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tofubeats『STAKEHOLDER』インタビュー

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J-POPクリエイター/ポップ・メイカーとしての側面を強く形にした、森高千里を迎えた“ Don’t Stop The Music”や、藤井隆を迎えた“ディスコの神様”を、メジャー進出以降、EPとして形にしてきたtofubeats。その結実を昨年10月リリースのアルバム「First Album」として作品にした訳だが、そこから次のステップとなる3rd EP「STAKEHOLDER」は、そういった一連の動きで培われたポップ・メイカーの才に加えて、彼自身のエゴとも言える部分をクリエイションの中心にした作品となって完成した。

 ある意味では、分かりやすいサービス精神のような部分は、これまでのメジャー作品よりは、やや弱まっているかも知れない。しかし、今作の中で明らかになる、彼の現在進行形であるサウンドの視点や立ち位置は、これからのtofubeats作品の指針になるような部分を様々な部分ではらみ、「この先への視点」と「彼の進化」を作品を通して明らかにした作品と言えるだろう。

 上記のような意味での、彼のエゴや内面も投影したのかと思わされる“STAKEHOLDER”のMVや、洒落てはいるがどこか胸の奥がざわつくようなジャケット写真への意図も含めて、今作への思いを伺った。

 

 

——2013年11月のメジャー進出以降は、2枚のEP、アルバムとリミックス・アルバムを一枚ずつ、シングル“Come On Honey! feat.新井ひとみ(東京女子流) ”のリリースと、アクティヴなリリースを展開されて。

tofubeats「我ながら多作やなあと思いますね。でも、その中でも、今回は今までよりも肩の力が抜いて作れたと思いますね。イベントとかも抑えて制作したのは、今までのキャリアでも初めてぐらいだったんで。それが良い感じに作品に反映してくれたかなって」

——昨年は自身のリリースに加えて、森高千里とのコラボ作「森高豆腐」のリリースなど、かなり押せ押せな感じだったと思うんだけど。

tofubeats「やっぱりプレッシャーもあったし、『頑張らなきゃ!』って気持ちで自分を追い込んでる部分もあって。それもあってか、去年の年末にちょっとガタが来ちゃって、少しペース配分は考えた方がいいかなと思ってた時に、レーベルからも『次は単純に好きな事だけやった作品を作ろうか』って言ってもらって。そういうタイミングで出来たのが、今回の作品かなって。だから、頑張らなきゃ!じゃなくて、頑張りますか、ってテンションで作れたんですよね」

——そのせいか、今作は全体のトーンとして、tofuくんがインディやフリー・ダウンロードでやっていた事の延長線上にあるっていう感触があって。

tofubeats「メジャーではこういった部分を形にしてこなかったから、自分としてもエゴの部分を出したって感じでもありますね。右か左かで言ったら、左の部分を出したというか」

——保守性の逆の、革新性のような部分という意味?

tofubeats「『お約束の逆』をやろうって感じでしたね。だから、ポップ・ミュージックなんだけど、ヴォーカルのバランスをもうちょっと抑えめにしたり。今回は基本的に僕が歌ってるんで、例えば藤井さんとか森高さんと一緒に作るように、ヴォーカルを前に出すんじゃなくて、もっと引っ込めたり切り刻んだり、雑に使っていいかなって。僕の歌なんて、っていう(笑)」

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