若杉「しかもロンドンで買った超特大の指輪のヘッドが、転んで飛んじゃって。夕方5時以降の撮影だったじゃない？ 神社じゃないけど、神懸ってる場所だったから、お塩とかお酒とかお邪魔しますの気持ちが足りなかったなって。だから指輪もなんか、交換に差し上げたって気持ちがすごくあって。僕はそういう感覚で常に生きてるので。でもそれもみんなのチームワークとかがあったから、色んな奇跡のショットも撮れた。奇跡のスタイリングとかね（笑）」
立山「ははは」
若杉「っていう、オーバーだけど、普通に考えたら結構ひどい環境でやったと思う（笑）。ファミレスでメイク半分して、着物のスタイリングとかもそこでして」
幸染「そうそう」
若杉「ファミレスのお客さんもドン引き。『妖怪!?』みたいな（笑）。打ち上げもファミレスでね、白塗りで2人で入っていって（笑）」
幸染「（笑）。あんまり外で獅子を振る機会がなかったので、ただでさえ結構大変なのに足元が岩場で、しかも陽がどんどん落ちてきて……」
若杉「暗かったよね～、もう『火曜サスペンス』状態（笑）。でも出来上がった写真は魔法がかかってました」
幸染「すごい迫力でした」
若杉「ちょっと時空を超えてたよね」
松橋「毎回すごく不思議な感じになるんです。それこそ時空を超える感覚で、普通のモデル撮影とは全く違うエネルギーになる。みんなパワーも引力もすごく強いから、こっちも本気でやらないとわけわかんなくなる時があるんです」
明田「撮影終わった時の疲労感は、独特のものがありますよね。ただひたすら重労働した時の疲労感とは全然違う」
松橋「妖怪を扱わなきゃいけないからね（笑）」
明田「やっぱり、何かで自分を表現している人たちを撮るってそういうことなんだろうなって思いますけどね」
ー2回目の時の衣装は？
立山「ありもので組み立てました。獅子に関しては和洋折衷にしたいと思って、洋服で獅子の迫力が出るものを袴とかを使いつつ。毎回テーマがあって。初回が龍で、その時は人間じゃない……もの（笑）」
松橋「女の子の振りしてるけど龍で、それが獅子に変身したんだっけ？」
幸染「そういうテーマ」
松橋「MAAYAと再会して戦う、みたいな」
明田「あの時は、エネルギーとかパワーとか、力強さとかの表現で」
松橋「それも破壊のほうだった。平和愛博愛、ピースとかじゃなくて」
明田「うん」
松橋「なんかね、幸染ちゃんにメイクしてると、人間じゃないんだけど人間に憧れてて、ちょっと悪さをするような、いたずらっぽい妖怪って感じがしてて。ちょっとだけ物悲しげな感じがすごいする、いつも」
幸染「んー……、でもそんな感じかも」
