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藤原ヒロシ × 宮本彩菜『Nothing Much Better To Do』対談インタビュー

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——ピアノを習ったりしたことは?

宮本「小さいころちょっと習ってましたね。お母さんの姉がピアノの先生で、家に来てくれて教えてくれたんですけど。でも、私は楽譜を読まずに曲を聴いたまま覚えるタイプだったんですよ。だから習ってたという感じではなかったですね(笑)」

藤原「僕もコードはわかりますけど、音符は読めないし、知識を持たないことがいいと思ってる。子どものころ親に無理やりエレクトーン教室に通わされていたんですけど」

——エレクトーンは経験値として大きいですよね。

藤原「そうですね。そんなに長く通ってなかったですけど。エレクトーンって、どちらかと言うとコード感が養われるんですよね。それがよかったのかなとは思います。結局、さっきの話にもあったけど、その歳や時代にしか作れないものはそのとき作ったほうがいいんですよね。たとえ数年後に聴いたときに恥ずかしくてもね。この前もある人とある企画をまたやろうって曲を作りだしたんですけど、やっぱり昔みたいな音には全然ならないんですよ。今は音がざらついていたり、強引にサンプリングしちゃうような発想がなくて。ずっと音楽をやってきて、どこかで洗練され、耳も肥えていって、得るものもあったけど失くしたものもやっぱりあるなと。あのざらついた感じってあのときだけのものだったんだなって思いましたね」

宮本「なるほど。おもしろいですね」

——藤原さんは若くしてロンドンに渡ったり、海外経験から得たものも大きいと思うんですけど。

藤原「うん、大きかったですね。海外には若いころから行ってよかったなと思います。宮本さんはずっと日本ですか?」

宮本「はい」

藤原「純日本人なんですか?」

宮本「父親が韓国人です」

藤原「海外に対する興味は?」

宮本「めちゃくちゃあります! 小学生のころからずっとあって。なんで行かなかったんだろう……。まだニューヨークやパリとか5都市くらいしか行ったことがないんですよ」

藤原「だったら来週あたりに行ったほうがいいですよ」

宮本「来週ですか(笑)。海外に行って何がほしいかというと、人としてのタフさというか。もちろん、現地のカルチャーへの興味もありますけど、それはどこに行っても吸収できる気がするんですよね」

藤原「何年間じゃなくて、1ヶ月くらいでもいいかもしれない。留学とかじゃなくて、海外に住んでる友だちの家に居候するとかね」

——藤原さんはロンドンに行って、いきなり現地のコミュニティに入っていったんですか? たとえばヴィヴィアン・ウエストウッドとの出会いだったり。

藤原「そうですね。わりとすぐにコミュニティに入れましたね。たぶん当時は珍しかったと思うんですよね、日本から来た18歳の男の子自体が。背の低い日本人の男の子がパンクっぽい格好してるというだけでおもしろがってくれたんです。当時はインターネットもないし、事前情報もあまりない状況で現地に行ってみて初めて見るものや聴くものすごくたくさんあって。もう、毎日が楽しくてしょうがなかった。それは田舎から東京に出てきたときもそうでしたね」

宮本「ご出身は三重県ですよね?」

藤原「そうです」

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