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text by Meisa Fujishiro

藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」#41 ウォーキング 

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とはいってもただ黙々と歩くのではなくて、姿勢を整えることを忘れてはならない。正しく美しい姿勢というのは対外的なポーズではなくて、正しい位置を作ることで、身体に本来の健康的な状態へとリセットさせる道筋を作ることだ。いくら沢山歩いていても、それが悪い姿勢であったら、身体がそれをデフォルトとして記憶させてしまう。猫背で歩く人はそれと気づかずに猫背であるということだ。それが固定化される前に、常にチェックする必要がある。


 正しい姿勢などは、出かける前に家の鏡でチェックするのもいいし、街中でビルの窓に映った自分を見て正すこともできる。常に正しい美しい視線にこだわることが大切だ。
 腕はしっかりと左右対称に振りたいところだが、片手にバッグでは難しいだろう。だが、心の中で手をしっかりと振っているイメージで歩けば、案外それに近いことになる。通勤や帰宅中に、心地よく歩ける5分、10分があれば、脂肪を燃焼するためには最低20分は必要とされるとしても、ウォーキングの基礎作りには十分だ。また脂肪燃焼という目的をはずせば、爽快に歩くことで自分が若々しく前向きになれることだけでも素晴らしく感じられるだろう。自分の体とのフィット感というのは、忘れられがちで、言葉は悪いが、生首状態で生活していることが多い。いつも首から上だけで生きていて、下との一体感を失なっている。下への意識が薄れると、体が生きていることを忘れてしまうのだ。放っておくと畑が荒れてしまうのと一緒で、気をかけてあげた分だけ潤う。余談になるが、これは人間関係にも言えるだろう。


 心身との一体感というのは、基本なだけに忘れないようなきっかけとしての歩行という点からも価値がある。
 普段の歩行のクオリティを上げ、休日などに出かけるときはリュックなどで両手の振って歩き、その先にウォーキングを日課にしてみるというが、スムースな取り入れ方だろう。
 姿勢よく歩くことで、見えている世界の姿勢がピンと整う楽しさをぜひ味わっていただきたい。


※『藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」』は、新月の日に更新されます。
「#42」は2017年5月26日(金)アップ予定。

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