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THE NOVEMBERS『Rhapsody in beaty』小林祐介インタビュー前編

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——しかも影響はマイブラに限らずで。

小林「元々はアルバムとしてエレクトロ・シューゲイザー、ノイズみたいのを作れたらいいなと思ってたんですけど、でもBorisと浅井健一氏(笑)、その2組とやったことで、ホントにわかりやすく『ロックっていいな』ってなって(笑)。僕、ロックってかっこいいなっていうセリフを全然言ってこなかった人生で。ぶっちゃけロックがどうとかあんまり考えてこなかったんですけど、ロックってものは映画みたいだなとか、漫画みたいだなとか、僕の胸をすごくドキドキさせるなとか、そういう感覚で、『ロックアルバムを作ろう』っていうものと、その”圧倒的に美しくて衝撃的なノイズ”みたいなものがどんどん結びついていって、今作になったっていう感じですね」

—小林さんてすごくロジカルじゃないですか。だけど、ロジックを実際の音作りに使った感じがします。この”救世なき巣”なんて最たるもので。

小林「そうですね。実験と検証を踏まえてっていうところでいうと、確かに何でもいいからバーン!ってやって、『それがロックだ』というより、思い描いてるものを、そういうものを作りだすためにどうやるのか?とか、逆にまたどうやったらそういうものが自分の想像を越えていくのか?とかっていうのは確かにロジカルなもので作っていきましたね」

——そのロジックが高度だから実際の音像は理屈っぽく聴こえないというか。

小林「ああ、そうかもしれない。実際に歌詞とかもいい意味で適当なんで、今回。あんまり意味とか価値みたいなものがしがらみにならないような温度感というか。すごく一筆書きみたいな歌詞もあるし。これを作ってみて思ったのは、意識的な部分もあるし、無意識的なものもあるけど、過去の僕っていうのは、すごくいろんなしがらみがあって、それを楽しんだり疎んだりしていたとしたら、今回はしがらみを取り払うっていう行為自体を楽しもうとか、もっと無邪気に踊りたいみたいな、そういうのがありましたね」

——以前は影響を素直に出せない感じだったんですか?

小林「矛盾とかどうしようもないことから逃れられないんだったらせめて楽しむしかないよなっていう、ちょっとした諦観とか。逆にそういうものから何を選ぶのかとか、そういうことをテーマにしてたってことですかね。逆に今回はそれに付き合うのもバカバカしいっていう態度とか、それをしがらみだと思い込む時点で、なんかスタート地点ずれてるんじゃないのか?とかいう思いがありましたね」

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