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Somewhere Beyond〜世界へ羽ばたくクリエイティヴ〜メイクアップアーティストAyami Nishimura インタビュー

Takay:MarieClaire:Beauty:Oct15'1

US Marie Claire / Takay

――Ayamiさんのお仕事は幅広いですが、日本ではランキンが撮影した『Ayami Nishimura』でのサイバーなメイクが話題でしたよね。

Ayami「それも『DAZED』からの流れですね。『DAZED』で4ページもらえたからマリアーナと一緒にビューティのヴィジュアルを作ったんです。ペインティングみたいなメイクをやったんですが、ランキンがオフィスで見本を見て、『このメイク面白いね。メイクをやった子を呼んで』って。それが初めての出会い。彼もビューティをやろうと思ってるということで、一緒にやろうということになったんです。私は仕事じゃなくても、空いてる日があったらテストシュートみたいな感じでほとんど毎日ビューティの撮影をしていたんです。それを2年ほど一緒にやりながら本を出しました」

――あのブックは、Ayamiさんが主導でアイデアを出したんですか?

Ayami「仕事によりけりですが、ブックは100パーセント私です。ランキンは自分もアイデアを出してやろうと思ってたんでしょうけど、私は毎回絶対に『明日はこういうことをやりたい』というものを送ってたんです。頭の中でアイデアがラインナップしてたから、それ全部ダウンロードして空にしようと思ってて。今までやりたかったんだけどやれなかったり、機会があったら実現したいものが溜まってたから、聞かれた時に50メイクくらいアイデアがあってそれを全部やろうと思って。アイデアにはまったく困らなかったですね。最初の頃はやってみたら全く違うことになってボツにしたものもあります。でも向こうも忙しいし、私も忙しかったし、実際に撮れた時にボツにしてたら進まないから、これじゃ駄目だと思って、アシスタントに家に来てもらってテストして、プロセスも全部書いて、プロダクトも決めて。半日撮影字間をもらえたら、3つも4つも撮るようにしてストックしていきました。撮影に2年かかってるけど、まとめて撮ってるから実際は15日くらいかな」

――あの本ではボディメイクも印象的でした。

Ayami「アイデアは沢山あるんですけど、ボディメイクは難しいからやりだしてからいつも後悔するんですよね(笑)。完成すると達成感がすごいんですが、時間がかかるし、顔はほぼ平面だけどボディは立体的だからやっていくうちに立体に合わせるのがすごく難しくなってくる。しかもフォトグラファーがモデルを動かすと、絶対に空いてるところが出てきて、その場でメイクすることになったりして。やってることはテキスタイルデザインに近いなって思います。そういうのでアイデアが出ることが多い。本の一番最後に唇のヴィジュアルがあるんですけど、それはパリで何年か前にYSLのエキシヴィジョンがあって、そこに唇の柄のワンピースがあったんですね。こういうのをメイクで裸のボディにやったら面白いんじゃないかなと思って。あのヴィジュアルは家で唇のシールみたいなものを沢山作って貼ってるんです(笑)」

――なるほど。Ayamiさんはどんなところからインスピレーション受けてるんですか?

Ayami「色の綺麗なものが好きだから、日本だったら歌舞伎や着物。春画も好きです。日本にしかないし、ああいうエロチックなものは好きです。あとは和菓子とも綺麗。なんでも、どこからでもアイデアは浮かびます。いいなと思ったらとりあえず写真を撮って集めてます。最初の頃は、セントマーチンの図書館に毎日のように行ってました。あそこには『VOGUE』なんかが一番最初の方から全部あるんですよね。全部見ましたよ。フォトコピーをひたすら取って。それは今も家に綺麗に入れてます。そのフォトコピー集が20冊くらいあるんです。他にも写真集やペインティングもたくさんあって、ピカソもフランシス・ベーコンも色々見て。あと、動物の写真。動物の柄にも影響を受けていて、そういうものも集めてました。鳥もそう。綺麗だし、よく見るとメイクに使えるアイデアがいっぱいあるんですよね。お花もすぐトランスフォーム出来るじゃないですか。なんでも、いろんなところからアイデアを得てました。フォトコピー取ったり、記録に残して、必要な時はいつも見てます。本もしょっちゅう買うから、引越しの時大変なにんです(笑)」

――じゃあその当時のフォトコピーも全部持ってるんですね。

Ayami「全部あります」

――わあ、いい話ですね。では、現場で求められるものプラス、そのストックなどから得たアイデアで毎回勝負している。

Ayami「そうですね。朝、洋服を見ながら話し合ってメイクを決めるじゃないですか。そこで言われたことだけじゃなくて、何かこっちからも提案して、ちょっとでも自分らしいことが出来ればと思ってます。もちろん押しつけはしませんけど。そういう時は、なんとなく一番最初に浮かんできたイメージをやるのがいい気がします。勘というか。自分が今までやってきたことと、そういうリサーチを常にずっとやっているところから来てるインスピレーションだから」

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