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60年代後半~80年代前半の森山大道のカラー作品による展覧会が開催

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12月15日より、アートスペースAMにて、60年代後半から80年代前半にかけて撮影された、森山大道のカラー作品による展覧会が開催される。
当時、森山の撮影の大半はモノクロームフィルムに占められていたが、グラフ雑誌の依頼に応じるなど、路上でのスナップショットをコンパクトカメラにカラーのリバーサルフィルムで撮影する機会もしばしばあり、1年間ほど連載していた『週刊プレイボーイ』の依頼によるヌード写真(70-71)、海外出張の渡航費用を捻出するために引き受けた団鬼六(作家・故人)とともに制作した『蜉蝣』のための緊縛写真等も、この時代のものだ。
「モノクロームは、プリントで操作をしたり粒子を荒らしたりできるが、カラーではできないし、考えていないんです。カラーでは、ニッポンの東京の俗っぽい場所や生々しい色を撮っている。単純にいうと、モノクロームには、印象性、象徴性、抽象性があるけれど、カラーには、ポップでクリアーでジャンク、いい意味でペラペラな感じがあるね。より心情的なモノクローム、より通俗的なカラー。自分の中にも両方があるわけだから、どちらも自分。分けることはできないんだよ」
「現在は、ストリートスナップはほとんどデジタルカメラを使っているのですが、当時も今も、相変わらず同じものに興味がわき、視線が向かうんです。視界がとらえようとする欲望の対象が、まったく変わらない。車や建物、時代や風景がどんなに変わったとしても、街には必ず人がいる。人と街との混沌とした関係は変わっていないんですよ。実にリアルで面白い。カメラを持って街に出れば、そのときの僕の体内のセンサーのありようで、いろいろなものを撮るわけだけれど、どの時代にも、街には、コメディやエレジーやドラマ…すべてが包括されている。街は、ステージでありミュージアムでありスタジアムであり、興味がつきないね」と、語るのは作者の森山大道。
ひとたび、ファインダーに飲み込まれた対象は、森山の視界と擦過することによって等価となり、多くの人々をひきつける不滅の魅惑を湛えている。また、当時のカラー作品が、このボリュームで一同に介するのは、今回が初となる。
森山大道写真展 DAIDO IN COLOR
展示作品:8×10インチサイズ(六つ切り)にプリントされたカラー作品150点
60年代後半より80年代前半にかけて、リバーサルフィルムにより撮影された。
会期:2015年12月15日~2016年1月30日 13:00~19:00 (月曜・火曜休み)
会場:アートスペースAM
(〒150-0001東京都渋谷区神宮前6-33-14 神宮ハイツ301 電話:03-5778-3913 e-mail:contact@am-project.jp URL: www.am-project.jp
作品集:森山大道作品集『DAIDO IN COLOR』
(イタリア・SKIRA社刊)
480ページ H312 x W210mm
図版258点
編集:フィリッポ・マジア、本尾久子

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