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text by Ryoko Kuwahara

Self Isolation Issue : 「“ニューノーマル”という概念、“新たな日常”の中、これまでとは違う視点でサバイヴする方法を模索する必要がある。もちろん、それに応じた社会を作っていかねばならない」浅井 隆(UPLINK代表)/How to Survive Taskahi Asai(UPLINK)




フィジカルには距離を置かねばならない現状に際し、アイデアや情報のシェアでポジティヴに自宅での時間に向き合うための「Self Isolation」特集。アーティスト/クリエイターによる現状への向き合い方やオンラインで楽しめる情報などを随時アップデートしていく。第3弾には、インディペンデントシネマの聖地であり、映画ビジネスの学びの場としても発展を見せているアップリンクの代表、浅井隆が登場。クラウドファンディングで資金を集めての吉祥寺アップリンクのオープンなど、常に時代を読んだ攻めの姿勢を見せている浅井は、今回の事態においても週末の閉館をいちはやく決定し、クラウドでの60本見放題キャンペーンを実施。その迅速な動きにますます注目が集まっている。(→ in English


ーー新型コロナウィルス感染症(COVID-19)で生活、クリエイティヴ、ビジネス、それぞれの面でどのような影響が出ていますか。


浅井「渋谷と吉祥寺で映画館を運営していますが、都の自粛要請を受け、3月28、29日、4月4、5日と週末に臨時休館の決定を下しました。自粛要請が出てからの特に3月30日の平日の売り上げは通常の9割減と大きな影響が出ています」


ーーこの側面で新たに気づいたこと、心がけたいことがあれば教えてください。


浅井「地球は一つだということに改めて気づきました」


ーーロックダウンに向けての精神的、物理的対応はどのように考えていらっしゃいますか。


浅井「無利子、無担保の借金を申し込む予定です。いつ収束するのかわからないので、この際借りられるだけ借りて、返済を1年据え置いてもらいたいと思っています」


ーーご自身の活動を鑑みて、室内でどのような創作や作業が可能だと思いますか。


浅井「自由の条件の一つに移動が挙げられます。考えたり、物を書いたり、絵を書いたり、作曲したり、スタジオワークなどは室内でできるでしょうが、移動ができないというのは自由ではない。室内だけでの活動は、何かできたとしても不自由だと思います」





ーーオンラインの活用方法や1人でもできる施策など、良いアイデアがあればシェアをお願いできますでしょうか。


浅井「ZOOMを会社でも使用していて、会議などは割とスムーズにできるなと実感しました。こういう時は逆にネットもテレビも断ち、ひたすら考えるというのはどうでしょう。外出自粛を強いられているので、何かをしなくてはという焦りをまず捨て、“考える”。これをお勧めします」


ーーこれを機に、新たにチャレンジしてみたいことはありますか。


浅井「海に潜ってみたいです」


ーー事態が好転し、COVID-19が収束したらしたら何をしたいですか。


浅井「ダイヤモンド・プリンセス号に乗って世界一周の旅をしてみたいです」


ーー政府の施策は満足できるものだと思いますか。もしNOであればどのようなことを提案したいですか。


浅井「日本政府の“補償をしない自粛要請”というのは、感染拡大の危険性と経営のバランスを鑑みた判断を中小企業に強いるので、正直相当きついです。
アップリンクでは、映画館は土日臨時休館にしましたが、平日は営業しています。そして自社配給作品60本を2980円で3ヶ月見放題というサービスも始めました。外出するなというのか、平日は映画館に来てくれというのか、家に籠もってVODを観て欲しいというのか、はっきりしない方針を打ち出さざるを得ない。
いち企業の代表として、政府に提案したいのは、消費税、社会保険、年金の支払いを今後1年間チャラにする。それによって従業員の給与を天引しなくて良いので、スタッフの可処分所得が増える。それと、これは半ばヤケクソですが、この際借りられるだけお金は借りるので、3年とか5年とかの返済期間でなく、15年返済とか20年返済とかを考えて欲しいです。
この新型コロナウィルスについては、“一寸先は闇”と思うし、“明けない夜はない”とも思いたいです。ただ、この先また新たなウィルスで世界がパンデミック状態になることがあると認識した方がいいだろうと感じています。
そこで、“ニューノーマル”という概念、“新たな日常”というのが一番しっくりくるのではないでしょうか。これまでとは違う視点で、サバイヴする方法を模索する必要があると思っています。もちろん、それに応じた社会を作っていかねばなりません。もう、かつての日常はないのだから」





浅井隆
アップリンク代表
www.uplink.co.jp
twitter @uplink_jp
Instagram @uplink/film





外出しなくても映画は観れる!オンライン映画館「アップリンク・クラウド」でアップリンクの映画60本見放題
https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2311/
アップリンク・クラウド 3ヵ月間2980円(税込)
映画館を運営するアップリンクでは、現在、東京都が 感染者の爆発的拡大(オーバーシュート)の重大局面を迎えているという報道、都知事の今週末の外出自粛要請を受け「アップリンク渋谷」「アップリンク吉祥寺」を4月4日(土)、5日(日)全日休館。
外出を控えられる映画ファンに対し、アップリンクが運営するオンラインの映画館「アップリンク・クラウド」にて、配給作品60本を購入より3カ月間2,980円で鑑賞できる配信キャンペーンをスタートした。
配信作品リスト https://note.com/uplink_jp/n/n26233be24e4b

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