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ゲーミングイメージとセクシュアリティの可能世界を描く、現代美術家・町田太一の初個展「Normal Mutant Daily」が開催




町田太一は1992年生まれ、群馬県伊勢崎市出身。2017年に東北芸術工科大学美術家洋画コース卒業をした現代美術家。幼い頃の触覚的な記憶やプレイステーション初期などに触発されたゲーミングイメージを取り入れ、社会生活における理想的な循環・生活方法を様々なメディウムによって描き出す。本企画では、初個展「Normal Mutant Daily」と並行して、株式会社CORNER PRINTINGが運営するギャラリー KGにて、アーティストKazquiz(カズクイズ)と町田太一による二人展「KAZUKI & TAICHI」が同時開催。


町田太一は山形で過ごした時間を、全て自分を知るために使った、と話す。自分回帰のプロセスを辿った映像作品「massage (2015)」では、油粘土で作られた寝そべる当人の頭身像を、自身の身体を持って、マッサージで揉みほぐし、解体されるまでの過程を映し出す事によって、マスターベーションとは何なのか=自分自身の欲望とは何なのか、を付帯的に鑑賞者に訴えることに成功している。(また、彼は制作だけにとどまらず、新たなセクシャリティの可能性を追って、世界No.1の会員数を誇る違法ポルノサイトであるXvideosに当作品を投稿し、一般ユーザーからの反応を探る行為に及んだところ、アカウントを即時的に凍結されるなどの経験を持つ。) こうした経緯を経て、彼は幼い頃の触覚的な記憶を辿り、自分にしか無い風景を自覚した後に、ミュータント(社会生活における他者)との共存の方法を探るべく、様々な可能世界を描き始めた。


英国の映像監督であるクリス・カニンガムは少女の顔を奇形化したPlay Stationのプロモーション作品、機械を人体と捉えたプロモーション作品などを通して「CGは擬似現実を作り出すものではなく、リアリティとは何か、を問いかける手段の一つに過ぎない」といった事を、意図していたのでは無いかと考えられる。町田太一もまた、絵画や彫像がフィクションである事に自覚的であり、可能世界に描かれた無数のミュータントたちは、キャンバスの四辺が区切る窓から、複雑化した社会構造に耐える私たちにそっと、緩やかな生存が許可された可能世界への「プラグ」を指し示しているのかもしれない。

















開催概要
名称 : 町田太一 個展「Normal Mutant Daily」
会期 : 2019年8月16日 (金) – 9月1日 (日)
会場 : TAV GALLERY (東京都杉並区阿佐谷北1-31-2) [03-3330-6881]
時間 : 13:00 – 20:00
休廊 : 水曜、木曜
協力 : CORNER PRINTINNG KG

レセプションパーティ : 8月16日 (Fri) 18:00 – 20:00



名称 : Kazquiz / 町田太一「 KAZUKI & TAICHI」
会期 : 2019年8月17日 (土) – 9月1日 (日)
会場 : CORNER PRINTING KG (東京都中野区中野3-47-14)
時間 : 13:00 – 20:00
休廊 : 水曜
協力 : TAV GALLERY
web : https://www.kg-cornerprinting.com

レセプションパーティ : 8月17日 (Sat) 18:00 – 21:00

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