NeoL

開く
text by Shinichiro "JET" Takagi
photo by Satomi Yamauchi

Interview with Ryohu+MARIA+OMSB about “Blur” Release Party

Neol_Ryohu_Maria_OMSB | Photography : Satomi Yamauchi


キャリア初となる全国流通盤「Blur」を10月にリリースしたRyohu(呂布)。いわゆるオーセンティンクなヒップホップ像とも近いサウンド性を提示するKANDYTOWNでの活動とは異なり、今作ではベーシストの河原太朗を共同制作に迎え、バンド・サウンドを肝にした広がりのある音の形を表現に込めながらも、そこにTRAPやハウスのエッセンスも加えた、多様性の高い音像がまず耳に残る。そこにRyohuの持つスタイリッシュなフロウ・センスと、掴みどころがないようでいて急にリスナーを驚かすような所々に棘のあるリリック、しかし人懐っこい声質のラップが、世界をしっかりとRyohuの色で彩っていく。
そのリリース・パーティとなる「Ryohu “Blur” Release Party」が12月8日に渋谷WWWで行われるが、そこに迎えられた対バンは、SIMI LAB。
同世代であり、旧知の仲である両者はどのように繋がり、どんな部分にシンパシーを憶え、なにが違うのか。Ryohuに加えて、SIMI LABからアルバム「Pieces」(この作品も傑作!)を完成させたばかりのMARIAと、SIMI LABの司令塔であるOMSBを迎え、ざっくばらんに語ってもらった。



——まずこの3人の最初の出会いから聞きたいと思うんだけど、それはどんなタイミングだったの?


OMSB「俺とRyohuはーーQNもそうですけどーーは、ドカット(WEEDCUT。BANKROLL/KANDYTOWNのメンバーであるYUSHI)経由で知り合ったんだよね」


Ryohu「YUSHIがOMSBやQNと繋がってて、その流れで紹介されたと思うんだけど、同世代でヤバいねっていうところから仲良くなっていって。それが十代の時、8〜9年ぐらい前かな。それでBANKROLLのイヴェントにSIMI LABを呼んだり、逆に俺らもSIMI LABに呼んでもらったりして」


OMSB「SIMI LABもまだ今のメンバーじゃなかったよね。俺とQN、あとヤンキーが2人ぐらいいて」


Ryohu「いた~。メッチャ思い出した(笑)」


OMSB「あとスピリチュアルなラテン野郎とか、微妙なおかしなバランスで組んでて。まだMARIAは加入前だね」


MARIA「私は“WALKMAN”のタイミング(註:2009年末にYou Tubeに発表された)だから、その1~2年前ぐらいの話だよね。最初めっちゃいたよね、SIMI LABのメンバーって」


OMSB「お坊さんがいたもん。ホームレスからお坊さんに転身したっていうやつ」


Ryohu「いた!」


MARIA「一時期、SIMI LABのカメラマン的なこともしてて」


OMSB「ビートも作ってたよ。でも暗すぎて『もう聴きたくない!』っていうビートだった(笑)」


Ryohu「出会った時からOMSBもQNもビートを作ってたし、SIMI LABは俺らより活動のクオリティが高いと思ってたな」


OMSB「褒め合いじゃないけど、俺は結構ライバル視してたよ、BANKROLLを。好きだけど、食われないようにしようって」


——KANDYのメンバーだとMUDくんが町田出身だよね。


OMSB「でもMUDと出会ったのはKANDYが動き出してからですね。MUDも格好いいよね。マジで好きで、聴いてるとぶち上がっちゃう」


Ryohu「やばかったよね、アルバム(「Make U Dirty」2017年7月)」


——wikipediaなので出典が曖昧なんだけど、ドカットくんはSIMI LABのメンバーだったの?


Ryohu「そこよく分かんないんだよな~」


OMSB「SIMI LABとドカット一緒にいる時に、俺らから『一緒にやりたいんだよね』って言ったら、ドカットが『うん』って軽く返事したのは憶えてる(笑)。でも、そんな感じかな」


Ryohu「そうなんだ。俺も当時、下北沢GARAGEに出入りしてBASE BALL BEARの“クチビル・ディテクティヴ”に参加したり、外で一人で動いてたから、あんまり当時のBANKROLLの動きが分かんないんだよね」


MARIA「だから一人で動いてるってイメージがある、Ryohuは」


Ryohu「GARAGEにもライヴで呼んだよね、SIMI LAB」


OMSB「1stアルバム(『Page 1 : ANATOMY OF INSANE』2011年11月)作る前だよね。QNが1st(「THE SHELL」2010年7月)出したか出さないかぐらいの時」


Ryohu「とりあえず色んな面白い奴を呼びたかったんだよ、当時」


MARIA「そういう動きをしてたから、同世代だけど若いな、エネルギーあるなって思ってた」


OMSB「Ryohuは血しぶき上げてたよね(笑)」


MARIA「でも、もっとフニャフニャじゃなかった?」


Ryohu「フニャフニャだった。でも全国流通盤(『Blur』)を出したんでちょっとしっかりしようって」


MARIA「うん、なんか『Blur』は男気を感じた」


Ryohu「しっかりしなきゃと思って。でもあんまりしっかりしてるのを見せたくないんだよね。ヘラヘラしてたい」





MARIA「Ryohuのイメージって女のイメージが強すぎて(笑)」


Ryohu「どういうこと?」


MARIA「だいぶ前だけど、可愛い女とすっごいイチャイチャしてた。そのイメージが強すぎる」


Ryohu「なんも言えないからもう止めてもらっていいすか、その話(笑)」


MARIA「でも『Blur』ホントに良かった。サンプリング多いでしょ、フックとか」


Ryohu「よくお分かりで。元ネタをそのままサンプリングするような事はしてないけど、言葉とかフレーズをエッセンスやオマージュとして取り込むっていう感じかな。曲にも元ネタがあって、それをちょっとコードを変えて、楽器でリアレンジして作ったり」


MARIA「(音の)生感やばかった。生音は最初から目指してたの?」


Ryohu「そう。今回はシンセとかよりも生音を重視したんだけど、ビートはやっぱり打ち込みの方が強く出るから、そこは打ち込みにして。MARIAのアルバム『Pieces』も良かったよ。“Just Good Friends ft Mona a.k.a Sadgirl”がスゴく良かった」


OMSB「あれヤバいよね。めっちゃ好き」


MARIA「あれヤバいべ。男を使う、けど女はプレイヤーになれないっていうさ。そうだ、製品盤を渡すわ。超エロい写真入ってるから」


OMSB「そうそう。『マジか!』って思うMARIAの写真が入ってるから」


Ryohu「そんな事言っても……マジか!!」


——フリとオチが効いてるな(笑)。


OMSB「部屋に貼りたくなるよね」


Ryohu「なるなる。そういう感じのピンナップだよね」


OMSB「ハワイのエロ・トランプみたいな(笑)」


MARIA「CDだし、フィジカル的な良さを出そうと思って。これが奇跡の一枚だから」


OMSB「載せられないような写真もいっぱいあったでしょ」


MARIA「あるある。色んな角度から撮ったからね」


OMSB「クルーとして管理しときたいから送ってよ(笑)」


MARIA「やだよ!(笑)。Ryohuのアルバムもエロい写真入ってる?」


Ryohu「俺はコンドーム入れとこうかと思ったんだけど、コストがね(笑)」


MARIA「サガミ・オリジナルに協賛して貰えばよかったのに」


OMSB「俺らの地元は相模(原)だし、そこは協力できたかもね、何のツテも無えけど(笑)」


MARIA「工場の場所は分かるよ。今回、私のアルバムのジャケットやってくれたKANEさんに『工場見学行く?』って教えてもらったから(笑)。でもRyohuのアルバム、ベースもメッチャ良かった」




——ベースは共同制作者の河原太朗さんだね。


Ryohu「俺とその人で一緒にトラックを今回は作って。OMSBもトラックを自分で作るけど、どういう感じで作ってくの?」


OMSB「気が向いたら作るって感じかな。作りたいって気持ちが日常的にあるから、『今だ!』っていう時にすぐに制作に入って。ダメだったら消しちゃうし」


Ryohu「俺もボツはあるよ。でも、その時だから出来る曲ってあるよね。十代の時に作った曲とか、逆に今聴くとスゲえとか思う」


OMSB「ある。羨ましく思っちゃうよね、自分の曲でも」


MARIA「たまにショック受けるもん。昔の曲のほうがボキャブラリーが今よりある、って。私どんどん頭悪くなってるから(笑)」


OMSB「ラテンの男と絡みすぎてるんじゃない?(笑)」


MARIA「六本木行き過ぎだね。今日も行くんだけど(笑)」


OMSB「仕上がってるな~」


MARIA「でもボキャブラリーは減ったけど、メロディアスになったかも知れない。リリックも大事だけど、シンプルな言葉で、それを気持ちに伝わりやすいメロディに乗せた方が、聴く人にはダイレクトに届くのかなって」


Ryohu「それは思うな。若い時はシンプルな言葉過ぎるとダサいみたいな感じがあったけど、今なら歌い出しからシンプルな方がキャッチーでいいみたいな。勿論ただキャッチーなのを目指すんじゃなくて、そこに自分なりのドープさを込められればって話だけど」


OMSB「言葉の位置でも変わって来るからね、印象は。同じ言葉でも、置くタイミングによってこんなに破壊力が変わるんだって思うし」

Neol_Ryohu_Maria_OMSB 02| Photography : Satomi Yamauchi


——お互いにクルーとして動いてるけど、いわゆる上下関係的なクルーではなくて、同世代で組んだクルーになるよね。


Ryohu「SIMI LABはメッチャ早かったよね」


MARIA「解散が?」


——またそういう不穏なことを(笑)。


Ryohu「驚愕の事実だったわ」


MARIA「大丈夫、解散してないから(笑)」


OMSB「してないしてない」


Ryohu「じゃなくてクルーを組むのが早かったよね」


OMSB「クルーを作った理由で一番大きいと思うのが、音楽とかヒップホップって掘り下げていけばいくほど、一緒にやっててもそこについて来れなくなる奴もいて。ましてや作る側に回る人間はもっと少ないから、気づいたら一人で黙々シコシコ作るだけになっちゃう。そうすると張り合いが無くなるし、それを脱却したくて、クルーを作ったんだよね。一緒に刺激できる仲間がいたらいいなって」


MARIA「私もSIMI LABに入ったのはそれ。日本語ラップのイヴェントに出入りしてなかったし、それこそ六本木とかLAでばっかり遊んでたから、自分でラップをやる時に、ツテが全然無くて。しかも価値観が合う人達、ヒップホップだけじゃなくて、ソウルとかファンクの話も出来る人がいたらいいなと思ってたところに、DyyPRIDEがSIMI LABを紹介してくれて。それで『こういう音楽が好きなんだけど』って話した時に、それにみんな共感してくれて、かつ、みんなが良いよって勧めてくれる音楽もすごく良かったんだよね。そういう場所が欲しかったし、それがSIMI LABだった」


Ryohu「俺らは幼馴染だから、クルーを作ろうっていうよりは、集まってた連中で作った作品を出す時(『KOLD TAPE』2014年11月)に『名前が必要だね』っていうぐらいで。そうじゃないとVarious Artistsになっちゃうから(笑)。でもやっぱりKANDYのメンバーは刺激しあえる存在だし、誰かがリリースすればその作品に絶対に喰らうし、そこで色んなアイディアが浮かんだり、ケツ叩かれる」


OMSB「KANDYって、誰かのライヴがあれば、結構みんなでそこに行くよね」


Ryohu「でも義務感じゃなくて『それが良くない?』って感じだよね。っていうか、お互いにそうやってきてるからね。例えばIOがリリースしたら、それを盛り上げよう、って感じだし、他のメンバーが出来る事はそれぐらいしかないから」


OMSB「それが最高だよね」


MARIA「良いよね~」


OMSB「俺らは全然そういうのが無いからさ。リリパでもメンバーが来なくて、結構肩落とすもん(笑)」


MARIA「ハッハッハ!ホント各自やって下さいだから(笑)。ちょっと前も怒られたもん。『Pieces』をメンバーの誰にも送らなくて、『ちゃんと送ってよ』って」


OMSB「マジで思ったよ。SIMI LABのメンバー以前に、俺はトラックで関わってるんだから送ってよ、って(笑)」


MARIA「ごめんね~。でも、私はSIMI LABはそれがいいのかなって。クルーとして共有できる世界もあれば、それぞれの世界もあるから、その意味でバラバラに動くのがいいのかなって。CD送らなかったのは悪かったけど(笑)」


OMSB「SIMI LABは自己主張強すぎちゃって、それぞれの世界でやってる感じだよね」


Ryohu「俺らもそうだよ。会ったら仲いいけど、別に普段からずっと一緒に活動してる訳じゃない。だけど俺らは幼馴染でずっと一緒にいるっていうのもあるかな。だから今になって、それぞれの個性が明確になって来てるのかも知れない」


——話はちょっと変わるけど、OMSBくんはQNくんと制作した“なんとなく、それとなく”を少し前にYou Tubeに発表したよね。2012年のQNくんのSIMI LAB脱退宣言、そしてビーフ曲の発表と、リスナーとしては残念な事態があっただけに、この曲の発表は本当に興味深かった。


OMSB「“なんとなく、それとなく”は、QNとは地元も近いし、普段から遊んでるんで、じゃあ一緒に曲作ってみようか、って感じだったんですよね」


MARIA「よくQNの家に集まって曲を作ってたじゃん。あの雰囲気があるよね」


OMSB「“なんとなく、それとなく”ホントにSIMI LABの出来たての時の感じだよね。それぐらいザックリ作った曲で」


Ryohu「QNの“Welcome 2 My Lab feat. OMSB’Eats”(『THE SHELL』収録)ぐらいの時期のノリを感じたね」


——METEORの“MOTEL feat. DEJI, QN, OMSB’Eats & CUTE”(METEOR『DIAMOND』2009年11月)とかね。


OMSB「それぐらい超ざっくりでいいのかなって。とりあえず曲を作ったってぐらいだし、だから“なんとなく、それとなく”なんですよね」


——QNくんのSIMI LABへの再加入みたいな話にはなってるの?


OMSB「いや、全然まだそういう話はしてないっすね。それをまだ決めるべき段階ではないかなって。この曲を作ったから、じゃあSIMI LABに戻りますっていうのは、ちょっといきなり過ぎるし、格好良くないから」


MARIA「だからまた自然な流れが出来たら、一緒にやるかもしれないし、って感じだよね。でも、個人的には2人が一緒に曲を作って良かったと思ってる。SIMI LABの2nd(『Page 2 : Mind Over Matter』2014年3月))は、やっぱりいきり立ってたと思うんだ」


OMSB「間違いないね」


MARIA「“WE JUST”を作ったのも、QNがいなくなって、じゃあどうする、っていうクルーの絆とか意地だったし、アルバムとしても1stみたいに『遊んでる中で曲作って楽しい』とは全然違った。だから、また遊べるようになってるのはスゴく良いなって」






——あの時期は「ネクスト・ヒーローのSIMI LAB」という正の注目もあったし、QNの脱退といったゴシップ的な要素もあって、本当に色んな角度で期待されてたから……。


OMSB「ややこしかったですよね。もうホントに(精神が)ビンビンだった」


——インタビューも気を張ってたもんね。1stの時の呑気さでは全くなかった。


MARIA「それはある。みんなピリピリしてたし、OMSB怖かったもん」


OMSB「怖かったよ。ここで手を抜くとか無いでしょ、って思ってたし、ここでダメだったら今後もダメだなって。あの時にいきり立ってた事が正解とは言わないけど、自分の中では正しい行動だったと思うね」


MARIA「うん。それで私もケツ叩かれた部分あるし」


Ryohu「それを超えても、2ndはスゴい、異空間の作品だったよね。これシラフで作ってんのスゴくね?って、良い意味でクレイジーな、とにかく音楽としてヤバかった。それは最近聴き直してもそう思ったね」


MARIA「あの時と違って、もう頭がチルしてるから、今の状態でSIMI LABとして作ってみたいよね。でもRIKKIとか連絡つかないしな~」


OMSB「最近あったね。天然もここまで行くとヤバイと思った」


Ryohu「何があったの?」


MARIA「SIMI LABでライヴがあったから、その連絡をSIMI LABのLINEグループで回してたんだけど、RIKKIだけ既読がつかないし、他の方法でも何の連絡もつかないから、生きてるのか死んでるのかも不安になって、職場に連絡したり」


——捜索だ。


OMSB「で、やっと連絡がついたら『その日がバイトが休めなくて、その返事をするのが気まずくて返せなかった』って(笑)」


MARIA「もう、みんなで『え~!!』って(笑)」


OMSB「そんな理由かよ!年上だべ!って。ヤバすぎて逆に上がっちゃったもん(笑)」



Neol_Ryohu_Maria_OMSB03 | Photography : Satomi Yamauchi


——クルーでの制作とソロでの制作はどんな違いがあったりする?


OMSB「グループで作る方が、書くヴァースも少ないし、分業で出来ると思ってたから、楽だと思ってたけど、そんな事全くなかったね。変な話、SIMI LABでやりたくねえもん、大変すぎて(笑)」


Ryohu「俺らもよく訊かれるんだけど、クルーで作品を作る時、SIMI LABは誰がイニシアチブ握るの?」


OMSB「2ndは俺とDyyPRIDEだったね。でも、大まかに俺がビートを元に方向性を作ったら、『暗くない?』って言われたりして『ふざけんな!』っていう(笑)」


MARIA「2ndは結構DyyPRIDEに流されたんだよね。彼はめっちゃ高速ラップしてて、私は高速ラップが苦手なんだけど、それに煽られて結構言葉詰めちゃって、ライヴで大変、っていう」


OMSB「他のメンバーに流されるのはあるよね。食われるっていう不安感があって、そこに張り合って、結果流されちゃうっていう」


Ryohu「それはグループあるあるだね」


OMSB「グループに一人は、そういうカマし屋いるよね(笑)」


Ryohu「いるいる。KANDYだったら、1stアルバム(「KANDYTOWN」2016年11月)の時はMUDだったね。とにかく一番最初にリリック書いてきて、超ヤベえラップするから、『どうする……誰が次に行く?』って、他のメンバーがビビっちゃうっていう(笑)」


OMSB「危機感を持つって意味ではスゴく良いんだけどね」


Ryohu「それに燃えて真正面からぶつかる時もあるし、逆に別の方向から攻めるか、とか、色んな動きを考えるキッカケになるよね」


——KANDYもSIMI LABもアルバムを待望されてると思うけど、そこら辺はどうでしょう?


Ryohu「クルーでアルバムを作りたくないって訳じゃないけど、予定はないし、それこそタイミングが合ったらって感じっすね。キッカケとタイミングがあれば、作るだろうし、作ろうと思えばいつでも作れるっちゃ作れるんで、その波がいつ来るかなっていう感じっす。SIMI LABはどう?」


OMSB「俺らはいつでも作れるって感じではないね。現状、気持ち的に制作に向いてないメンバーもいるし、制作に向かえない理由が考えられちゃううちはダメだと思う。だからそこもタイミングだよね」


MARIA「確かに」


OMSB「ただ、作るのに相応しい時は必ず来ると思う。だからタイミング待ちって感じすね、俺らも。今年、DyyPRIDEが脱退して、いま文学の方向で頑張ってるから、それはそれで応援してるんだけど、やっぱりあいつはSIMI LABにいた方がいいと思うし、そのうち戻って来るタイミングがあると思うんですよね。だって未だに俺らのイヴェントに、リハの段階から来てるから(笑)」


MARIA「そうそう!(笑)」


OMSB「当たり前のように。それで『寂しくなったんだろう?』って聞いたら『まあね』って」


MARIA「可愛いよね(笑)」


——良いクルーだね、ホントに(笑)。OMSBくんの2ndソロも待望されてると思うし、個人的にも死ぬほど待望してるんだけど、そこはどうです?


OMSB「ビートは作ってるんだけど、ラップに関しては、自分が何を言いたいかを探すのに時間がかかっちゃうんで、もうちょっと掛かりそうっすね。でも、かなりいいビートが溜まってきてるんで、期待はしていいですよ」


——熱い!


MARIA「今のOMSBのビートは超いいからね」


OMSB「超いいんすよ」


Ryohu「一皮むけて」


OMSB「ズルっと剥けて」


MARIA「洗練されてきたよね。質と間が超いい」


Ryohu「MARIAの『Pieces』も、OMSBのビートはすぐ分かったもんね。OMSBと一緒に曲を作ったことはないから、そこもタイミングを考えたい。もちろんMARIAともね」


——そして、12月8日に渋谷WWWで行われるRyohuくんの「Ryohu “Blur” Release Party」には、SIMI LABを対バンとして迎えていますね。


Ryohu「ワンマンも考えたんだけど、せっかくの機会なんで誰か呼んだりして、昔の感じでやりたいなって。それで、俺はバンド・セットでのライヴなんだけど、対バンはバンドでは無い方が面白いかなと思った時に『そうだ、SIMI LABだ』って。理由っていうより、ホントに閃いた感じですね。SIMI LABのライヴは熱そうだし俺が見たい、っていう。俺の方にはKANDYのメンバーも出るかもしれないけど、対バンとしてはSIMI LABだけですね」


——真っ向勝負ですね。


MARIA「嬉しいな」


OMSB「熱いよね。ここで呼んでもらえるのは」


——SIMI LABでのライヴも、最近はそこまで多くないし、楽しみだね。


MARIA「今年はりんご音楽祭ぐらいだし」


OMSB「年に何回かだからね。今回も良いライヴを見せられればと」


Ryohu「お互いにスゴい内容になると思いますよ。(OMSBとMARIAに)あ、後でちょっとお願い事があるんで、終わったら相談させてください(笑)」





photography Satomi Yamauchi
interview & text Shinichiro “JET” Takagi



ryohu
Ryohu『Blur』
¥2,000+税

1. The More, The Better
2. All in One
3. Shapeless
4. Desserts
5. Feelings (White Bird)
6. Shake
7. Say My Name


iTunes
https://itunes.apple.com/jp/album/id1279593525?app=itunes


Apple Music
https://itunes.apple.com/jp/album/id1279593525?app=music


TOWER RECORDS
http://tower.jp/item/4591081/Blur



Ryohu “Blur” Release Party
12/8 (Fri.) @ Shibuya WWW
OPEN 18:30 / START 19:30
ADV ¥3,000(+1D) / DOOR ¥3,600(+1D)


出演者:
Ryohu (band set)
SIMI LAB


VSL02_Label_PAD_Clear_A
※前売購入者には、Ryohuが選曲をした音源を収録したExclusive Cassette Tape「No Pay No Play」をプレゼント。
また、NeoLのtwitter(https://twitter.com/NeoL_Magazine)をフォロー&本記事の感想を書いてリツートされた中からExclusive Cassette Tape「No Pay No Play」一部をプレゼント。当選された方には後日、編集部よりご連絡させていただきます。イベント後の送付になります。ご了承ください。

10/14(土)〜プレイガイド一般発売
e+
http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P001016


チケットぴあ 【Pコード:347-789】
http://t.pia.jp/
※電話予約あり:0570-02-9999


ローソンチケット 【Lコード:76979】
http://l-tike.com/order/?gLcode=76979
※電話予約なし


渋谷WWW店頭



Ryohu(呂布)
KANDYTOWN、Aun beatz、ズットズレテルズ。いつでも、どこでも、だれとでものスタイルは崩さず“今”重要な場所に現れては音と人、出来事をつなぐラッパー。DJやトラック制作も手掛け、その楽曲にも定評がある。2016年に初となるソロEPを完全自主制作にてリリース、同年にはKANDYTOWNとして1stALをWarner Music Japanからリリース。SXSW2017ではオースティンでプレイするstarRoと東京のステージをリアルタイムに繋ぐCYBER TELEPORTATION TOKYO ショーケースに出演。
http://www.ryohu.com/
Twitter: @ryohu_tokyo
instagram: @ryohu_tokyo

SIMI LAB
SIMI LAB(OMSB, USOWA, RIKKI, JUMA, MARIA, DJ ZAI, Hi’Spec)2009年に神奈川にて結成。初レコーディング曲「Walk Man」のPVをYoutubeに発表し、その存在が広く認知される。2011年にグループとしての1st アルバム 「Page 1 : ANATOMY OF INSANE」をリリース。その後もOMSB 「Mr. “All Bad” Jordan」、DyyPRIDE「In The Dyyp Shadow」そして「Ride So Dyyp」、MARIA「Detox」など、活発なソロ作品のリリースでHIPHOPを中心にロックやジャズシーン等、多方面から大きな反響を得た。DJ ZAI, RIKKIの新メンバーも加入、2017年にDyyPRIDEが脱退し幾度かの変遷を経て、現在はOMSB、MARIA、JUMA、USOWA、RIKKI、Hi’Spec(DJ)、DJ ZAI (DJ)という、5MC+2DJの編成で活動中。またグループ内外でもデザイナーやイラストレーターとして活躍するMA1LLも所属しており、SIMI LABの活動は音楽だけにとどまらない。2014年3月、グループとしての2nd Album「Page 2 : Mind Over Matter」をリリースした。
*2015年2月〜DyyPRIDEが音楽活動休止中
*2017年5月 DyyPRIDEが脱退
https://www.summit2011.net/artists/simi-lab/

RELATED

LATEST

Load more

TOPICS