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アカデミー賞最多7部門を獲得した『ゼロ・グラビティ』。その栄光の裏に隠された秘話を、主演のサンドラ・ブロックとアルフォンソ・キュアロン監督が語る。

GRAVITY

現地時間3月2日、第86回アカデミー賞授賞式が行われ、最多10部門でノミネートされていたサンドラ・ブロック主演のSF映画『ゼロ・グラビティ』が、最多7部門の受賞を獲得した。世界中の映画ファンが歓喜した発表から約1ヶ月。未だ興奮覚めやらぬ中、早くも4月23日(水)にブルーレイ&DVDリリースが決定した。今一度『ゼロ・グラビティ』の魅力を振り返るべく、主演女優のサンドラ・ブロックと、アカデミー賞監督賞に輝いたアルフォンソ・キュアロン監督のインタビューを掲載する。まだ作品をご覧になられていない方はもちろん、すでに観賞済みの方もぜひご一読あれ。

「肉体面でも精神面でも、どんなものが要求されるかまったく分からなかった。だから音楽やダンスのバックグラウンドなど、子供の時から学んだすべてのことに頼る必要があったわ。」(サンドラ)

—まずは、この作品に出演した理由を教えてください。

サンドラ・ブロック(以下サンドラ):アルフォンソ・キュアロンが素晴らしい監督だから。一体どうやってこのストーリーを作ったのかしらと思ったわ。それ以来、脚本をもらうたびに『アルフォンソ・キュアロンがこれをやると思う?』と言うのが、わたしのジョークだった(笑)。この作品の話がきた時、私は子供との静かな生活を楽しんでいて、正直、仕事をしたいと思っていなかった。それに、彼はわたしが最も恐ろしいと思っていることをやってくれと言ったの。“飛ぶ”ということをね。でも、これは一生に一度のチャンスだからって出演することにしたの。


—あなたが演じた女性宇宙飛行士・ライアン・ストーン博士はどんな人物ですか?
サンドラ:ライアンは宇宙には行きたくなかったのだけど、仕事をするために仕方なくその任務に就いた女性。宇宙に行きたい人だったら、未知の世界に興味があると思うでしょうけれど、彼女はそういうものがない。
彼女は、地球では鎧を身につけて(孤立した)生活をしていたけれど、宇宙での孤立は全く違う。自分の家に一人でいれば、(ある程度のことは)コントロールできるでしょ? でも宇宙で孤立したら、コントロールできるものはまったくない。そのことが、彼女の不安や恐怖をさらに増幅させて、予想もしなかった多くのことにつながっていくことになったの。


—今回の役作りについて教えてください。
サンドラ:この映画については、肉体面でも精神面でも、どんなものが要求されるかまったく分からなかった。だから音楽やダンスのバックグラウンドなど、子供の時から学んだすべてのことに頼る必要があったわ。特に音楽をとても頼りにしたわ。アルフォンソからはたくさんの音…そうね、不吉な感じの音とか映画のスコアを渡されたの。「これがあなたの演技を手助けしてくれるかもしれない。ぼくは音楽的にこう考えているんだ。その音をプレーしてみて」って。
それから、大事なのは息づかい。息をするのは生きるため、そして、命を失うためでもある。息づかいをそのシーンにマッチさせるようにした。
撮影前にライアンについて、私が唯一知っていたことは、娘を失った経験を持つ人物ということ。私に考えられることは、女性的なものとか、母親らしいものとかをすべて排除することだった。だから私は自分の体から女性らしい曲線をなくして、マシンや道具として使う人物を想像したの。


アルフォンソ・キュアロン(以下アルフォンソ):むなしいね。でもそれは彼女が経験するジャーニーの一部なんだ。彼女が一人で宇宙にいる瞬間からスタートし、違うエネルギーを持ったジョージが登場する。そして彼がいなくなり、また一人になる。キャラクターの感情を表現の一部として描いたんだ。
そういえば、サンドラは、ワークアウトをよくしていたよね。

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