒歩10分]
時間 : 12:00 – 19:00
休廊 : 月曜日
http://eukaryote.jp/exhibition/kazuto_ishikawa_solo_ex_2019/

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