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『VXV』スペシャル対談:OKAMOTO’S×黒猫チェルシー(前編)

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——黒猫のみんなは、初めて聴いたときどんな印象でした?

「意外でした。ショウ君にはメールを送ったんですよね。黒猫もOKAMOTO’Sもやりそうでやってない絶妙なところで、お互いのやる曲として落とし込んでくれたんで、これは色んなアレンジできそうで楽しみやなって。ある程度シンプルなロックンロールでやっても勢いで楽しいだろうとは思いますけど、でもこういう、歌ものでメロディのいい曲をこの2バンドでやるというのはより楽しみになりましたね」

岡本「コラボの話がくる前にコウキに会った時、『最近、エアロスミスなんだよね』って言ってて、デモが来たときに『なるほどな』と(笑)」

——あー、わかっちゃったんだ(笑)。

コウキ「送ったやつはモロすぎだろ!ってくらいエアロによってたんです」

ショウ「デモって、作った側が『そのまんまじゃん』って思う濃度で、ようやく受け手側がなるほどねと理解できるくらいなんですよ。聴いた人には薄くなっちゃうからって相当濃く作ったら、さすがにやりすぎた。でもまぁ、おかげさまで伝わって(笑)」

レイジ「アレンジってすげえなって思いましたね。全然元を感じさせなくなった」

渡辺「2日間……なんか、きてたよね。ギュッとしてて、集中力がすごかった」

レイジ「レコーディングの時点でそのワンコーラスしかなかったから、そこからアレンジしていったんですよ。それがあんな風に化けたのは、やっぱり8人の力がスゲエと思って。この5曲の中で多分一番凝ったアレンジじゃないですか?」

ハマ「凝ってる。あと一番、一緒に作った感がすごい。さっきも言ったけど、基本は俺らが作ったもののうえに一緒にやっていくという感じだったから、この曲みたいに構成を変えたりという作業は他の曲ではほとんどしてないんですよ」

——黒猫とのアレンジはどうやって進めていったんですか?

ショウ「みんなで集まった打合せで、楽器もないのに『あのサビをさ』『今Aだから、ここでDの方までいって』ってたくさんアイデアをもらって」

渡辺「だから、もうこれはスタジオ入ってレコーディングの日にやっちゃった方が早いなってなりました」

ショウ「そう。黒猫からの、聴いてイメージが湧いてるよっていうアレンジへのアピールがあってすごく嬉しかったし、俺らは俺らでそのエアロっぽさをどう中和するなどを考えてたから、『これは絶対かみ合うな』と思いながらスタジオに入って」

コウキ「基本的には演奏を合わせながらつめていった感じですね。次はそこだけ変えようか、みたいな感じで。ギターもそうです」

ハマ「すごく覚えてるのは、がっちゃん(宮田岳)がシンセサイザーで、俺がベースで、ドラムツインで、口で言ってもしょうがないから実際現場でやろうって話をしたんですけど、ちょっと1回空気が悪くなったんですよ(笑)。ドラムが全然うまくいかなくて(笑)」

レイジ「絶対シンプルなビートがいいんだけど、せっかくのツインドラムだから結構色んなパターンを試したんですよ。でも結局はシンプルな同じビートを2人でやろうって話になりましたね」

ショウ「そのビートに凝ってた時は、少し空気が悪かった(笑)」

ハマ「『あ、大丈夫かな』という停滞した感じがあって。ドラムがガチャガチャガチャ~みたいな。でもそこで、長い付き合いということもあるし、誰がどう意識するでもなく自然と誰かしらが色んなところで引っ張っていって、1回うまくいかなくてもまた盛り返して、なんかドラムもいい感じだねって状態になってからはあっという間でした。アレンジをしていくモードになったというか、この8人の関係性だな、という進み方でしたね。多分各々のバンドだと1回ああいう空気になるとしばらく悪いままになると思う。俺らはわりとそうなんですよ。レコーディング中に出てくるヤな空気あるじゃない? デモを超えない感じというか。デモの良さがいざ録る時に出ない感じ」

渡辺「うん、とてもよくわかる」

ハマ「大丈夫かなぁと思ったんだけど、それを本当にちょっとの時間で解決して、ちゃんとできていった。その『8人でやってるからいけそう』という瞬間があったのは、すごく印象に残ってて」

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