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OKAMOTO’Sのアドレス帳 Vol.14 杏子 × ハマ・オカモト

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——バンドのメンバー同士というよりプロデューサーと歌い手のような関係性だったんですね。

杏子「そうそう。イマサは衣装のチェックとかも厳しくて。私はバンドに入る前はOLをやっていたし、当初はプロ意識も希薄だったんですよ。イマサはよく私のことを『バービーのころからお姫様でさ』って言うけど、それはプロデューサー的なサービストークというか。実際は全然そんなことなくて」

ハマ「それは全然知らなかったです。再結成は2008年ですよね。その時点ではメンバー間の関係性はフラットなんだと勝手に思っていました」

杏子「再結成後も唯一、ステージ上だけがやり逃げできる場所だった(笑)」

ハマ「やり逃げ(笑)」

杏子「再結成をしてからライブ後に初めてメンバーみんなとハグをしたのね。昔は『お疲れ!』って言うくらいで。私はライブが終わるとすぐに楽屋に戻っちゃうし、打ち上げもワイワイやる感じじゃなかったから。でも、再結成ツアーを大阪でやったときの終演後にKONTAがいきなりハグをしてきて。私はそこで『えっ!』ってビックリしちゃって。そのあと男子メンバーの楽屋に行ったらみんなでハグしていて。『なんだ、この光景は!?』って驚いたなあ(笑)」

——KONTAさんとのコンビネーションにおいてもずっと緊張感があったんですか?

杏子「KONTAは私より2週間お誕生日の早いお兄ちゃんみたいな存在で。プロモーションもよく2人で動いているなかで、いつも何気なく私をフォローしてくれていた。性格は江戸っ子気質なところがあって。でも、ステージ上では目を合わせなかった。目が合ったのは2回だけですね。パフォーマンスでもKONTAが右に行ったら、私は左に行くみたいな。2人ともお客さんのほうに向かって歌っているから、お客さんの中では世界観が完成されているんだけど、私とKONTAの絡みは一切なくて。でも、彼は音楽的な基礎もしっかりしているし、歌も上手いし、サックスも吹けちゃうから、どこかで彼にコンプレックスを感じていたところもありましたね」

ハマ「なるほど。そういう関係性も含めて、まさに唯一無二のバンドだと思いますね。過去のエピソードを聞いてもものすごく仲がよかったという感じがしないのが逆にファンとしてはうれしいというか。いちファンであってもこうしてお仕事をご一緒したら、もうその人のことは呼び捨てにできないんですよ。ファンって実際に会う前は呼び捨てにしがちじゃないですか。学生時代は『(奥田)民生』って呼んでいたけど、今やもちろん民生さんと呼んでいますし、杏子さんだし、イマサさんなんですよ。でも、バンドとしての憧れが強すぎて普通に『イマサ、カッコいいな!』と言いそうになるときがあって(笑)」

——当然のように海外のアーティストを呼び捨てにしてる感じに近いのかもね(笑)。

ハマ「そうです。まだENRIQUEさんとKONTAさんにはお会い出来ていませんが、BARBEE BOYSはその感覚が唯一抜けない日本のバンドなんです。先日もイマサさんプロデュースの杏子さんのニューシングル(「イカサマ美男子 feat.リンダ」)のレコーディングにレイジと参加させてもらいまして。イマサさんとスタジオでやり取りしているときもトークバックで『OKっす!』と答えているのですが、冷静に考えると『今僕にディレクションしてるのっていまみちともたかなんだよな』と思ったときに『OKですじゃねえわ!』と思ったり(笑)。その感覚はもちろん杏子さんに対してもあるんですけど」

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