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text by Meisa Fujishiro
photo by Meisa Fujishiro

藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」#46 睡眠


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 だが、特に都市で働き、住む者にとって、夜というのは大きな楽しみの一つである。睡眠時間を惜しんでも、その楽しみを優先させたい時期や、日もあるだろう。また眠りたいのはやまやまだが、仕事が終わらずに(付き合いの食事会も含めて)睡眠不足ということもあるだろう。時間が足らないからこそ、睡眠の質がやはり大切になる。ショートスリーパーという言葉があるように、中には短時間睡眠の方が調子がいい人もいる。これには質が良いとう前提があると思う。


 では、質を高めるには、どうしたらよいか。常識的なことも含めて、おさらいしてみよう。
 まず、昼間に適度な日光を浴びること。これによって催眠効果のあるメラトニンのスムーズな分泌を促す。次に、冷え性の人は足湯など末端を温める。眠くなると足や手が温かくなるのは、そこから放熱して体を冷やして睡眠へと誘うためである。冷え性の人は、まず温めることから。次に、昼間に適度な運動、歩行を行うこと。それらは心を穏やかにするセロトニンを分泌してくれる。また、朝には日の光を浴びることも、体内時計をリセットしてくれるので、夜になれば自然に眠気を催させてくれる。リストラクティヴヨガもいいだろう。体を横たえて、足を壁につかせて上げるポーズは、血液とリンパ液を心臓に戻し、体全体の巡りを整えてくれ、すっきりとした気分で眠気を誘う。また眠る前のルーチンを作るのもいい。読書やストレッチ、音楽、アロマなど、自分に眠る合図を送るのだ。


 ざっと挙げてみたが、そんなに新鮮味はないかもしれない。ということは、改めて睡眠を大切し扱おうとする決心がつかないかもしれない。そこには新種の遊びめいた仕掛けがあるといいかもしれない。そういう意味では、無料アプリのSLEEP CYCLEは役に立ってくれるだろう。繰り返しになるが、自分の睡眠が手に取るように分かるのだから。それを起点にして、前夜の過ごし方の分析に繋がると思うし、自分だけのデータを基にあれこれ考えてみるのは、案外楽しいものだ。はじめは半信半疑で使い始めた自分も、今ではSLEEP CYCLEのタイマーをセットして目をつむる時が、翌日のスタートに思えるほど、楽しみになっている。Sleep Qualityが80%を超えた日は、心身軽やかに日中を送れるような気がしている。


 では、良い、睡眠を。おやすみなさい。
 

※『藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」』は、新月の日に更新されます。
「#47」は2017年10月20日(金)アップ予定。

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