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赤い公園『猛烈リトミック』インタビュー 前編

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―ただ、実際にアルバムに収録されているシングル曲は3曲のみで、しかも『公園デビュー』を超える全15曲というヴォリューム。制作は難産だったのでは?

津野「いや、ぜんぜん大丈夫でした。まあ、収録曲が15曲っていうのも、ぜんぜんこんなはずじゃなかったんですけど(笑)」

―もっとコンパクトな予定だった?

津野「少なくて11、2曲あったらいいな、とは思ってました。で、いざ曲順を組み始めたら、『あ、でもこれここにあったらいいな』『これはここにあったらいいな』ってやってるうちに15曲になって。『あー、ストック曲がなくなるし、痛いなー』って思ったんですけど(笑)、ここはもう、一回全部出してしまおうと。ちょっと勇気を出してみて(笑)」

―頑張ってみたと。

津野「はい(笑)」

―そんな『猛烈リトミック』について話を伺う前に、少し『公園デビュー』の話を振り返って聞かせてください。『公園デビュー』について、今も満足している点、逆に、ここうまく伝えきることができなかったな、と思うところあったら教えてほしいんですけれど。

津野「“伝わらなかった”という以前に、伝えたいっていう気持ちが、完全に今よりもかけていたと思いますね。それに尽きるかな? 曲もぜんぜん悪くないし、演奏もぜんぜん悪くないし、歌もぜんぜん悪くないんだけれども。『公園デビュー』ってアルバムは、“知ってるようで知らなかった”私たちじゃないと作れなかったアルバムで、30歳40歳になって、いろんな音楽をやっていって、いろんなものを見てきて、大人になっていったときに、きっとすっごい喉から手が出るほど作れたらいいなって思うアルバムだと思うんですね。でも、そういうアルバムを次も作るっていうのは、ちょっと野暮だなと。なので、今回このアルバムを作ったんですけど」

―言い方はアレですけど、前回の『公園デビュー』では、まず自分たちが満足することが大事だった?

津野「うーん、なんですかねえ。こう、スレスレで作っていた部分はありますね。むしろ、スレスレで破たんしているのかもしれない。うん、すごくいびつな可愛さというか……かな?と思います」

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