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text by Yu Onoda
photo edit by Ryoko Kuwahara
photo by Akihito Igarashi(TRON)

DIGITALISM 『Mirage』Interview

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昨年、6年ぶりのアルバム『Mirage』をリリースしたドイツ・ハンブルクのエレクトロニックミュージック・デュオ、DIGITALISM。決まり事や特定のスタイルから積極的にはみ出していく彼らのクリエイティヴィティは、2017年以降もスリリングな活動でリスナーを楽しませてくれるはずだ。



――前作『I Love You Dude』からの6年。その間、EDMが加熱し、沈静化する大きな流れがありましたが、ダンスミュージックに馴染みが薄いロック、ポップス・リスナーにアピールしたEDMの源流にはDIGITALISMの音楽があるとも言われていますよね。


イェンス「確かに僕たちが活動を始めた最初の頃は、ロック、ポップス好きからテクノ好きまで、幅広いリスナーを巻き込んで、楽しいひとときを過ごさせてもらったよ。そして、その後、起こったEDMの盛り上がりは、DIGITALISMの活動が刺激を与えた部分もあったかもしれないけど、僕たちの作品と比べると、もうちょっと商業的な展開だったんじゃない? ただ、EDMが盛り上がった結果として、エレクトロニック・ミュージックに馴染みがなかった新たな世代がカルヴィン・ハリス辺りからさかのぼって、僕らの音楽に触れる、今までとは違った流れが生まれたことも間違いないとは思う」


――EDMが沈静化するなか、DIGITALISMはどんな作品を作るのか? 昨年リリースされたアルバム『Mirage』は、アンビエントの要素が織り込まれたタイトル曲「Mirage」や「Indigo Skies」を含め、よりディープな方向性に向かいました。


イェンス「当時、僕はロンドンとハンブルクを行ったり来たりの日々を送りながら、シングルやEPをリリースしつつも、ツアーで忙殺されて、アルバム制作を忘れかけていたんだ(笑)。そして、一昨年、ようやく制作に取りかかったんだけど、制作を始めた時点では全くプランがなかったし、締め切りも設けず、手探りで制作に取り組んだんだ」


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