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text by Meisa Fujishiro

藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」#41 ウォーキング 

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 歩いています、と答えることが最近増えた。何か運動をしていますか? という問いに対して。歩くことは果たして運動なのだろうか、という表情を質問者は浮かべながら次の言葉をうまく出せずにいることが多い。
 ウォーキングと言えばなんとなくジョギングの次にくる運動に聞こえるが、散歩と言えば、お父さんのイメージが浮かんで運動からは遠のく。実際のウォーキングは運動を念頭においた早歩きであり、散歩は時々立ち止まって花を見たり、通りすがりの知人と話し込んだり、写真撮影も含むから、やはり違うものだ。
 僕の「歩いてます」は基本的にウォーキングなのだが、時々スマホで写真も撮ったりするから、「ウォーキン歩」なのだろう。それでもちゃんと汗をかくので、ウォーキングの恩恵はしっかりと受け取っていると思う。
 フルマラソンを二回走ったこともあるので、その準備であるジョギングやランニングも一時は趣味のように親しんでいた。風を切って風景を抜けていく爽快感、身ひとつで何処へでも走っていけるという自信は、僕をポジティブにしてくれたし、今でも時々は走っている。
 だが身体に負荷の大きいハードな運動を続けるアスリートたちは寿命が短くなるということを聞き、そこを心配する程の運動をしていないにも関わらず、中年以降は弱火な運動がいいのではと思うに至った。
 ネズミでも犬でも象でも、そして人間でも生涯の心拍数は同じくらいだという説を聞いたことがある。短命な種は鼓動が早く、長命では遅いそうだ。ならば、ジョギングなどのやり過ぎは良くないのでは?という仮定のもと、もうすこし遅いウォーキングを試し始めたら、これが心地良くて続いているという次第。
 いろいろ調べてみると、ウォーキングは美容にも効果があるらしい。それを含む身体への効果としてはこういうことがあげられる。


・心肺機能の向上
・脳の活性化
・自律神経の調整
・脂肪燃焼
・血液をサラサラに
・免疫力向上
・こりの解消
・基礎代謝アップ
・ストレス解消
・発汗による皮脂分泌調整


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