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門脇 麦+菅田将暉『二重生活』インタビュー

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——菅田さんもおっしゃっていましたが、岸さんの現場はカットをかけず回すなど独特だとうかがっています。実際に体験していかがでしたか?

菅田「本当に早いんです。メイク時間のほうが長かったりします(笑)。ありのままに体験したことをお話しますと、メイクを終えて衣装を着て現場に行ったら、卓也の机がある、珠の机がある。生活空間の説明というか、家賃がいくらなどの話と内見のようなことがあって。『回します、用意スタート』。20分後に『はい、オッケー』。これ、すごいですよね。カメラの画角が全く分からないですし、そんなところを気にしなくていいよと。カメラマンと演者にしかわからない距離みたいなものがあるんですけど、それが独特で、僕はすごく楽しかったです」

門脇「私もすごく居心地が良かったです。フレームを気にしないというのは常に目指しているところでもあるので。私は演技することにすごく恥ずかしさがあって、そこから逃れるために何をするかというのが普段の課題なんです。現場によってはこのやり方は通用しないので、いつも自分が言葉には出来ないけど目指しているものが、この現場にはベースとしてあったのが嬉しかったですね」

——今回は特殊な撮り方というのもあり、お二人が演じている恋人同士がすごく自然に見えました。食事や濡れ場という日常がちゃんと描かれてるのがすごくリアルだなと。リアリティを出す工夫というか、どんなやりとりでコラボレーションされたんですか?

門脇「特に芝居をああしようこうしようという会話をした覚えはないんですが、さっきの話にもありましたけど、『ここからここまでの画角で撮るのでここからここまでがこの世界です』というのではなく、『この家すべてで生活してください』ということだったので、演技だけではない、空気を映す撮り方もリアリティを出すうえで大きかったんじゃないかなとは思います。特になにかを頑張った記憶がないですね。無理も、違和感もなかった」

菅田「考えたら不思議なことだよね。テストなく濡れ場もやってるわけだし」

門脇「そうだね。でも何も思わないというか、ナチュラルでした」

菅田「普通の感覚で言えばありえないことが起きてるんですけど、あの空間だとキスしようとセックスしようと違和感がない」

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