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text by Ryoko Kuwahara

MAIKA LOUBTE × UMMMI. “SKYDIVER” Interview

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——マイカさんもその内外の視点は意識していますか?


マイカ「内面を掘るのは、作業工程的には歌詞を書くときかな。でも無意識でやってることが多いのかもしれない。もっと感覚的というか。無意識に貯まっている感情の水みたいなものがあって、その出口として音楽があって、そこを目指して吐きだしていくんだけど、音楽は人に届けたり、場所で鳴って初めて完成するものだからそこで客観視する部分はある」


UMMMI.「マイカちゃんにとって、作詞はどんな感じなんですか?」


マイカ「音に合う言葉を音楽が呼んでくるものという感じ」


UMMMI.「ああ、マイカちゃんの作品は音やリズムがすごく強くて、作詞や言葉もリズムとしてそこにあるという感じがするんです。音に合わせてるからだと思うけど、ダダイズムっぽい(ダダイズム=1910年代に怒った芸術思想・運動。偶然性や無行為性の中に芸術を見いだす)。でも歌詞をしっかり読むと、守られた場所にいるんだけど若干怯えてるティーンみたいですよね」


マイカ「そこまで考えてくれたんだ! ある意味正解で、最初は歌詞じゃない適当な言葉で歌うんですよ。それで聴こえてくる言葉を書いていって、ストーリーにしていくうちに、自分がこんなことを考えてたんだ、こんな言葉を聴きたかったんだとわかっていく。作詞にはいつも時間がかかるんだけど、“SKYDIVER”は求めるものがはっきりしてたから、2、3日で仕上げられて嬉しかった」


——歌詞もそうだし、メイキングブックの文章にもありましたが、今作からは「タフな戦う女の子像」がはっきり見えました。おふたりの戦いが見えた気がして感慨深かったです。


UMMMI.「あれは理想像なんです。私はまだ全然戦えてないかな」


マイカ「私もまだもがいてる感じ」


UMMMI.「マイカちゃんはタフに戦っていると思う。ライヴの歌ってる感じも顔の筋肉を思い切り使っててタフだもん(笑)」


マイカ「確かに(笑)。しかもMVでこんなに取り乱すミュージシャンはいないだろうと思う。世間ではスマートに転ぶことが良しとされているけど、我ながら女ジャック・ニコルソンみたいだった(笑)。UMMMI.ちゃんだからこそ新しい自分の一面が見えるものになりました」


UMMMI.「マイカちゃんが思い切りやってくれたから成立したんです。私が戦えないのは、映像は人や場所ありきだし、対象がないと何もできないから、とりあえず戦うのではなくて、状況をいったん全部受け入れるところがあるからかも。群れてる女子たちもガール・ギャングみたいで撮りたいし、一方ではぐれてる人も撮りたいという」


——UMMMI.さんの場合、映像はその意識かもしれないけど、ナレーションが入ることで独自の物語になっているし、その物語の純度を守るためには流されないでいる戦いが必要になってくるのかなと。


UMMMI.「映像は商業とリンクしやすいし、インスタやYouTubeでもこれだけ映像が溢れていたら作家性を保つのは大変ですよね。その意味では、純度を守るためには気合いが必要だなと思ってます」


マイカ「依頼されるのは光栄だけど、商業にはいろんな声がまとわりくつくからバランスが大変だよね。あのナレーションはUMMMI.ちゃんの声?」


UMMMI.「私の声が入ってるのと入ってないのがある。文学と映像の関係性をどうやったら成り立たせることができるのかと考えていて、それであのやり方をとっているんですけど、2つだけ自分がしゃべっていないものがあるんです。それらはよくも悪くも自分から離れているけど、しゃべっていると近すぎるからちょうど気持ちよいと思えるやり方を模索中です。私はものを作るときにこれでいいのかなっていつも怯えてて。作らないと自分の純度が保てないから作るけど、こんなの誰が気にしてくれるかなんてわからないし、ずっとモヤモヤしてるんです。だからマイカちゃんと話していて、自分で作った音楽に自分で感動するから音楽を作ることをやめられないという話は衝撃的だった。それってなんて素晴らしいんだって」


マイカ「どうしようもないやつみたい(笑)。映像は被写体があって対峙しながらだから広いけど、音楽なんて無で、対峙するといったら楽器か声、音くらい。だから脳内麻薬が出やすいんだと思う。いい映像ができたときは『できた!』って感じ? それとも『これだったら大丈夫』って感じ?」


UMMMI.「『これだったら大丈夫』ですね。でも画だけで見ると『夢みたいだ!』って興奮することもあります。こんな夢みたいな人がいて、夢みたいな場所がいて、こんな画を撮らせてくれて神様ありがとうってお祈りします」


マイカ「一緒だ(笑)。わかった、UMMMI.ちゃんの『これなら出せる』というのは、私だとプリミティブなところを通過して、ミックスしてリリースする段階。燃え上がってた自分をめっちゃ冷たい目で客観視しなきゃいけないときだ」


UMMMI.「そっか、同じですね。そういう夢のような画が撮れたとしても、私はいつも充たされてない感じというか、もっともっと、夢みたいな状況を作り上げて記録したいという願望があるんですけど、マイカちゃんは充たされたいと思いますか?」


マイカ「いつも充たされたいよ。だから終わらない。欲張りだから。充たされた瞬間がすごく幸せで、それは大事な気持ちだと思ってる。飢えがあって作って、充たされてーーーその瞬間を味わうのがやめられなくなっちゃったんだよなあ」


photos from 『SKYDIVER Making Book』(photography Takuroh Toyama, UMMMI. / book design UMMMI.)
portrait&inteview Ryoko Kuwahara


Maika Loubté
“SKYDIVER”

NOW ON SALE
https://itunes.apple.com/jp/album/skydiver-le-gong-single/id1205380844
https://play.spotify.com/album/6PqZx476uI1F3tginBVBZL?play=true&utm_source=open.spotify.com&utm_medium=open


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Maika Loubté
Maika Loubté was born in Japan, with French father and Japanese mother. She grew up in Tokyo, Paris and Hong Kong. Inspired by various electronic music. Through her experiences in these three cities, Maika started to write her songs when she was 14 years old, using analog synthesizers. She pursues her career in Tokyo as a singer songwriter and track maker, making all of her music in her private house studio. As her music is directed not only to domestic audience but also to the world, she draws attention from music lovers in Japan,Thailand,Australia,Canada,Taiwan,
and many other nations.
https://www.maikaloubte.com/


UMMMI.
Umi Ishihara is an artist and Film Director from Tokyo.
The major themes of her work centre around love, personal memories and society.
Her work adopts a mix of documentary and fiction, muddying the waters of believability.
Contact: ummmi.81@gmail.com
http://www.ummmi.net/

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